子どもの学習方法の選択肢の一つとして考えられている「留学」ですが、
留学を検討中の方の中には「どこの国が人気があるのだろう」「その理由も知りたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
今回は、10代から60代以上までの607人を対象に「子どもに留学してほしい国」についてアンケート調査を実施しました。
調査概要
調査対象:10代から60代以上までの607人
調査期間:2024年8月4日-9月21日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:607人(女性 452人/男性 155人)
回答者の年齢:10代3.2%、20代16.4%、30代41.4%、40代30.5%、50代9%、60代以上2.3%
調査結果サマリー
・子どもに留学してほしい国ランキング:1位はアメリカ
・女性の1位は「カナダ」、年代によっても微妙な差異
・年収別、学歴別に見ても英語圏の国がランクイン
子どもに留学してほしい国ランキング:1位はアメリカ
10代から60代以上までの回答者607人に「子どもに留学してほしい国」について聞いたところ、1位は「アメリカ」で304人、2位は「カナダ」で252人、3位は「オーストラリア」で233人という結果になりました。他にイギリス、ニュージーランド、シンガポールがランク入りしており、英語圏の国が上位にランクインしていることがわかります。
また英語以外の言語が公用語である国としては、「スイス」と「ドイツ」が7位と8位にランクイン。スイスを選んだ人からは、教育水準の高さや観光地としての魅力などが選んだ理由としてあげられていました。
上位にランク入りした国を選んだ理由をそれぞれ見ていきましょう。
1位:アメリカ
・「子供の留学先として考えられるのは、やはりアメリカです。アメリカは世界のなかでも大国であり、さらに多くの人種のるつぼという環境です。そんななかで学ぶべきことがたくさんある国ということもあり、ぜひそこで世界のリーダーであるアメリカの文化などを学んでダイナミックな大人へと成長するきっかけを掴んでもらいたいです」(40代女性)
・「アメリカでアメリカ文化を学んでほしいです、アメリカは日本と違い裏表のないストレートな国です、例えば他人の目を気にする事はなく自分は自分であり他人は他人なため自分が嫌だと思えばハッキリとNOと言い好きだと思えばYESと言います、アメリカは本物の国であり日本は他国の物を真似する偽物の国なため子供には本物の国とはこういう国だという事をアメリカ文化に触れ学んでほしいです」(40代男性)
・「私自身がアメリカの大学(ワシントン州立大学)の博士課程で学びました。日本の大学院で学んでいるときに海外留学生から高校生活について日本との違いを知りました。アメリカの高校や大学は、広大なキャンパスと充実した研究環境が特徴で、高校生でも自分の興味を追求できる自由な学びの場です。子供には、そんな環境で、自分の可能性を最大限に伸ばしてほしいと考えています」(40代男性)
「アメリカ」を選んだ人からは、「人種の坩堝であること」や「自分の興味を追求できる自由な学びの場であること」などの理由が上がっていました。日本では味わえないような大きな経験をし、自分の可能性を伸ばしていってほしいと思っていることがわかります。
2位:カナダ
・「子供が小さいときにカナダのトロントに1年間夫の仕事の都合で滞在したことがあったので、子供にはカナダのトロントに留学してもらいたい。その時にお世話になった人たちに会いたいし、トロントは移民が多くアジア人も住みやすい環境で、食文化も多彩で日本食も簡単に食べられる点も良かった。様々な人種の人々とふれあって大きな視野をはぐくんでほしいと思っています」(50代女性)
・「カナダの広大な自然に触れて、英語をしっかり学んでほしいです。スーパーで売っている食べ物、乗り物の待ち時間など日本にはない文化にも触れて、休日はナイアガラなどの観光地に出かけて沢山の景色を見て、ハロウィンやクリスマスと言った季節のイベントに参加し、カナダならではのスケート等のスポーツにも挑戦してみて欲しいです」(40代女性)
・「一緒に働いていた方にカナダの方がいて、その方から英語で話す楽しさを子供が教えてもらいました。その方が今年カナダに帰ったのですが、その方やご家族の人柄に触れて、その人がいるからとカナダにも興味を持ったので、留学したいとなるとカナダ1択だろうなと思っています。知っている方がいたら親としても安心して留学へ、送り出せます」(40代女性)
「カナダ」を選んだ人からは、「カナダの広大な自然」や「実際に自分が会って感じた国民の人柄の良さ」などが理由として選ばれていました。カナダの人たちの温かさや文化に惹きつけられている人が多いことがわかります。
3位:オーストラリア
・「子供が留学するなら、たくさん留学が行われているイメージで安心感のあるオーストラリアに行ってほしいです。時差もほとんどないので、体調を崩さずにいられるのではらないかと思います。留学のプログラムも充実していると思うので、英語でのコミュニケーションや英語圏の人たちの文化や考え方を学んできてほしいなと思います」(30代女性)
・「オーストラリアに留学してほしいです。オージーイングリッシュなので英語力はどんな感じになるかわかりませんが、治安が良く自然も多いのでのびのび生活できると思います。私自身オーストラリアに1か月弱滞在したことがあり、人々の優しさをよく感じていました。勉強はもちろんですが、アクティビティ参加やホストファミリーとの時間の中で、文化や国土について学んで欲しいです」(40代女性)
・「もし留学できるならオーストラリアに留学してほしいと思います。英語を学んでほしいのはもちろん、その土地の歴史や文化など日本との違いを感じてきてほしいです。私自身は海外旅行の経験もありませんが、日本の素晴らしさを感じています。海外に行くと日本のいいところや逆に改善した方がいいところ、そして多国籍な方々とふれあうことで視野を広げてほしいです。かなうのであれば、子供たちには自分のやりたいことをしてほしいです。海外に出たいといったときは応援してあげたいです。グローバルな視点があると広くものを考えられると思っています」(40代女性)
「オーストラリア」を選んだ人からは、「治安がよく自然の中で伸び伸びできる」や「時差がほとんどない」などの理由があげられていました。日本から近く、留学しやすい場所にある英語圏の国として人気を集めていることがわかります。
4位:イギリス
・「最初は英語を身に着けてほしいのできれいな英語が身につく国に行かせたいです。できればイギリスか北米の東海岸に行かせたいです。できる限り治安が良く、日本人が少ないエリアでまじめに勉強してほしいと思います。英語が身に付いたら、英語を使って何かを身に着ける、あるいは学べるように大学か大学院に進学してほしいと思います」(50代女性)
・「自分も20代にイギリスへ留学したことがあるので我が子にも英国で本格的なクイーンズイングリッシュを学んでほしいです。雨の多い気候ですが北米に比べれば治安も良く、イギリス人気質が日本人には合っているので過ごしやすい環境だと感じます。単なる英語習得の語学留学ではなく、数学や物理など理系分野のマスター課程を修了してくれたら、国際的に活躍できる可能性が広がると思います」(50代女性)
・「子供が留学するなら、イギリスに留学してほしいです。メインイギリスで語学を学んでもらいたいですがヨーロッパの様々な国にも足を運びたくさんの人と出会い世界が広く、色々な考え方があることを知って欲しいです。治安もアメリカなどに比べると良さそうなので怖がらずに色々なところに行って色々な経験をしてもらいたいと思っています」(30代女性)
「イギリス」を選んだ人からは「クイーンズイングリッシュを学んでほしい」や「治安がよくイギリス人の気質が日本人に合っている」などの理由が上がっていました。他に、ヨーロッパの他の国と近いことも魅力としてあげられています。
5位:ニュージーランド
・「子供が留学するなら、ニュージーランドに行ってほしい。私もニュージーランドでファームステイをしたことがあり、人生観が変わったから。時間に終われず自然や動物に触れ、生命に触れてほしい。子供も生き物が大好きなので、日本にとどまらずに外国でも触れてきてほしい。留学したら自然と語学力もつくと思うから、自然が多い、英語圏のニュージーランドを勧めたい」(40代女性)
・「子供が留学するなら、ニュージーランドを希望します。古くからの友人が現在住んでおり、治安が非常に良く、子供や環境を大切にする国で非常に住みやすい国だと聞いています。豊かな自然の中で、言語だけでなく、様々な文化を学び将来に役立てて欲しいです。いやらしい話ですが、友人の家があるので留学費用が安く済むことも大きな要素です」(30代男性)
・「ニュージーランドは、国際的に評価されている教育制度を持っており、特に「未来志向の教育」が強調されています。クリティカルシンキング、プロジェクトベースの学習、問題解決スキルの育成に力を入れています。クラスの規模も比較的小さいため、教師と生徒の関係が密接で、一人ひとりに目が届きやすいです。 また、ニュージーランドは治安が良く、留学先としても安全で安心です。政治的にも安定しており、生活水準も高いので、親としても心配が少ない環境と言えます。 豊かな自然環境はニュージーランドの大きな魅力です。都市部でも自然に囲まれた生活ができるため、学校外でのアウトドア活動やスポーツが盛んです。学業だけでなく、自然との触れ合いを通じて心身ともに成長できる機会が豊富です」(40代女性)
「ニュージーランド」を選んだ人からは、「教育制度が国際的に評価されている」や「治安が非常に良く、言語だけでなく多様な文化、価値観も学んでほしい」などの声が上がっていました。子どもや自然を大切にする価値観や自然溢れる環境に魅力を感じている人が多いようです。
女性の1位は「カナダ」、年代によっても微妙な差異
続いて、男女別に「留学してほしい国」を見てみたところ、女性と男性で選んだ国自体については変わらないものの、順位に大きな違いが見られました。女性はカナダが1位になっており、治安の良さを重視していることがわかります。
また、男性は2位のカナダにダブルスコアをつける票差でアメリカが人気を集めており、アメリカの自由な気風を求めていることがわかりました。
年代別に「子どもに留学してほしい国」を見てみると、1位はどの年代でも「アメリカ」という結果に。ただ、30代までは2位が「オーストラリア」なのに対し、40代以降では「カナダ」となっており、世代によって魅力を感じている留学先が違うことがわかりました。
「オーストラリア」の順位は年齢とともに下がっており、オーストラリアの留学先としての評価が高まったのがカナダよりも最近であることがうかがえます。
年収別、学歴別に見ても英語圏の国がランクイン
最後に、年収別に「子どもに行ってほしい国」を見たところ、300万円以下の人を除いて、1位は「アメリカ」という結果になりました。2位以降にはバラツキがありますが、カナダ、オーストラリア、イギリスが多く選ばれています。
また、最終学歴別に「子どもに行ってほしい国」を見たところ、「中学校卒業」と「大学院卒業」以外の人では「アメリカ」が1位という結果に。「中学校卒業」ではオーストラリアが1位、「大学院卒業」では「カナダ・オーストラリア」が1位という結果になっています。
ただ、順位は変わっても選ばれている国自体に大きな差はなく、英語圏の国が人気を集めていることがわかります。
まとめ
調査の結果、子どもに留学してほしい国ランキングで1位に選ばれたのは、「アメリカ」ということがわかりました。上位には英語圏の国が入っており、留学によって英語を学ばせたいと考えている人が多いことがわかります。
また、性別でわけて見てみると、女性の1位は「カナダ」、男性の1位は「アメリカ」であることがわかりました。女性はカナダの治安の良さ、男性はアメリカの自由な気風に惹かれているようです。
最後に、年収別、学歴別に分析したところ、順位はバラバラであるものの、選ばれているのは英語圏の国であることがわかりました。どの年収、学歴であっても「留学=英語の習得」という意識があることがわかります。