資格の種類も増え、資格を持っていることが当たり前になりつつある昨今。
「皆はどんな資格を取ろうと思っているんだろう?」
「どんな資格が人気なんだろう」と思っている方もいるのではないでしょうか。
今回は、10代から60代以上までの672人を対象に「今取りたい資格」についてアンケート調査を実施しました。
調査概要
調査対象:10代から60代以上までの672人
調査期間:2024年8月4日-9月21日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:672人(女性 431人/男性 241人)
回答者の年齢:10代0.6%、20代23%、30代36.8%、40代23.5%、50代11%、60代以上5.2%
調査結果サマリー
・今から取得したい資格ランキング:上位はプライベートでも活用できるもの
・取得したい資格に男女差、高齢になるにつれて社会貢献できる資格が上位に
・最終学歴に関係なくファイナンシャルプランナーが1位、年収別に見てもほぼ1位
今から取得したい資格ランキング:上位はプライベートでも活用できるもの
10代から60代以上までの回答者672人に「取りたい資格」について聞いたところ、1位は「ファイナンシャルプランナー」で151人、2位は「日商簿記検定」で124人、3位は「心理カウンセラー」で107人という結果になりました。仕事だけでなく、暮らしにも役立てられる資格が上位に選ばれています。
それぞれ項目別に選んだ理由を見ていきましょう。
1位:ファイナンシャルプランナー
・「FPの資格です。この年になって、実はお金、経済関係の知識はほとんど学んでこなかったと言うのを痛感しているからです。お金や経済に関する法律や制度についても学べると聞き、『補助金などは自分から申請しないと絶対に支給されない』が当たり前の日本においては、その制度そのものを知っているかいないかで、ずいぶんと変わってくると思います。それを考えると、やはりその辺りの情報や制度は知っておいて損することはないと思うので、今からでも勉強したいなぁと考えています」(40代女性)
・「ファイナンシャルプランナー資格をとって自分の資産管理が適切かどうか知りたいです。妻や子供もいるので、それぞれの立場や年齢に応じた家計の見直しをアドバイスすることもしていきたいです。特に保険や投資に関する部分は、何も知らないとかなり無駄な事をしている可能性もあるのでしっかりと勉強したいです。人生を豊かに過ごすために取得したいです」(60代以上男性)
・「ファイナンシャルプランナーの資格を取りたいです。ファイナンシャルプランナーを仕事にするというよりも、お金に纏わることに関する知識を深めて行きたいのと、自分のこれからの人生に役立てて行きたいと思うからです。特に資産形成についてとても興味があるのですが、まずは色んな知識を習得して行く必要があると思います」(30代女性)
ファイナンシャルプランナーを選んだ人からは、「自分の資産管理に役立てたい」や「お金に関する知識を深めることで人生の役に立てたい」などの声が上がっています。仕事に活用していきたいというよりは、知識を自分の生活に役立てたいと思っている人が多いことがわかります。
2位:日商簿記検定
・「簿記の資格を取りたいです。フリーランスになるために資格を活かし、自身の会社の決算書類を読む力を培いたい。資金の流れをしっかりと管理し、経済状況の把握、目標収入額など目標計画をしっかりと立てれるようになりたいです。雇用ではない限り、簿記能力は必須と考えています。外注も可能ですが、実際に自身の会社の業績も理解が深まると思っています」(20代男性)
・「日商簿記検定を取得したいです。現在育休中で、復職後総務、経理の部署へ異動する可能性があるため、簿記の知識を身に着けたいと考えています。資格がなくても問題ないですが、スムーズに業務に慣れ、他のメンバーに迷惑をかけないようにするために、取得をしたいです。子育ての合間を縫って少しでも勉強し、合格を目指したいです」(30代女性)
・「日商簿記の資格は経理に必須な資格であり、転職する際に取得していたらそのような職種でも働けると考えます。日商簿記3級は取得しているのですが、2級になるとレベルUPし問題も普段馴染みのないものが多いので時間をかけて習得し、資格を取得したいと考えています。今後も企業にとって経理担当は重要役であると考えます」(20代女性)
日商簿記検定を選んだ人からは、「将来独立することを考えて取得しておきたい」や「転職に役立ちそう」などの声が上がっていました。現在勤めている会社はもちろん、さまざまな場所で役に立つ資格だと思われていることがわかります。
3位:心理カウンセラー
・「心理カウンセラーに興味があります。以前からこの分野興味があってどんな内容なのか、受験まではいかなくてもこの分野においての勉強をしてみたい、中身を知りたいと感じます。実生活において、自分や家族に少しでもメリットが出ると嬉しく感じます。今後全世代のストレスフルな時代に突入していくことは認識しているので、自分や家族を守ることが出来たら有益だと感じられます」(40代女性)
・「心理カウンセラーを取りたいです。近年ではストレスが原因で精神的に不安定になる方が大勢いて、学業や仕事を休んだり辞めたりと社会的にも大きな問題となっています。精神的な問題は外見上分かりにくく理解されない部分が多いので、早期に相談や改善していく必要があります。不幸な結果になる前に悩んでいる方の気持ちを楽にしてあげられると、やりがいにつながると思います」(40女性)
・「ここ数年メンタルの悩みを抱えています。仕事に活用するために資格を取りたいというよりかは自分のメンタルの安定を図るために有効なのではと考えています。人とのコミュニケーションをとるにも役に立ちそうですし、知人の相談に乗るときにも知識があると役に立てそうです。専門知識を身につけて自分はもちろん周りの人の気持ちを知って明るく生きていきたいです」(30代女性)
心理カウンセラーを選んだ人からは、「ストレス社会で辛い状況にいる人の役に立ちたい」や「自分のメンタルの悩みにも役立ちそう」などの声が上がっていました。ストレス社会になり、どんな人でも環境次第でメンタルに悩みを抱えてしまう昨今。誰かのサポートになりたい、自分や周囲のために知識を役立てたいと考えている人が多いようです。
4位:TOEIC
・「公認会計士およびTOEICの資格を取りたいです。現在アメリカ在住で経理の業務をしているためスキルアップ、知見の向上に役立つと考えています。資格を取ることでプロモーションもしやすくなると考えています。TOEICに関しましては学生の時に受験して以来なので、久しぶりにテストを受験してみようと考えております」(30代女性)
・「管理職になるためにはTOEICを600点以上取得するが必要があります。普段、英語を使う仕事ではないのでかなり厳しいのは承知していますが、毎日の通勤時に英会話を聞いてトレーニングをしています。また、将来に海外旅行へ行くことがあれば、英会話が出来ることにより、より一層旅行を楽しむことが出来るので、仕事だけではなく将来の楽しみのためにも頑張りたいです」(40代男性)
・「TOEICをとりたいです。なぜなら、高校と大学で英語を専攻していたからです。大学時代には短期留学の経験がありますが、長期と違って英語完璧に話せるようになるには時間が足りませんでした。大学ではTOEICの勉強もしていたので、その経験を活かしてTOEICで良い点数を取り、転職に活かしたいと思っています」(20代女性)
TOEICを選んだ人からは「昇進のために必要」や「転職に活かしたい」などの声が上がっています。英語力を向上させることにより、仕事だけでなくプライベートでも活用していきたいという声もあり、さまざまな場面で活用しようと考えていることがわかります。
5位:MOS
・「Microsoftの勉強をして、それを証明する資格を取得したいと思います。そして、派遣会社に登録して、派遣の仕事をしたいです。できれば、オフィスワークで働けるようにしたいと思います。パワーポイントやアクセスができるようになると、重宝されると聞いているので、マクロや関数を使いこなせるようになりたいと思っています」(50代女性)
・「MOSの勉強がしたいと思います。普段からある程度の作業は可能ですが、日頃自分の使わない機能は全くわかりません。全体的に把握してどこでも活用できるように勉強がしたいと思います。TOEICに関しては、自分の英語能力がどれくらいかを自分の感覚でではなく客観的に示すことができるので定期的に受けたいと思います」(40代女性)
・「会社ではword、excel、accessが使用されていますが、中にはスキル不足でそれらを使うことができない社員がいます。そうした社員向けに社内で勉強会が開催されることが決定し、主催者の部下である私は講師役をつとめることになりました。講師役として成功をおさめるために、MOSを取得することで自身のスキルアップと自信に繋げていきたいからです」(30代男性)
MOS(Microsoft Office Specialist)を選んだ人からは、「スキルアップして仕事に活かしたい」や「自分の自信に繋げたい」などの声が上がっています。普段、オフィスワークで使うことの多いMicrosoftですが、MOSの勉強をすることで知識が確立され自信に繋がることがわかります。
取得したい資格に男女差、高齢になるにつれて社会貢献できる資格が上位に
続いて、「取得したい資格」についての回答を男女別に分析したところ、男女ともに1位はファイナンシャルプランナーという結果になりました。ただ、2位以降は大きく異なっており、女性は2位が「心理カウンセラー」、3位が「日商簿記検定」、4位が「TOEIC」、5位が「MOS」という結果に。一方男性は、2位が「日商簿記検定」、3位が「危険物取扱者」、4位が「行政書士」、5位が「宅地建物取引士」という結果になりました。
女性がオフィスワークや暮らしに役立つ資格を選んでいるのに対し、男性は仕事に直結する専門性の高い資格を選んでいることがわかります。現在の男女の働き方の違いが、資格にも反映されていると言えそうです。
また、「取得したい資格」についての回答を年代別に分析したところ、会社勤めが始まったばかりの20代では、ファイナンシャルプランナーや日商簿記検定、TOEICなど仕事で役立つものが選ばれています。また、それ以降の年代では、日常でも役立つ心理カウンセラーがランクイン。年代が上がるほど上位になっており、より社会に貢献できる資格に意識が向いていくことがわかりました。
最終学歴に関係なくファイナンシャルプランナーが1位、年収別に見てもほぼ1位
最後に、「取得したい資格」についての回答を年収別に分析したところ、年収1,000〜1,499万円の人を除いて、ファイナンシャルプランナーが1位という結果になりました。仕事でも普段の生活でも役に立つ資格が人気なことがわかります。
また、他の分析では上位にランクインしていた「心理カウンセラー」は、年収500万円以下の人以外ではランクインしていないという結果に。年収が上がるにつれ、より専門性の高い資格を選ぶ人が多いことがわかりました。
また、「取得したい資格」についての回答を最終学歴別に分析したところ、全ての学歴で1位が「ファイナンシャルプランナー」という結果になりました。ファイナンシャルプランナーは、性別、年代、年収とどの分類で見ても上位となっており、人気の高さがうかがえます。
まとめ
調査の結果、「今から取得したい資格ランキング」の上位は、仕事でもプライベートでも活用できるものが選ばれていることがわかりました。ファイナンシャルプランナーは、年収、学歴、性別などさまざまな分類で見ても上位にランクインする結果となっており、人気の高さがうかがえます。
選んだ人からは、仕事だけでなく自分の資産管理にも活用できるといった声も上がっており、私生活でも活用できる資格に評価が集まっています。
また、年代別に見てみると、高齢になるにつれて社会貢献できる資格が上位にランクイン。仕事で活用できる資格に集中していた20代から、少しずつ社会へと目が向いていくことがわかります。
他に、男女別で見た場合、女性はオフィスワークや暮らしに関する資格を多く選んでいるのに対し、男性は収入アップに繋がるような専門的な資格を選んでいることがわかりました。働き方改革が進みつつも、いまだに男性が稼ぎ頭として働かざるを得ない状況が多いことが反映された結果と言えるでしょう。今後、女性の働く環境がより改善された場合、結果も変わってくるかもしれません。