物価高に苦しむ声が多く聞こえる中、
「他の人の理想の年収はいくらくらいだろう?」「賃上げを実感している人はいるの?」といった
疑問を持っている方もいるのではないでしょうか?
あなたはいくらあれば満足ですか? 日々の生活はもちろん、趣味や旅行など、充実した人生を送るためには、どれくらいの年収が必要なのでしょうか?
今回は、10代から60代以上までの553人を対象に「理想の年収」についてアンケート調査を実施しました。
調査概要
調査対象:10代から60代以上までの553人
調査期間:2024年8月4日〜9月21日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:533人(女性 340人/男性 213人)
回答者の年齢:10代0.5%、20代19%、30代30.7%、40代27.3%、50代15.6%、60代以上7%
調査結果サマリー
・自分の年収に満足していない人は6割以上、満足しているのは2割未満
・理想の年収は今より一つ上の年収帯が約半数、年収が上がるほど今の年収への満足度も上昇
・賃上げによる良い影響を受けた人は約1割、物価高のスピードやインボイスに苦しむ声も
自分の年収に満足していない人は6割以上、満足しているのは2割未満
10代から60代以上までの回答者553人に「現在の年収に満足しているか」について聞いたところ、「満足している」が5.8%、「やや満足している」が12.8%、「どちらとも言えない」が16.8%、「あまり満足していない」が33.8%、「全く満足していない」が30.7%という結果になりました。
「満足している」と「やや満足している」を合わせても「全く満足していない」より少ない結果になっており、現在の年収に満足している人が少ないことがわかります。
理想の年収は今より一つ上の年収帯が約半数、年収が上がるほど今の年収への満足度も上昇
続いて、「理想の年収」について聞いたところ、「500万円〜700万円」が一番多く32.4%、次いで「300万円〜500万円」が28%、「700万円〜1000万円」が16.3%という結果になりました。
また、理想の年収を、現在の年収別に分析したところ、今の収入の1つ上の年収帯を希望する人の割合が一番多いことがわかりました。
また、年収が上がるほど今現在の年収を理想とする人の割合も多くなっています。例外は1,500万円以上の年収の人で、全員が今より上の2,000万円以上と答えていました。
賃上げによる良い影響を受けた人は約1割、物価高のスピードやインボイスに苦しむ声も
最後に、「最近の賃上げの結果」について聞いたところ、「とても良い影響があった」「良い影響があった」は13.9%、「変わらない」が75.6%、「悪い影響があった」が10.5%という結果に。
ほとんどの人が変わっておらず、良い影響があった人も1割ちょっとしかいないことがわかります。
また、年収別に賃上げによる影響について聞いたところ、年収が上がるほど「良い影響があった」と「悪い影響があった」の割合が増えていることがわかります。年収1,000万円以上の人だけ「良い影響があった」がずば抜けており、他とは違う結果になりました。
悪い影響があった人からは「政府の賃上げは、私のようなフリーランスにはまったく効果がありません。特に、昨年から始まったインボイス制度が、実質年収を下げる大きな原因になっています。昨今の値上げ地獄を考えると、私のような低賃金のワーカーにとって死活問題です。(60代以上女性)」や「賃上げする以上に生活にかかる費用の上昇の方が酷い。また、大きめの企業やグループはいいかもしれないけれど、田舎の小さな会社等ではほとんど効果がなく意味があるようには思えません。扶養内のパートでは多少時給が良くなっても所得枠が変わらないので、結局家庭内での全体の収入が下がる結果にということもあります。せめて賃上げをするのならその辺りの対応もしてほしいです(20代女性)」などの声も。
物価高に加え、インボイス制度や所得枠の据え置きなどの政治的な理由から年収が減ってしまったという声も上がっており、進まない賃上げだけでなくさまざまな改善が政治に求められています。
まとめ
調査の結果、自分の年収に満足していない人は6割以上で、満足しているのは2割未満ということがわかりました。物価高が進む一方、あまり変化のない自分の収入に満足している人の割合が低いことがわかります。
また、理想の年収は今の収入の一つ上の年収帯を選ぶ人が約半数いることがわかりました。年収が上がるほど今の年収を理想とする人の割合が上昇することもわかっており、年収1,000万円では3割弱の人が今の年収を理想としています。
一方、最近の賃上げ傾向による影響については、良い影響を受けた人は約1割という結果に。8割弱の人は「変わらない」と答えており、大多数の人が物価高に苦しんでいる状況がうかがえます。また、フリーランスの人からは物価高に加えインボイスによる実質的な減収に苦しむ声も。他に扶養内で働く人からは物価高にも関わらず所得枠が変わらないことによる実質的な収入減への憂いの声が聞こえるなど、物価高への賃上げ以外の対策も求められています。