SNSでも話題になっている「ChatGPT」をはじめ、現在多くの生成AIツールが開発されています。
文章だけでなく画像作成やデータ分析までしてくれるため、「皆はどんなツールを使っているのだろう」「他の人の活用方法が知りたい」と思っている方もいるのではないでしょうか?
今回は、10代から60代以上までの521人を対象に「使ったことがある生成AI」についてアンケートを実施しました。
調査概要
調査対象:10代から60代以上までの人
調査期間:2024年8月4日〜9月21日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:521人(女性 314人/男性 207人)
回答者の年齢:10代3.8%、20代19.8%、30代34%、40代26.5%、50代14.8%、60代以上5%
調査結果サマリー
・生成AI利用経験者は約45%、高所得者ほど高い傾向
・生成AIツールを全く活用していない人は約6割、プライベートは使用頻度がより下がる傾向
・使ったことのある生成AIツールランキング:1位は「ChatGPT」アイデア出しに活用
生成AI利用経験者は約45%、高所得者ほど高い傾向
10代から60代以上までの回答者521人に「ChatGPTなどの生成AIツールを使ったことがあるか」について聞いたところ、「はい」が239人で45.9%、「いいえ」が282人で54.1%という結果になりました。まだ半数には至りませんが、4割以上の人が生成AIを使用した経験を持っていることがわかります。
また、年収別に「生成AIの使用経験」を分析したところ、300万円以下の人では「使用経験がない」人が63.2%だったのに対し、1,000万円以上の人では「使用経験がない」人は25%と年収300万円以下の人の半分以下という結果に。年収が高い人ほど、生成AIツールを使用した経験があり、新しいものに関心があることがわかりました。
生成AIツールを全く活用していない人は約6割、プライベートは使用頻度がより下がる傾向
続いて、「仕事で生成AIツールを活用している頻度」について聞いたところ、「全く活用していない」が63.3%、「あまり活用していない」が12.1%、「週に何度か活用している」が10.9%という結果になりました。6割以上の人が「全く活用していない」を選んでいますが、約25%の人が活用していることもわかっており、今後活用の割合が増えていくことが予想されます。
また、「プライベートで生成AIツールを活用している頻度」について聞いたところ、「全く活用していない」が1位で58.3%、「あまり活用していない」が2位で19.8%、「月に何度か活用している」が3位で8.3%という結果になりました。「月に何度か活用している」「週に何度か活用している」「毎日のように活用している」を選んだ人の合計の割合は、仕事のときより若干少ない傾向にあり、生成AIツールは仕事で使われることの方が多いことがわかります。
使ったことのある生成AIツールランキング:1位は「ChatGPT」アイデア出しに活用
最後に、「使ったことがある生成AIツール」について聞いたところ、1位が「ChatGPT」で226人、2位が「Microsoft Copilot」で32人、3位が「Gemini」で28人という結果になりました。4位以降は一桁の得票となっており、上位3ツール以外はほとんど使われていないという現状が見えてきました。
それぞれのツールを選んだ人のコメントを見ていきましょう。
1位:ChatGPT
・「履歴書の志望動機を記入する際に使用しています。応募先企業に伝えたい内容をうまく文章にする事が苦手なため、ChatGPTを使って、取り入れたいキーワードをいくつか入力して志望動機を考えてもらっています。出来上がった文章を自分の言葉に書き換えて活用しています」(30代女性)
・「知りたい情報や調べたい情報があった際に、ChatGPTに質問する事で纏まった情報を効率的に入手する事が出来ました。ですがネット上での情報を寄せ集めてそれっぽく答えたという印象で、間違った情報も含まれていた事もあったので、仕事等ではまだ使えない印象を受けました」(40代男性)
・「画像をAIで作成する際に英語が必要なので、CHATGPTに希望の条件を伝えて英語にしてもらっています。その英語を画像生成AIにいれることでAI画像を大量に作り出して副業をしています。また仕事で分からないことはGPTに聞いて業務効率化をはかっています」(30代男性)
1位に選ばれた「ChatGPT」は、文章のたたき台を作るのに使っているという声が多く見られました。インターネット上の情報の寄せ集めであるため内容の正誤性に問題があり、そのまま利用することができるレベルではないものの、たたき台として時間短縮に一役買っているようです。
2位:Microsoft Copilot
・「chatGPTはライターとして活動していた時期にWEB記事の構成で活用していたことがあります。キーワードを入力し見出しと内容を参考にしていました。Copilotでは、プライベートでアイコン用のイラストを作成したり知りたい内容を入力したりして情報収集に役立てています」(40代女性)
・「私は業務の効率化のためにAIを活用しています。具体的には、顧客データの分析にAIを使い、売上予測やマーケティング戦略を立てています。また、レポート作成ではAIがデータを自動的に収集・整理し、毎月の業績報告書を自動生成することで、手作業を減らし、時間を大幅に節約しています」(40代女性)
・「私はAIを具体的に以下のように活用しています。まず、仕事の書類作成でAIを使うことで作業効率が大幅に向上し、わからない部分もAIで補うことができています。また、趣味として画像生成を行い、その画像を動画に編集して楽しんでいます。AIを利用することで、創造力を発揮しやすくなり、趣味の幅が広がりました。私にとってAIは、仕事でも趣味でも欠かせない必要なツールになっています。AIの活用により、日常生活がより豊かで効率的になりました」(30代男性)
2位に選ばれたのは、Excelでのグラフやチャートの作成やPowerPointでのスライドの作成、Teams上での議事録の作成など手間のかかる作業を自動化してくれる機能ゆえ、仕事で使われていることが多い「Microsoft Copilot」。毎月の業績報告書などの作成にも利用できるため、働き方を効率化するために使っている人が多いようです。
3位:Gemini
・「何か面白いことがしたくても中々アイディアが出なかったりまとまらなかったりした時に、AIを活用しています。例えば遊びの提案では、屋外や屋内で出来るものだと自分の経験が元になってしまう為、新しい提案があると遊びの幅が拡がるので楽しいです」(30代女性)
・「私は業務上で不明点があった場合にAIを活用しています。例えばコーディング等で分からないところがあった時にAIを活用することで、解決に至ったり、解決までには至らずとも考え方の参考になることが非常に多いです」(30代女性)
・「SNSや動画などでAI関連情報を見聞きします。とりあえずAIツールを使ってみて、それがどのようなモノかを確認したりします。プロのように仕事に活用するまでには至ってはおりませんが、可能性として実感したりします。プログラミングに関しては個人で出来る可能性が一番高いと実感できました」(40代男性)
3位に選ばれた「Gemini」は、テキストやコード、画像に音声などさまざまな種類のデータを組み合わせて処理できるツールです。そのため、アイデア出しやクリエイティブなコンテンツを作成するときに活用しているという声が上がっています。
まとめ
調査の結果、生成AIツールを利用したことのある人は全体の約45%という結果になりました。また、利用経験者の割合を年収別に分析したところ、所得が高くなるほど利用経験のある人の割合が増え、新しいものに挑戦する人が多い傾向にあることがわかりました。
続いて、生成AIツールを仕事とプライベートでどの程度の人が活用しているのか調査したところ、両者で全く活用していない人は約6割という結果に。さらに両者の結果を比較すると、プライベートは活用頻度がより下がる傾向があることがわかりました。
最後に「使ったことのある生成AIツール」について聞いたところ、1位は「ChatGPT」という結果に。仕事でもプライベートでも書く機会の多い文章ですが、ChatGPTを使ってたたき台を作ったり、アイデアをもらったりしている人が多いことがわかりました。
まだまだ情報の正誤性などに問題があり、そのまま利用することはできないものもある生成AIツール。しかし、利便性は高く活用次第で作業の大幅な効率化が望めることがわかります。ぜひ、作業の効率化で悩んでいる方は、生成AIツールを活用してみてください。