子育てをしていると気になってくるのが、各自治体の子育てへの対応です。
中には、「どの都道府県が子育てがしやすいのだろう」や
「人気の都道府県を知りたい」と思っている方もいるのではないでしょうか?
今回は、10代から60代以上までの658人を対象に「子育てがしやすそうな都道府県」についてアンケート調査を実施しました。
調査概要
調査対象:10代から60代以上までの658人
調査期間:2024年7月24日-9月21日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:658人(女性 528人/男性 130人)
回答者の年齢:10代0.1%、20代14%、30代46.7%、40代28%、50代8.8%、60代以上2.3%
調査結果サマリー
・子育てがしやすそうな都道府県ランキング:1位は東京都
・沖縄県民の子育ての満足度は平均よりも高い傾向、東京は逆
・子育てで大事にしていることは、年代により微妙に変化
子育てがしやすそうな都道府県ランキング:1位は東京都
10代から60代以上までの回答者658人に「子育てがしやすそうな都道府県」について聞いたところ、1位は「東京都」で137人、2位は「沖縄県」で62人、3位は「兵庫県」で56人という結果になりました。東京都の便利さが人気を集める一方で、沖縄県の持つ穏やかなイメージも人気を集めています。また、3位にランク入りした兵庫県は、子育て支援が充実している明石市が人気を押し上げる結果となりました。
それぞれ、選んだ理由をみていきましょう。
1位:東京都
・「交通が発達しているので、車がなくても、どこへでも行きやすい。習い事がたくさんあり、レベルも高いので、よりどりみどり。例えばピアノの上手な子は、栃木県から東京へ、ピアノを習いに行く子もいますが、東京に住んでいれば、そういうところへも簡単に行けます。また、旅行をするときにも、新幹線や飛行機にも乗りやすい立地なので、便利です。子供向けのイベント、博物館などもたくさんあるので、教育にも良いです。病院もたくさんあるので、何かあっても安心です。いなかだと、わざわざ東京の病院へ通う人もいるので、やはり、東京が一番良いと思います」(40代女性)
・「なんと言っても財政に余裕があるため他県に比べてあらゆる子育て支援が充実している点と、子供がやりたい、体験したいと思った事に対して大抵の事は都内であれば体験できる環境が整っていて様々な経験をさせられる点です」(40代男性)
・「育児に関する助成金が多いように感じます。また、体験や学習できる施設やがとても多く良いと思います。東京の西部に行けば自然豊かな川や森もあり自然体験もでき、海もあり一番子育てをするのに充実している地域だと思います」(40代女性)
「東京都」を選んだ人からは、「財政が充実しており子育て支援が充実している」や「体験や学習できる施設が多くある」などの声が上がっています。助成が充実していることや、少し足を伸ばせば子どもに多くの経験をさせてあげられる環境に人気が集まっています。
2位:沖縄県
・「のびのび育児している人が多そう。自然も多く、環境が恵まれている。穏やかに人生を楽しんでいる人が多いイメージ。横の繋がりが、本島より深そうなので、皆でサポートし合いながら、皆で子育てをしている印象がある」(30代女性)
・「出生数も高く、子どもの比率が他の県より多いこともあり、子育てしやすそうに思う。おじいやおばあなど子育てに関して周りの目も暖かそうなイメージがある。また、夏も暑いけれど37度以上になったことがないことや、冬も他の県より暖かいので気候に関してはとても育てやすそうである」(30代女性)
・「県民性がのびのびしており、気候もおだやかで温かいから。近くの人と助け合う文化があると聞いたことがあり、地域で子育てをしているイメージがあるため、助け合いながら子育てができそう。自然も豊かなのも魅力的だと思う」(30代女性)
「沖縄県」を選んだ人からは、「皆で子育てをしているイメージ」や「自然が豊かで穏やかに育児ができそう」などの声が上がっています。地域皆で助け合いながら子育てをしているイメージがあり、伸び伸びと子どもが育ちそうな環境に人気が集まっています。
3位:兵庫県
・「山や海もあり、都会も田舎もあるし遊ぶ場所に困らなさそう。山もあり海も綺麗。大阪よりも土地が広いので、人の密集具合もマシに感じるので伸び伸び子育てできそう。役所のシステムも最新。何より明石市の子育て支援の手厚さに惹かれる」(30代女性)
・「明石市が何かとニュースにもなっていていますし、当方、自閉症の子供を育てていて、障害者等の支援も手厚いと聞きました。奈良では加配が必要な子達がいても人が足りていないので加配はつけれなかったり嫌な顔されたりします。明石市は支援がしっかりしてるとの事で受け入れ態勢も整ってるみたいなので兵庫県を選びました」(30代女性)
・「元市長の泉房穂さんのイメージが強い。子育て支援に全力で取り組んでくれているから。医療費や学費、給食費など、子どもに関わるお金はたくさん掛かるので少しでも支援の多い自治体にいられたらとても助かると思うから」(30代女性)
「兵庫県」を選んだ人からは、「土地が広く、自然も都会も楽しめる」や「子育て支援に全力で取り組む明石市がある」などの声が上がっています。兵庫県には子育て支援で有名な明石市があり、周辺地域も明石市をモデルに改善されているのではという期待の声も上がっています。
4位:北海道
・「自然がたくさんあって子供たちがのびのびしそう。札幌などの都市はそれなりに教育も発達していて東京と遜色ない教育が受けられるしちょっと車で走れば大自然が広がり体を使ったスポーツや農業、酪農体験などたくさんの体験ができそうです」(50代女性)
・「都会の空気よりも新鮮な空気で、美しい自然が広がっていたり、野生の動物も観察できそうなので子どもも喜ぶと感じるからです。農作業体験もできそうで、子どもが野菜を育てる過程を学ぶことができそうで心も豊かになりそうです」(30代女性)
・「実家が北海道で、自分自身も北海道で育ったため。道はわかりやすいし、歩行者の道も広い。車があればドライブで自然豊かなところまでいける。雪国なのでウィンタースポーツも教えられるし、雪合戦や雪だるまを使ったりも楽しめる。ご飯もお菓子も美味しい。道外で暮らすようになってから、北海道は子育てに向いている場所だとより実感しています」(30代女性)
「北海道」を選んだ人からは、「都市部の教育が充実しているのに加え、足を伸ばせば雄大な自然も楽しめる」や「ウィンタースポーツも教えられる」などの声が上がっています。ウィンタースポーツを楽しめる雄大な自然がある一方で、都市部では教育環境も整っているバランスの良さが人気を集めています。
5位:千葉県
・「都心にも出やすく、車で近隣の県にも遊びに行くことができアクセスが便利だからです。 千葉からだと日帰りで、都心に遊びに行くことができ、都心にしかない話題の施設等で遊ぶことができます。 また少し車を走らせれば自然豊かな公園にも遊びに行くことができ、キャンプなど自然と触れ合う遊びもできます。買い物する場所も多く子育てはしやすいと感じます」(30代女性)
・「子育て世帯を優遇した政策をしている自治体が千葉にあると聞いたことがあります。あと、東京や神奈川と比べて土地が多いので、庭付き一戸建てが持てるイメージがあり、ディズニーランドやドイツ村など、遊ぶ場所もたくさんあるのでそう思いました」(40代女性)
・「現在暮らしている千葉県印西市は、子育てがしやすい街ランキングでいつもトップクラスで、実際に子供と遊ぶ場所や自然も多く、行政も整っているのでとても満足しています。今後もこの場所にずっと住み続けたいと思っています」(30代女性)
「千葉県」を選んだ人からは、「都心へのアクセスが便利で子どもが伸び伸びと過ごせる自然もある」や「子育てがしやすい街ランキングで上位にランク入りしている印西市がある」などの声が上がっています。子育てがしやすい街があること、都心へのアクセスの良さと自然とのバランスが人気を集めているようです。
沖縄県民の子育ての満足度は平均よりも高い傾向、東京は逆
続いて、「子育ての満足度」について聞いたところ、1位が「80%」で24.2%、2位が「70%」で21.6%、3位が「50%」で14.3%という結果になりました。満足度が50%以下の人は30.3%となっており、約7割の人はある程度満足を感じていることがわかります。
また、子育てがしやすそうな都道府県ランキングの上位3位に入った「東京都」「沖縄県」「兵庫県」に住んでいる人の満足度をみてみたところ、東京都では50%以下の満足度の人が32.9%という結果になりました。東京に住んでいる人は、平均よりも満足度の低い人が多いことがわかります。
一方、「沖縄県」では50%以下の満足度の人が12.5%という結果に。満足度が90%の人が37.5%と最も多く、沖縄で子育てをする人の満足度は平均と比べて非常に高いことがわかりました。
子育てで大事にしていることは、年代により微妙に変化
最後に、「子育てで大切にしていること」について聞いたところ、1位が「健康」で490人、2位が「愛情」で405人、3位が「安全」で383人という結果になりました。多くの人が子どもの健康を重視し、愛情を持って育てることを大切にしていることがわかります。
また、年代別に「子育てで大切にしていること」をランキングにしたところ、10代を除く全ての世代で「健康」「愛情」「安全」がランク入りする結果になりました。ただ、50代以上では「愛情」よりも「安全」を重視しており、子供が巣立ち、愛情を注ぐ段階から安全を願う段階へとシフトしていることがうかがえます。
まとめ
調査の結果、子育てがしやすそうな都道府県ランキングの1位は東京都、2位は沖縄県、3位は兵庫県という結果になりました、東京の利便性と助成金などの支援の豊富さに魅力を感じている人が多いことがわかります。
一方、実際に東京に住んでいる人の子育てへの満足度は全国平均よりも低い傾向にあることがわかりました。それに対し、沖縄県民は子育てへの満足度が高く、90%以上満足している人は東京の約4倍の37.5%という結果になりました。
最後に、「子育てで大事にしていること」について聞いたところ、「健康」「愛情」「安全」を選んだ人が多い結果になりました。また、40代までは安全よりも愛情が高い傾向にありましたが、子育てから手が離れる人の多い50代以降では愛情よりも安全が高くなる傾向に。子育てのフェーズが変わっていくことで、重視するものも変化することがわかります。