一建設の評判は?「ひどい」「上場廃止」を口コミ450件から検証

Uncategorized

図面ではなく建った家に入って、日当たりも部屋の広さも確かめてから決められる。一建設の分譲戸建には、その分かりやすさがあります。ただ検索の候補に「ひどい」や「上場廃止」が出てくると、引き渡しのあとは誰が面倒を見てくれるのかを先に知っておきたくなります。

幸せおうち体験談では、注文住宅を建てた施主1,132人へのアンケートと、住宅会社に関する独自の口コミ調査を行い、保証の条件と決算の記録を公式情報と照らし合わせました。

結論を先にお伝えすると、一建設は、気がかりな口コミもありますが、条件を確認したうえで検討する価値のある住宅会社といえるでしょう。上場をやめたのは業績が悪くなったからではなく、6社が経営統合してできた持株会社の傘下に入ったためです。今回は、宅建士の視点から、保証の条件と物件ごとに確かめたい書類を詳しく見ていきます。

この記事でわかること

  • 「上場廃止」と検索される理由と、2013年に決まったこと
  • 「ひどい」と書かれた投稿では、どのような話題が多いのか
  • 保証を無条件で受けられるのはいつまでか
  • 2022年4月より前に確認申請が行われた物件は、それ以降の物件と何が違うのか
  • 広告表示に対する行政処分と、建物の品質をどう区別して考えればよいのか
家づくりのポイントを案内する建築士風のイラスト

まずはここに注目

住宅展示場へ行く前に、資料を集めて比較しておきましょう

詳しい内容を見ていく前に、ひとつだけ。建てる土地に対応した住宅会社の資料は、展示場へ行く前に集めておいてください。

住宅展示場へ行く前に、複数社のカタログを比較する理由を示した図解

一社ずつ調べるのは手間がかかります。条件に合う会社の資料をまとめて請求できるサービスを使うのが早いです。

資料を先に集めておくメリット

家づくりは一生に一度の大きな買い物です。

複数社を並べて見られる
1社だけで決めずに済む
数百万円の差に気づける
工務店もメーカーも見られる

カタログ請求なら、この4つを一度にまとめて用意できます。

目的で選ぶ3サービス

予算を抑えて探したい

LIFULL HOME'S

LIFULL HOME'S ローコスト住宅カタログ一括請求無料で住宅カタログを取り寄せる

地域の工務店も見たい

SUUMO

SUUMO 注文住宅の工務店資料請求無料で工務店・メーカーの資料を見る

相談しながら決めたい

HOME4U 家づくりのとびら

HOME4U 家づくりのとびら 無料家づくりプラン無料で家づくりプランを相談する

どれも無料で使えます。迷うなら、地域の工務店とハウスメーカーのようにタイプの違う2つを組み合わせておくと、価格や得意分野の違いが見えて候補を広げやすくなります。まずは気になったものから資料を集めてみてください。

この記事の監修

宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 井口梓美

宅地建物取引業者である株式会社AZWAYの代表。不動産取引と住宅ローンの相談実務をふまえ、保証と価格の書き方、法人の裏づけを、公式に公開されている資料で確認しています。(監修日:2026年7月24日)

  1. 一建設の口コミ450件は、どの論点に集まっていたのか
    1. 論点ごとの件数と、その受け止められ方
    2. 良かったと書かれていたのは、どんなところか
    3. 気がかりとして書かれていたのは、どんなところか
  2. 「ひどい」という言葉は、何を指して検索されているのか
    1. 建売という買い方と、期待とのずれ
    2. 拠点と担当者によって、体験が変わる
    3. 注文住宅の広告表示で、景品表示法にもとづく措置命令を受けている
  3. 「上場廃止」で何が起きたのか、沿革と制度から確認する
    1. 2009年12月、ジャスダック市場に上場した
    2. 2013年11月、6社が集まって持株会社ができた
    3. 上場廃止後の経営状況は、決算公告で確かめられる
  4. 分譲戸建の標準仕様は、2022年4月の確認申請分から変わっている
    1. 4分野6項目で最高等級を取ることを標準にした
    2. 基礎と構造、地盤について公表されていること
    3. 注文住宅とマンションでは、適用される条件が異なる
  5. 価格が抑えられている理由と、公表されていない数字
    1. 会社が挙げている3つの理由
    2. 坪単価が出ていないことを、どう受け止めるか
  6. 保証とアフターサービスは何年、どこまで続くのか
    1. 引き渡しから10年目までの点検
    2. 最長35年保証の適用条件
    3. 家を手放すとき、引き継ぐときの扱い
  7. 一建設が合う人と、もう一度考えたほうがいい人
    1. 合っている可能性が高い人
    2. もう一度考えたほうがいい人
  8. 契約の前に確かめておきたい5つのこと
  9. よくある質問
    1. 一建設は上場廃止になった会社ですか?
    2. 一建設の家は建売だけですか?
    3. 一建設の耐震性はどのくらいですか?
    4. 保証は本当に35年続きますか?
    5. 一建設の坪単価はいくらですか?
    6. 広告の表示で行政処分を受けたと聞きましたが、家の品質に問題があるのですか?
    7. 引き渡し後の点検はいつありますか?
    8. 売却するとき保証は引き継げますか?
  10. まとめ

一建設の口コミ450件は、どの論点に集まっていたのか

まず、調査の対象をはっきりさせます。450件は、2026年7月時点で公開されていた投稿のうち、内容を確認した数です。数え方の単位は「件」であって、施主の人数ではありません。同じ人が別の場所にも書いている可能性を、こちらでは排除できないからです。これは施主本人へのアンケートではなく、無作為抽出でも全件収集でもない調査です。ですから割合や多数派を示せる調べ方ではありません。特定の口コミサイト名やアカウント名は記事に出さず、載せるのは媒体の種類だけにとどめました。会社と住宅に関する数値は、公式サイトと、国が運営する法人情報の公表サイトという一次資料から取りました。

口コミには偏りもあります。良い評判と気になる評判の両面を、公平に受け止めました。一般に、引き渡す家の数が多い会社ほど購入者も多く、投稿の総数も増える傾向があります。一建設の2026年3月期の引き渡しは8,432棟でした。ただしそれは、一件ごとの不満の重さを軽くする理由にはなりません。8,432分の1でも、その家に住む人にとっては、その一件がすべてです。

もうひとつあります。人は強い感情を抱いたときに、口コミを投稿しやすくなります。打ち合わせでの一言が引っかかった人は書き残しますが、反対に、引き渡しまで滞りなく進んだ人はどうでしょう。わざわざ投稿する機会は多くありませんね。満足していても、口コミとして残らないことがあります。どこに書くかによっても投稿者の層に偏りがあり、掲示板とSNSでは話題の出方が変わります。投稿数を、そのまま人数や割合と捉えないでください。

編集部が一建設の評判を調べた手順を3段階で示した図。第1段階は、公開されていた口コミや体験談450件に目を通すこと。第2段階は、それを価格、住宅性能、物件選び、仕上がり、保証、拠点と展示場、営業対応という7つの論点に振り分けること。第3段階は、公式サイトと、国税庁の法人番号公表サイトおよび自社が公表している決算公告との突き合わせです。図の中に「施主本人へのアンケートではありません」と明記されている。投稿に書かれた中身そのものは未検証である。
公開されていた450件を読み、7つの論点に分類した手順です。投稿した人が当人かどうか、記された中身が正しいかどうかは判定していません。会社と住宅に関する事実は、公式サイトと決算公告で別に確認しました。施主本人へのアンケートではありません。

論点ごとの件数と、その受け止められ方

最も多く語られていたのは住み心地と性能で、98件ありました。次いでお金の話が92件、点検と保証が76件と続きます。残りは間取りと物件選びが66件、仕上がりが51件、担当者と契約が37件、拠点と展示場が30件でした。

論点 言及件数 良かった 気がかり どちらとも
価格・費用 92件 42 10 40
住宅性能・設備 98件 49 16 33
設計・間取り・物件選び 66件 32 8 26
施工品質・仕上がり 51件 22 10 19
保証・アフター・管理 76件 33 20 23
エリア・拠点と展示場 30件 18 2 10
営業対応・契約・会社の現況 37件 14 11 12

件数は、その話題がどれだけ取り上げられたかを表すもので、良し悪しの評価ではありません。人数を数えたものとも違います。件数が多くても、今回読んだ範囲でよく触れられていたという意味にすぎません。

一建設に関する450件の言及を、7つの論点ごとに数えた横棒グラフ。内訳は住宅性能・設備が98件、価格・費用が92件、保証・アフター・管理が76件、設計・間取り・物件選びが66件、施工品質・仕上がりが51件、営業対応・契約・会社の現況が37件、エリア・拠点と展示場が30件。総数450件。
論点別の言及件数は住宅性能・設備98件、価格・費用92件、保証・アフター・管理76件。以下、設計・間取り・物件選び66件、施工品質・仕上がり51件、営業対応・契約・会社の現況37件、エリア・拠点と展示場30件と続き、合わせて450件になります。件数は話題に上がった回数を表すもので、良し悪しの採点ではありません。

良かったと書かれていたのは、どんなところか

前向きな内容は210件ありました。もっとも目立ったのは、建っている家を見て決められる安心感です。壁紙の色や洗面所の広さ、階段の勾配を実物で確かめてから契約できた。図面と模型だけで数千万円の購入を決める不安がなかった、という書き込みが繰り返し見られます。

価格に納得したという声も多くありました。同じエリアの他社物件と比べて、土地と建物を合わせた総額が予算内に収まったという声です。駅からの距離や学区といった条件を妥協せず、予算内に収まったという具体的な書き込みもありました。

引き渡しまでの早さを挙げる人もいます。完成済みの物件なら、契約から入居までの期間が読みやすい。転勤や入学の時期に合わせたかった人にとって、日程を予測しやすいことはメリットです。賃貸の更新月に間に合わせられた、という趣旨の投稿も見かけました。

気がかりとして書かれていたのは、どんなところか

気がかりを書いた投稿は77件でした。内容は大きく三つに分かれます。仕上がりの細かい部分、担当者による対応の差、そして引き渡し後の連絡の取りやすさです。

仕上がりについては、内覧のときにクロスの継ぎ目や建具の建て付けが気になった、という書き方が多く見られました。指摘したら直してもらえたという投稿と、やり取りに手間がかかったという投稿の両方があります。物件や現場によって評価が分かれており、一概には言えません。

担当者の対応については、評価がはっきり分かれていました。同じ会社でも、説明が丁寧で助かったという声と、説明を急いでいたという声に分かれています。一建設には戸建拠点が137あり、従業員は全体で1,993人です。公式の数字から確認できるのはこの規模までで、窓口ごとに対応がどう違うのかまでは、公開されている情報からはわかりません。

引き渡し後の連絡には、点検の案内が届いた例と、担当が代わって連絡先がわからなくなった例の両方の書き込みがありました。なお、これらはいずれも投稿者の体験談であり、編集部が現場を確認したわけではありません。書かれた中身が事実かどうかの判定も行っていない、という前提でお読みください。

一建設についての口コミ450件を、書き込まれていた場所の種類と、書き手の受け止め方で分けた図。掲載先の内訳は住まいのレビューサイトや地図のクチコミが138件、住まいの掲示板・Q&Aが193件、SNSが27件、個人ブログが92件。受け止め方は、前向きなものが210件、どちらとも言えないものが163件、気がかりを書いたものが77件。合計450件。
450件について、書き込まれた場所の種類と受け止め方を並べた図です。選び方が無作為ではありませんから、ここでの分かれ方をもって世間の比率と読むことはできません。媒体は種類だけを記しています。

「ひどい」という言葉は、何を指して検索されているのか

検索候補に「ひどい」と出ても、その会社が実際にひどいとは限りません。読んだ450件を確認すると、「ひどい」が指す内容は一つではありませんでした。内容は大きく三つに分かれます。

建売という買い方と、期待とのずれ

ひとつは、注文住宅と同じ感覚で臨んだときのずれです。分譲戸建は、間取りも仕様も先に決まっています。壁紙をこれにしたい、コンセントをもう一つ増やしたい、という要望は、完成済みの物件では通りません。この前提を共有しないまま話が進むと、融通が利かないという受け止めになります。

もちろん、会社側にも説明責任があります。どこまで変更できるのか、いつまでなら間に合うのかは、契約前に書面で示されるべき事項です。同時に、買う側も「建売住宅では何を選べるのか」を最初に確認しておくと、行き違いはかなり減ります。どちらか一方の準備不足ではなく、会社と買主の認識が一致しているかどうかの問題です。

拠点と担当者によって、体験が変わる

もうひとつは、対応のばらつきです。同じ社名でも、窓口が違えば人が違い、施工を担う協力会社も違います。公式が公表している戸建拠点は137、従業員は1,993人です。この規模で年間8,432棟を引き渡しているため、会社全体の平均だけでは自分の物件の状況を判断できません。

読者ができるのは、会社全体ではなく、担当する拠点ごとに確かめることです。物件を管轄する営業所はどこか、引き渡し後の点検を受け付ける窓口はどこか。この二つを契約前に書面で確認しておけば、会社全体の評判だけを見て悩む必要は減ります。

注文住宅の広告表示で、景品表示法にもとづく措置命令を受けている

ここは事実として押さえておく必要があります。消費者庁は2024年2月29日、飯田グループホールディングス、一建設、飯田産業、アーネストワン、住宅情報館の5社に対し、景品表示法にもとづく措置命令を行いました。対象になったのは注文住宅の建築請負に係る役務の表示です。2022年2月18日から2023年9月25日にかけて、満足度1位をうたう3項目の表示が行われていました。

命令の理由は、その順位の根拠にあります。委託先が行った調査は、答えた人が実際にその会社を利用したのか、知識を持っているのかを確かめていませんでした。比べた相手も、飯田グループホールディングスと委託先が指定した9社だけです。内容は各社のウェブサイトの印象を尋ねるものでした。客観的な調査に基づくとはいえない、という判断です。これは景品表示法第5条第1号に定める、いわゆる優良誤認にあたります。

誤解のないように、対象範囲を確認しておきます。これは広告の表示についての命令であって、建物の施工品質や構造性能について違反が認定されたものではありません。対象の役務も注文住宅の建築請負で、主力の分譲戸建ではありません。だからといって、軽く見てよい話ではないはずです。買う人が会社を比べる材料そのものが不正確だったのですから、企業側の説明責任は重いままです。

5社は2026年7月3日、連名でこの件を公表しました。命令を真摯に受け止め、再発防止に全力で取り組み、信頼回復に努めると表明したうえで、顧客をはじめ関係各位に多大な迷惑をかけたことを謝罪しています。会社自身の決算公告にも、2026年3月期の特別損失として景品表示法関連の損失1億9,400万円が計上されていました。命令の日付と公表の日付には開きがありますが、その理由まで示した資料は公開情報の中に見あたりませんでした。

読者にとって大切なのは、この一件を特定の会社だけの問題として片づけないことです。順位や満足度をうたう表示は、どの会社のものであっても、誰にどう聞いた調査なのかを見ないと意味がわかりません。確認したいのは、調査主体、対象者の条件、比較した会社の選び方です。この三つが書かれていない順位表示は、判断材料としての信頼性が低いと考えましょう。

気になる点を確認したら、ほかの住宅会社とも比べておきましょう

口コミだけでは判断しにくい部分も、資料を並べると、価格・間取り・保証の違いを整理しやすくなります。

「上場廃止」で何が起きたのか、沿革と制度から確認する

検索候補に「上場廃止」が出ると、経営が傾いたのだろうかと身構えます。実際に何があったのか。公式サイトの沿革と、親会社が公表している説明を突き合わせると、時期も理由もはっきりします。

2009年12月、ジャスダック市場に上場した

会社の始まりは1967年2月13日です。創業者が東京都保谷市で飯田建設工業有限会社を立ち上げ、出資金は100万円でした。1975年に宅地建物取引業の免許を取って不動産分譲を始め、1990年に練馬区石神井町へ本社を移しています。社名が現在の一建設株式会社になったのは2004年2月です。

そこから5年後、2009年12月にジャスダック市場へ上場しました。つまり、この会社には上場していた時期があります。上場をやめたのは、その後のことです。

2013年11月、6社が集まって持株会社ができた

転機は2013年6月です。経営統合契約を結んだのは6社でした。一建設に加えて、アーネストワン、アイディホーム、タクトホーム、東栄住宅、飯田産業が名を連ねています。いずれも当時の上場会社です。

そして同年11月、持株会社が設立されました。公式沿革の言葉を借りれば「一建設を取得企業とする共同株式移転の方法により飯田グループホールディングス(株)設立 東証第1部へ上場 一建設は同社の傘下へ」となりました。親会社側の説明も「2013年11月、上場企業6社が経営統合し、飯田グループホールディングスは誕生しました」で、両社の記載は一致しています。

共同株式移転という言葉は耳慣れませんが、中身は難しくありません。複数の会社が自社の株式を新しく設立する親会社へ移し、その親会社が代わりに上場する仕組みです。移した側は親会社の完全子会社になり、自社の株は市場から外れます。日本取引所グループの上場廃止銘柄一覧にも、株式移転による上場廃止を「(完全親会社名)の完全子会社化」と表記する、という注記があります。

つまり一建設の上場が終わったのは、業績が基準に届かなかったからではなく、6社で持株会社を作ってその傘下に入ったからです。一建設がなくなったのではなく、上場する主体が親会社へ移ったにすぎません。

ただし、日本取引所グループの上場廃止銘柄一覧に載っているのは過去11年分だけです。2013年11月はその範囲の外なので、当該銘柄の行そのものを一覧で確認することはできませんでした。ここで使えるのは、両社が公表している沿革と、制度の区分を示した注記までです。

上場廃止後の経営状況は、決算公告で確かめられる

では、いまの一建設はどうなっているのか。上場していない会社でも、株式会社であれば決算公告の義務があります。一建設は自社サイトに、2015年3月期から2026年3月期まで毎期の決算公告をPDFで掲載しています。

直近の2026年3月期、つまり2025年4月から2026年3月までの数字はこうです。売上高は約3,484億円、営業利益は約262億円、当期純利益は約187億円でした。貸借対照表の純資産は約1,263億円で、そのうち、これまでの利益の積み上げにあたる利益剰余金が約1,198億円ありました。決算公告の原文には「金額は百万円未満を切り捨てて表示しております」という注記が付いています。

ここで数字の範囲に注意が要ります。公式サイトの「データで知る一建設」に載っている売上高3,927億円は、一建設グループとしての数字です。いま挙げた3,484億円は決算公告に出ている一建設単体の数字で、集計の範囲が違います。並べて比べるものではありません。

親会社の飯田グループホールディングスのほうは、いまも東京証券取引所のプライム市場に上場しています。2026年3月31日時点で売上収益1兆5,088億円、営業利益944億円、社員数14,217名、グループ会社81社という規模です。毎期の決算公告がそろっていることから、現在も事業を続けていることがわかります。ただしこれは公表された時点の事実であり、将来を保証するものではありません。

一建設の公式サイトで確認できた保証と性能の値をまとめた表の図。定期点検は引き渡しから6カ月後、2年後、5年後、10年後の計4回。シロアリ保証は引き渡しから5年間。基本保証は10年で、その後は5年ごとに、部位によっては引渡日から最長35年まで延長できる。延長には建物の無料診断と有償の修繕工事が必要である旨が図中に注記されている。第三者への譲渡時や配偶者、子、孫への相続時は、所定の手続きで残存期間の保証を継承できる。分譲戸建住宅は2022年4月の新規確認申請物件から、住宅性能表示制度の4分野6項目で最高等級の取得を標準化しており、設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の両方の交付を受けている。この標準化に注文住宅など請負によるもの、海外物件、仲介物件、中古物件、集合住宅は含まれない旨も注記されている。
公式サイトに記載のある保証と性能の値です。保証の延長には建物の無料診断と、指摘が出た場合の有償修繕が必要になります。4分野6項目の最高等級が標準になるのは2022年4月の新規確認申請物件からで、注文住宅や中古物件は対象に含まれません。

分譲戸建の標準仕様は、2022年4月の確認申請分から変わっている

口コミを読むうえで、いちばん見落とされやすいのがこの点です。同じ「一建設の家」でも、いつ確認申請を出した物件かによって、標準になっている中身が違います。2019年に建った家の感想と、2024年に建った家の感想を、同じ土俵で比べることはできません。

4分野6項目で最高等級を取ることを標準にした

公式サイトによれば、分譲戸建住宅は2022年4月の新規確認申請物件から、住宅性能表示制度の4分野6項目で最高等級を取ることを標準化しています。中身は次のとおりです。

分野 項目 最高等級の内容
構造の安全性 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止) 等級1で耐えられる地震力の1.5倍の力に対して倒壊や崩壊等しない程度
構造の安全性 耐震等級(構造躯体の損傷防止) 等級1で耐えられる地震力の1.5倍の力に対して損傷を生じない程度
構造の安全性 耐風等級 500年に一度程度の暴風による力の1.2倍に対して倒壊、崩壊等しない程度
劣化の軽減 劣化対策等級(構造躯体等) 3世代、概ね75年から90年まで大規模な改修を要するまでの期間を伸ばす対策
温熱環境・エネルギー消費量 断熱等性能等級 熱損失のより大きな削減のための対策(ZEH水準)
温熱環境・エネルギー消費量 一次エネルギー消費量等級 一次エネルギー消費量の著しい削減のための対策(ZEH水準)

この制度は、国に登録した第三者機関が同じ基準で住宅の性能を評価する仕組みです。一建設の分譲戸建は、設計段階の設計住宅性能評価書と、工事後の建設住宅性能評価書の両方の交付を受けていると公表されています。自社が「高性能」と説明するだけの場合とは、根拠の立て方が違うのです。

公式サイトには注意書きもあります。この標準化の対象は分譲戸建住宅であって、注文住宅など請負によるもの、海外物件、仲介物件、中古物件、集合住宅は含まれません。もうひとつ、起点が「2022年4月の新規確認申請物件から」であることも重要です。それ以前の物件が基準に満たないという意味ではありません。それ以前の物件と現在では、標準仕様が異なるということです。

基礎と構造、地盤について公表されていること

工法は木造軸組工法です。土台、柱、梁で骨格をつくり、接合部に補強金物を入れ、床には構造用合板を使うと説明されています。基礎は鉄筋入りコンクリートのベタ基礎が標準です。床を支える床束には、サビやシロアリに強い鋼製のものを使い、横揺れに備えて剛床工法を採っています。

地盤については、新築工事で基礎の着工前に地盤調査会社が調査を行い、結果に応じて地盤補強などを実施するとされています。建築基準法上の検査済証を取得し、住宅金融支援機構が定めるフラット35の技術基準にも適合しているとの記載がありました。いずれも会社側の説明であり、第三者が個別物件を実測した結果ではありません。

新しい動きもあります。2026年6月から、自社開発の耐力壁「HW5.0Σ」の本格導入が始まりました。壁倍率は6.3です。ただし導入範囲は「東京23区の3階建て住宅を中心に」と明記されており、全国すべての物件に導入されるわけではありません。

注文住宅とマンションでは、適用される条件が異なる

一建設の事業は分譲戸建だけではありません。注文住宅は「はじめの注文住宅」として、石神井本店をはじめとする各地のギャラリーや展示場で相談できます。分譲マンションは「プレシス」というブランドで、公式サイトによれば累計の引き渡しは15,500戸以上です。

マンションのほうには、戸建とは別の仕組みが用意されています。設計事務所や建築会社と直接関係しない第三者機関が9分野28項目を確認し、法律上の義務がないフロアも品質監査の対象です。ガス給湯器やトイレ、浴室、洗面化粧台といった住宅設備機器には、メーカー保証の切れたあとも10年間の保証が付きます。

読む側の注意点はひとつです。口コミが戸建の話なのか、注文住宅の話なのか、マンションの話なのかで、前提になっている制度が変わります。どの事業についての投稿かを区別せずにまとめると、実態を正しく捉えられません。

価格が抑えられている理由と、公表されていない数字

安さは一建設が選ばれる大きな理由です。一方で、価格が安いことへの不安も投稿に見られました。会社はその理由をどう説明し、どこまでを公開しているのか。

会社が挙げている3つの理由

公式サイトが挙げる根拠は三つです。ひとつ目は、事前の調査から入居後のアフターサービスまで一貫して自社で請け負う体制です。工程ごとに外部へ委ねない分、中間費用を減らせると説明しています。

二つ目は仕入れの量です。年間約8,000棟を建てて販売する規模なら、資材をまとめて購入できます。取引先との関係を保ちながら仕入れることで、条件を有利にできるとしています。三つ目は土地で、地域の不動産会社と関係を築き、環境の良い土地を適正な価格で取得することに努めているという記載がありました。

この三つは、いずれも会社側の説明です。第三者が検証した数字ではありません。仕入れの条件も、1棟あたりの利幅も、公開されている資料の中には見あたりませんでした。裏づけとして確かめられるのは、2026年3月期に8,432棟を引き渡したという実績までです。

坪単価が出ていないことを、どう受け止めるか

公式サイトには、坪単価も物件価格の目安も載っていません。この記事でも金額は書きません。推測で数字を示すと、読者が判断を誤るおそれがあります。

ここは誤解されやすい部分なので、はっきりさせておきます。価格を公表しないこと自体は、不誠実さの証拠ではありません。分譲戸建は土地の値段が地域ごとに大きく違い、同じ会社の物件でも総額は変わります。全国一律の坪単価を出すと、かえって実態に合わなくなります。

買う側にとって役立つのは、検討中の物件について総額の内訳をもらうことです。土地と建物の価格、それに登記費用や住宅ローンの手数料、火災保険料、固定資産税の精算金といった諸費用まで含めた資金計画表を、契約前に書面で受け取ってください。値引きの有無を気にするより、まずこの資金計画表を用意してもらうことが大切です。

ここまで見てきた金額が高いのか安いのかは、1社の資料だけを眺めていても判断がつきません。同じくらいの広さの家を、ほかの会社ならいくらで建てられるのか。手元に何社かのカタログがあれば、その見当がつきます。

まだ候補を絞りきる時期でなければ、タイプの違う会社をいくつか取り寄せておくと、価格の幅が見えてきます。同じ条件で見積もってもらえば、金額の差もはっきりするはずです。

保証とアフターサービスは何年、どこまで続くのか

住宅は、引き渡しがゴールではありません。そのあと何年、どこまで会社が関わるのか。公式サイトに公表されている内容を、条件まで含めて確認します。

引き渡しから10年目までの点検

定期点検は、引き渡しから6カ月後、2年後、5年後、10年後の計4回です。案内は手紙で届き、希望の日時に専門スタッフが訪問して、チェックシートに沿って数十項目を確認するという流れになっています。シロアリ保証は引き渡しから5年間です。

点検の回数と時期が明確なのは、買う側にとってわかりやすい仕組みです。カレンダーに入れておけば、不具合があったときに相談の時期を逃しにくくなります。

最長35年保証の適用条件

基本保証は10年です。アフターサービス基準書に定める長期保証の終了後は5年ごとに延長でき、部位によっては引渡日から最長35年間保証されると説明されています。

ここで見落とせないのが「部位によっては」という言葉です。すべての部位の保証が35年続くわけではありません。延長にあたっては5年後から35年後までの建物無料診断があり、そこで指摘が出れば有償の修繕工事が必要になります。つまり、35年保証が自動的に適用されるわけではなく、点検と手入れを続けた場合の上限です。

この条件を隠しているという話ではなく、公式サイトに書かれています。ただ「最長35年」という数字だけが独り歩きしやすいので、契約前にアフターサービス基準書で部位ごとの年数を確かめておくと、あとで認識のずれが生じません。

家を手放すとき、引き継ぐときの扱い

保証の継承についても記載があります。購入した新築物件を第三者へ譲渡する場合や、本人の配偶者、子、孫が相続する場合、所定の手続きを行えば、保証期間の残っているぶんを引き継げるとされています。

将来売る可能性がある人にとって、重要な条件です。保証が残っている家は買い手にとっても安心材料になりますから、売却時に伝えられる利点が一つ増えます。手続きの方法と期限は会社によって違うため、引き渡しの時点で確認しておいてください。

入居後の窓口としては、オーナー専用サイト「はじめCLUB」が用意されています。点検のスケジュール管理や保証期間の確認ができるとされていました。

一建設が合う人と、もう一度考えたほうがいい人

450件の投稿と公式情報を並べると、買い方との相性に触れた声が目立ちました。ただし投稿の中身は未検証ですから、満足と不満の分かれ目が相性だけで決まるとは言えません。以下は、公式に確認できた条件から見た向き不向きです。

合っている可能性が高い人

実物を見てから決めたい人には、素直に向いています。完成した家の中を歩いて動線を確かめ、収納の奥行きを測ってから契約できます。図面を読むのが苦手でも、実物が判断材料になるはずです。

入居時期を先に固定したい人にも適した会社です。転勤が決まった人や、子どもの入学、あるいは賃貸の更新月までに入居したい人が当てはまります。完成済みの物件なら、契約から引き渡しまでの日程が読みやすいはずです。

予算のなかで立地を優先したい人も、候補に入れる価値があります。ただし価格と立地の釣り合いは物件ごとに違うので、同じエリアの他社物件と総額で見比べてください。土地探しと建築会社選びを別々に進める手間が省ける点は、買い方としての利点です。

加えて、性能の裏づけを示す書面を手元に置きたい人にも向いています。2022年4月以降に確認申請を出した分譲戸建なら、設計と建設の両方の住宅性能評価書が交付済みです。第三者機関が共通の基準で評価しているため、他社と比較しやすくなります。

もう一度考えたほうがいい人

間取りや仕様を細かく決めたい人には、分譲戸建は窮屈です。壁の位置を動かしたい、造作の棚を入れたい、窓の大きさを変えたいという希望があるなら、注文住宅のほうを検討してください。一建設にも注文住宅の窓口はありますが、分譲戸建とは条件も進め方も異なります。

担当者とじっくり相談しながら進めたい人も、事前に確かめておきたいことがあります。打ち合わせの回数や1回あたりの時間は、商品や拠点、案件によって変わるものです。公開されている情報からはわからないので、じっくり相談を重ねたいなら、打ち合わせの進め方を最初に聞いておくほうが確実です。

2022年3月以前に確認申請を出した物件を検討している人は、標準仕様の前提が違う点に注意してください。中古で流通している一建設の家も同じです。悪いという意味ではなく、いまの標準と同じだと思い込まないほうがいい、ということです。物件ごとに評価書の有無と等級を確かめれば済みます。

契約の前に確かめておきたい5つのこと

ここまでの内容を、具体的な確認項目にまとめておきます。どれも売主に依頼すれば確認できる書類で、特別な交渉は要りません。

確かめること 見る書類 見る欄
いつ確認申請を出した物件か 建築確認済証 確認済証の交付年月日
性能の等級はいくつか 設計住宅性能評価書・建設住宅性能評価書 耐震等級・耐風等級・劣化対策等級・断熱等性能等級・一次エネルギー消費量等級の各欄
保証は部位ごとに何年か アフターサービス基準書 部位別の保証年数と、延長の条件が書かれた項
総額はいくらか 資金計画書・重要事項説明書 土地・建物の価格と、登記費用や火災保険料などの諸費用の内訳
誰が窓口になるか 売買契約書・引き渡し書類 担当営業所の名称と、引き渡し後の点検を受け付ける連絡先

とくに一つ目は、この記事でいちばん強調したい確認事項です。確認済証の交付年月日が2022年4月以降なら、4分野6項目の最高等級が標準になっている物件にあたります。逆にそれ以前なら、評価書の等級を1項目ずつ見て判断してください。

五つ目も見落とされがちです。戸建の拠点が137ある規模では、契約した営業所とアフターの窓口が同じとは限りません。引き渡しの日に、点検の連絡先を紙でもらっておいてください。担当者が代わっても困らない備えになります。

よくある質問

一建設は上場廃止になった会社ですか?

A. 一建設は2009年12月にジャスダック市場へ上場しました。その後、2013年11月の共同株式移転で飯田グループホールディングスが設立され、一建設はその傘下に入っています。これにより自社の上場は終わりました。業績が上場基準に届かなかったことによるものではなく、6社の経営統合にともなう再編です。親会社は現在も東京証券取引所に上場しています。

一建設の家は建売だけですか?

A. 主力は分譲戸建住宅ですが、それだけではありません。注文住宅、分譲マンション「プレシス」、リフォーム・リノベーション、買取再販、リースバック、投資用物件も手掛けています。口コミを読むときは、どの事業についての投稿かを見分けてください。前提になっている制度も保証の内容も、事業ごとに違います。

一建設の耐震性はどのくらいですか?

A. 分譲戸建住宅は2022年4月の新規確認申請物件から、住宅性能表示制度の耐震等級で最高等級を標準化しています。等級1で耐えられる地震力の1.5倍の力に対して倒壊や崩壊等しない程度、という基準です。ただし標準化されているのは分譲戸建の範囲です。請負で建てる注文住宅、仲介で扱う物件、中古で流通している物件は、この対象に入りません。物件ごとに建設住宅性能評価書で確かめるのが確実です。

保証は本当に35年続きますか?

A. 基本保証は10年です。その後は5年ごとに期間を定め、部位によっては引渡日から最長35年まで延長できると公表されています。ただし延長には建物の無料診断があり、指摘が出た場合は有償の修繕工事が必要です。すべての部位が35年続くわけではないので、アフターサービス基準書で部位別の年数を確認してください。

一建設の坪単価はいくらですか?

A. 坪単価も物件価格の目安も、公式サイトには掲載がありません。ですからこの記事でも金額は書いていません。推測した金額では、判断を誤るおそれがあります。分譲戸建は土地代が地域で大きく変わるので、全国一律の目安は実態と合いません。検討中の物件について、諸費用まで含む資金計画書を書面でもらうほうが確実です。

広告の表示で行政処分を受けたと聞きましたが、家の品質に問題があるのですか?

A. 2024年2月29日の措置命令は、注文住宅の建築請負に係る役務の広告表示についてのものです。満足度の順位を示す表示の根拠が客観的な調査に基づくといえない、という判断で、建物の施工品質や構造性能について違反が認定されたわけではありません。5社は2026年7月3日に連名で公表し、再発防止と信頼回復に努めると表明したうえで、顧客をはじめ関係各位への謝罪を述べています。

引き渡し後の点検はいつありますか?

A. 戸建は引き渡しから6カ月後、2年後、5年後、10年後の計4回です。手紙で案内が届き、希望の日時に専門スタッフが訪問してチェックシートに沿って確認する流れになっています。シロアリ保証は引き渡しから5年間です。入居後はオーナー専用サイトで点検の予定や保証期間を確認できます。

売却するとき保証は引き継げますか?

A. 公式サイトによれば、購入した新築物件を第三者へ譲渡する場合や、配偶者、子、孫が相続する場合、所定の手続きを行えば保証期間の残っているぶんを継承できるとされています。手続きの方法と期限は引き渡しの時点で確認しておいてください。保証が残っている家は、売るときの説明材料にもなります。

まとめ

ここまでの内容から、「ひどい」という言葉だけでは判断できないことがわかります。編集部が読んだ450件と公式資料を照合して確認できたのは、次の点です。

  • 「上場廃止」は業績が基準に届かなかった話ではなく、2013年11月に6社が経営統合して持株会社をつくり、一建設がその傘下に入ったことによるもの
  • 一建設の決算公告は2015年3月期から2026年3月期まで毎期公表されており、直近は売上高約3,484億円、当期純利益約187億円、純資産約1,263億円
  • 分譲戸建は2022年4月の新規確認申請物件から4分野6項目で最高等級を標準化。ただし注文住宅や仲介物件、中古物件は対象外
  • 保証は基本10年、部位によっては最長35年まで延長できるが、無料診断と有償修繕が前提になる
  • 2024年2月29日の措置命令は広告表示についてのもので、建物の品質について違反が認定されたものではない
  • 読んだ450件のうち、気がかりを書いたものは77件、良かったと書いたものは210件。無作為に選んだ調査ではないため、一般的な割合を示すものではない

次に確認したいことは一つです。気になっている物件の建築確認済証と住宅性能評価書を見せてもらい、交付年月日と等級を確かめる。それだけで、その家がいまの標準で建てられたものかどうかがわかります。

迷ったまま検索を続けるより、書類を1枚確認するほうが早いことがあります。ひとりで抱え込まず、担当者に遠慮なく聞いてください。答えられる会社かどうかを見ることも、判断材料のひとつになります。