フクヤ建設は、高知市に本社を置き、社内に一級建築士事務所を抱えて注文住宅からリノベーションまで手がける会社です。検索窓に社名を入れると、検索候補に「高い」が表示されることがあります。数千万円の買い物ですから、その一語が気になって手が止まる方もいるでしょう。
幸せおうち体験談では、注文住宅を建てた施主1,132人へのアンケートに加えて、住宅会社に関する独自の口コミ調査を行っています。価格や住宅性能、保証といった数字は、公式サイトや公的な資料と照らし合わせて確認しています。
結論として、フクヤ建設は、高知県と香川県で設計から施工管理までを一社に任せたい方には検討する価値のある会社です。ただし、公開されている口コミが少なく、評判から判断するのは難しいのが実情です。判断の材料は、坪単価の目安や構造の仕様、保証の条件といった、書面で確かめられるところに置くことをおすすめします。
この記事でわかること
- 公開されている口コミは何件で、どんな内容だったのか
- 検索候補に「高い」が出ることを、公表されている数字でどう確かめるか
- 坪単価に含まれない費用と、総額の確かめ方
- 耐震と断熱について、どこまで公表されているか
- 保証は何年で、どこまでが対象か
- 上場会社として公表している決算から読み取れること
- 契約前に書面でもらっておきたいもの

まずはここに注目
住宅展示場へ行く前に、資料を集めて比較しておきましょう
詳しい内容を見ていく前に、ひとつだけ。建てる土地に対応した住宅会社の資料は、展示場へ行く前に集めておいてください。

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この記事の監修
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 井口梓美
宅地建物取引業者である株式会社AZWAYの代表。不動産取引と住宅ローンの相談実務をふまえ、価格や保証にかかわる記載と法人の情報を、公式に公開されている資料で確認しています。(監修日:2026年9月6日)

フクヤ建設の口コミを調べてわかったこと
先に申し上げると、フクヤ建設は口コミから評判を判断しにくい会社です。編集部が2026年9月にインターネット上で公開されていた投稿を調べたところ、対象の会社のものだと確認でき、本文まで読めた口コミは5件でした。
件数が少ないこと自体は、その会社の良し悪しを示すものではありません。単体の従業員が56名、グループ全体でも72名という地域の会社で、全国に展示場を構えるハウスメーカーとは投稿の集まり方が違います。ただ、5件という数から満足度や評価の傾向を読み取ることはできません。この記事で口コミを扱うのは、あくまで「どんな声が公開されているか」を知っていただくためです。
この調査は、施主本人へのアンケートではありません。無作為抽出でも全件収集でもないので、割合や多数派を示すものではなく、件数は「件」で数えており、投稿した人数を表すものではありません。媒体名は総称でのみ記します。価格や性能、保証の数値は口コミではなく、公式サイトと公的な資料から取っています。
公開されている口コミの数と中身
5件の内訳は次のとおりです。1件につき主な話題を1つに絞って数えました。
| 話題 | 件数 | 書かれていた内容 |
|---|---|---|
| 打ち合わせ・担当者・契約 | 2件 | 建て替えの相談、手すり設置の依頼での対応と説明 |
| 施工品質・引き渡し | 1件 | 自宅の階段手すりの施工の丁寧さ |
| 価格・費用 | 1件 | 床暖房リフォームの費用感 |
| エリア・店舗とモデルハウス | 1件 | 高知の注文住宅の候補として社名が挙がったもの |
ここで注意していただきたいのは、中身の偏りです。5件のうち、新築の家づくりについて書かれたものは1件だけでした。2件は階段への手すり設置という小さな工事、1件は床暖房のリフォーム、残る1件は掲示板で候補として社名が挙がっただけのものです。
つまり、注文住宅を建てた方の体験談として読めるものは、公開されている範囲ではほとんど見当たりませんでした。この会社で家を建てるかどうかを、公開された口コミだけで決めるのは難しいと考えてください。
検索するときに、もう一つ気をつけたい点があります。社名に「評判」や「口コミ」を付けて検索すると、そこで働く人が書いた勤務先の評判を扱うページも一緒に並びます。給与や休日、社内の雰囲気についての内容で、家を建てる判断とは別のものです。読み分けないと、住まいについての評価がたくさん集まっているように見えてしまいます。
良い評価として書かれていた内容
数は少ないものの、書かれていた内容には共通する部分がありました。目立ったのは、担当者の対応と説明のしかたです。
高知で自宅を建て替えた方の投稿では、押し売りのような進め方がなく、費用の相談にも応じてもらえたという内容が書かれていました。両親と暮らす自宅の階段に手すりを付けた方の投稿では、要望への対応と説明が良かったと評価されています。同じ手すりの工事について、施工が丁寧だったと書いた投稿もありました。
費用について触れていたのは、戸建ての床暖房リフォームを依頼した方の投稿です。費用は相場程度で、予算の範囲に収まったという内容でした。これは新築ではなくリフォームの話なので、注文住宅の価格の参考にはなりません。
調べた範囲では、不満や苦情として書かれた投稿は見当たりませんでした。ただ、これを「評判が良い」と読むのは早計です。母数が5件しかないので、良い評価が集まったのではなく、投稿そのものが少ないというのが実際のところです。
口コミだけで判断できない理由
口コミには、もともと読み取りにくい性質があります。うまくいった場合と、強い不満が残った場合の両端が投稿されやすく、間の体験は書かれにくいという傾向があります。
投稿は個人の体験であって、その会社で建てた方全体の評価を示すものではありません。書かれた時期によって会社の体制も仕様も変わりますし、同じ会社でも担当者によって進め方は変わります。投稿だけでは、会社側がその後どう対応したのかまでは確認できません。
フクヤ建設の場合は、これに件数の少なさが重なります。だからこの記事では、ここから先を公式サイトと公的な記録に切り替えて進めます。坪単価の目安、構造の仕様、保証の年数、そして上場会社として公表している決算まで、出どころのはっきりした情報で確かめていきます。
気になる点を確認したら、ほかの住宅会社とも比べておきましょう
口コミだけでは判断しにくい部分も、資料を並べると、価格・間取り・保証の違いを整理しやすくなります。
「高い」と検索されることを、公表されている数字で確かめる
検索候補に「高い」が並ぶことについて、まず切り分けておきたいことがあります。検索候補は、そう調べた人がいたという記録にすぎません。実際に高いかどうかを示すものではありませんし、その語が出る理由をこちらで断定することもできません。
確かめられるのは、公式に出ている数字のほうです。フクヤ建設は、坪単価の目安を公式サイトのよくある質問で示しています。
公式が示す坪単価の目安
| 商品 | 坪単価の目安 | この数字が指す範囲 |
|---|---|---|
| 木造のフルオーダー | 坪100万円(税抜)程度 | 木造戸建住宅の場合の参考価格 |
| 規格住宅 compass | 坪80万円(税抜)程度 | 同上 |
フルオーダーで坪100万円という水準だけを見ると、高めに感じる方もいるでしょう。ただし、この数字の中身を見ておく必要があります。公式サイトには、住宅を新築する場合は工事費とは別に設計費がかかるのが通常だが、自社では工事費の中に設計費を含めていると書かれています。社内に一級建築士事務所を持ち、設計から施工管理まで自社で行う体制をとっているためです。
公式の説明では、大きさや作り方、選ぶ素材によって金額は変わるとされており、実際にはプランをもとに資金計画書を作成するという進め方が案内されています。坪単価はあくまで入口の目安で、そこで比較を終えないほうがよい数字です。
坪単価に含まれない費用
公式サイトは、建物以外にかかる費用についても書いています。解体費用、造成費用、外構工事費用、地盤改良費用などは、その土地によって変わるため、しっかりとした調査が必要だという説明です。
坪単価だけを他社と並べても、総額は比べられません。比べるなら、本体工事に加えて、付帯工事、屋外の給排水、地盤改良、外構、照明とカーテン、登記や住宅ローンの諸費用、火災保険、そして土地代まで並べた見積書で見ることになります。見積書に一式とだけ書かれた部分は、内訳を出してほしいと伝えて構いません。何にいくらかかるのかを説明するのは会社側の仕事です。
なお、新築の相談は無料だと公式に書かれています。リノベーションのほうは無料の範囲が区切られていて、初回のプランと概算見積りまでが無料、提案と概算見積りに納得して設計を申し込んだ時点から有料になります。工期の目安は、建物や外構の規模によるとしたうえで、着工から4.5か月から5.0か月ほど。土地探しから始める場合は、この前に土地を決める期間が加わります。
ここまで見てきた金額が高いのか安いのかは、1社の資料だけを眺めていても判断がつきません。同じくらいの広さの家を、ほかの会社ならいくらで建てられるのか。手元に何社かのカタログがあれば、その見当がつきます。
まだ候補を絞りきる時期でなければ、タイプの違う会社をいくつか取り寄せておくと、価格の幅が見えてきます。同じ条件で見積もってもらえば、金額の差もはっきりするはずです。
フクヤ建設はどんな会社か
口コミが少ない会社を調べるときは、法人としての記録に当たるのが確実です。フクヤ建設は東京証券取引所のTOKYO PRO Marketに上場しているため、決算をはじめとする資料を自ら公表しています。外から確かめられる材料が多い会社です。
会社の基本情報
国税庁の法人番号公表サイトをもとにした記録によると、フクヤ建設株式会社の法人番号は6490001003212、本店は高知県高知市薊野西町3丁目35番29号です。2023年4月に同じ薊野西町の中で本店所在地を移しており、これは新社屋への移転にあたります。
公式サイトの会社概要では、創業は1971年4月1日、代表者は代表取締役の福家淳也氏と記載されています。上場にあたって公表された資料には、創業者が現代表の実父であることまで書かれています。法人化は1985年9月の有限会社福家ハウジングで、現在の商号へ組織変更したのは2001年12月です。
許認可は三つあります。特定建設業許可が国土交通大臣許可の(特-5)第28945号、一級建築士事務所が高知県知事登録第337号、宅地建物取引業者が高知県知事(3)第2810号です。建設業許可の括弧の中の数字は許可を受けた年度を表すもので、更新した回数ではありません。宅地建物取引業免許の括弧の数字のほうは、最初の免許を1として、更新のたびに1つずつ増えます。
従業員数は、2025年8月31日時点でグループ全体72名、臨時雇用が平均10名です。フクヤ建設単体では56名で、うち建築工事にあたるのが42名でした。資本金は2,000万円です。
四つの事業と売上の構成
この会社は住宅だけを手がけているわけではありません。公表資料では、建築工事、建材卸売、不動産、飲食の四つが報告部門として並んでいます。
2025年8月期の売上構成比では、建築工事が76.7%を占めます。その内訳は、注文住宅が38.4%、リノベーションとメンテナンスが13.3%、店舗や医療施設、こども園などの民間・公共工事が24.2%、足場工事が0.8%です。建材卸売は12.9%で、これはグループ会社が屋根材や外壁材を加工して販売しているものです。
家を建てる立場から見ると、注文住宅は売上の4割弱ということになります。住宅専業の会社ではない点は押さえておいてよいでしょう。一方で、公共建築や店舗を手がけてきた施工の経験が住宅側にも回るという見方もできます。会社としては、注文住宅を「メイン事業」と位置づけて説明しています。
公表されている決算
売上と利益の推移は次のとおりです。いずれも会社が公表した決算短信と発行者情報の数字です。
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 | 純資産 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年8月期 | 2,455,119千円 | 30,811千円 | 539,773千円 | 18.4% |
| 2024年8月期 | 2,323,105千円 | 38,584千円 | 573,053千円 | 22.1% |
| 2025年8月期 | 2,871,097千円 | 86,310千円 | 623,152千円 | 19.9% |
2025年8月期は、売上高が前の期より23.6%増え、経常利益も伸びています。会社の説明では、新築注文住宅が安定して推移したことに加え、リノベーション物件の受注が増えたことが理由とされています。建築工事部門だけを見ると、売上は前年同期比で27.7%増えました。
読者にとって意味があるのは、家が完成するまで会社が続くかどうかという点だと思います。2025年8月期の決算短信では、継続企業の前提に関する注記は「該当事項はありません」と記載されています。これは、事業を続けられるかどうかに重大な疑いがある場合に付く注記が、付いていないという意味です。この期の連結財務諸表は監査法人の監査を受けています。ただし決算短信そのものは監査の対象外だと、資料に明記されています。
気になる点も書いておきます。自己資本比率は19.9%で、前の期の22.1%から下がりました。2025年から2026年にかけては複数の会社を子会社にしています。手元の現金は911,507千円あり、営業活動によるキャッシュ・フローも634,843千円の黒字です。

BATON HOUSE、compass、リノベーションの違い
フクヤ建設の住宅には、大きく三つの入口があります。どれを選ぶかで価格も自由度も変わるので、最初に整理しておくと打ち合わせが早く進みます。
注文住宅の自社商品名はBATON HOUSE(バトンハウス)です。社内の設計士集団であるBATON DESIGN WORKSが設計と施工を担当します。公表資料では、この家づくりには無垢の木材が大きく関わっていて、時間とともに朽ちるのではなく、そこにしかない風合いが出てくることを狙っていると説明されています。素材の特徴を生かすため、シンプルで流行に左右されない形にするという方針です。間取りも構造計算も詳細図面も仕様も、ゼロから決めていく進め方になります。
compassは規格住宅です。16種類のプランから選ぶ形で、デザイン、設計、耐震、光熱費、断熱、可変性を実現した商品だと案内されています。3Dで図面を作るBIM設計により、着工前に完成イメージを共有できるという説明が公式にあります。坪単価の目安はフルオーダーより20万円ほど低い水準です。間取りや仕様が決まっている分、予算が複雑になりにくいという整理のしかたを会社側もしています。
リノベーションはRoot renovationという専門チームが担当します。不動産の仲介から資金計画、設計と施工、アフターサービスまでを一つの窓口で扱う形です。中古を買って直す進め方も、今の住まいを直す進め方も扱っています。売上構成比で見ると、リノベーションとメンテナンスは13.3%を占めており、片手間の事業ではありません。
どれを選ぶかは、こだわりたい範囲と予算の決め方によります。間取りから決めたいならBATON HOUSE、予算の見通しを先に固めたいならcompass、立地を優先して中古を活かすならリノベーション、という選び方になるでしょう。
住宅性能はどこまで公表されているか
性能については、構造の情報は具体的に出ている一方で、断熱の数値は見当たりませんでした。確かめられたことと、確かめられなかったことを分けて書きます。
構造と耐震
いちばん具体的に書かれているのは構造計算です。木造2階建ての住宅は、一定量の耐力壁を確保することで構造計算を省略できることが認められています。フクヤ建設は、全ての住宅で構造計算を行っていると公式に書いています。そのうえで耐震等級3を担保しており、一部例外があることも併記されています。等級3を取ると地震保険の割引が適用されます。
基礎の標準仕様はベタ基礎です。底面全体で建物を支え、防湿性にも優れた基礎だと説明されています。壁には耐力面材を使う面材工法を採用しており、壁面全体で地震や風の力を受け止めて分散させ、接合部への負荷の集中を緩めるという考え方です。使われている構造用ハイベストウッドについては、せん断性能が構造用合板のおよそ2倍だと記載があります。
木材は高知県産の乾燥木材を使うとしています。県内の持続可能な森林で伐採して一次加工され、含水率が20%以下のものという定義です。木材検査では色柄と含水率を一本ずつ計測器で確認すると書かれています。
長期優良住宅にも標準で対応しており、全ての新築住宅を長期優良住宅としているという記載があります。公式の性能表では、当社新築の性能として次の等級が示されています。
| 性能項目 | 公式の表に書かれた認定の基準 | 公式が示す当社新築の性能 |
|---|---|---|
| 劣化対策 | 劣化対策等級3 | 最高等級3 |
| 耐震性 | 等級2以上 | 最高等級3 |
| 維持管理・更新の容易性 | 等級3 | 最高等級3 |
| 省エネルギー性 | 等級4 | 最高等級4(次世代省エネ基準) |
このうち省エネルギー性の認定の基準は、国の現在の告示では断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6に適合することとされており、公式の表にある等級4とは異なります。現行の基準でどの等級を取るのかは、打ち合わせで確認してください。
断熱・省エネとZEH
断熱については、確認できなかったことのほうが多くなります。公式サイトとブランドサイトを見た範囲では、UA値とC値の数値の記載は見当たりませんでした。無いという意味ではなく、公開されている範囲では確認できなかった、ということです。
もう一点、表の読み方に注意が必要です。省エネルギー性が「最高等級4」と書かれていますが、これは次世代省エネ基準を指す以前の区分です。断熱等性能等級は制度が改正され、現在は等級5から等級7まで上の区分があります。現行の等級でどこを狙うのかについては、確認した公式ページに記載がありませんでした。
ZEHについては、支援事業のZEHビルダーに登録していることと、受託率の実績が公表されています。
| 年度 | ZEH受託率(新築) | 備考 |
|---|---|---|
| 2020年度 | 13% | 実績 |
| 2021年度 | 9% | 実績 |
| 2022年度 | 9% | 実績 |
| 2023年度 | 4% | 実績 |
| 2024年度 | 19% | 実績 |
| 2025年度・2026年度 | 50% | 普及目標 |
目標を50%に置き、直近の実績が19%という状態です。数字を自ら公開している点はむしろ誠実な部類です。ただし、ZEHが標準の仕様に含まれるのかどうかは、確認した公式ページには書かれていませんでした。ZEH仕様を希望するなら、相談の段階で扱いを確かめてください。断熱の仕様と窓の性能、そして自分のプランのUA値がいくつになるのかは、見積もりの段階で計算書としてもらってください。
保証とアフターサービス
保証は、種類と年数がはっきり示されている部分です。ブランドサイトには四つの保証が並んでいます。加えて公式のよくある質問では、住まいの設備機器保証にも触れられています。設備機器保証の年数と対象は確認できませんでした。
| 保証の名称 | 期間 | 対象 |
|---|---|---|
| 住宅瑕疵担保責任保険 | 10年(最長60年長期保証) | 構造耐力上主要な部分と、雨水の浸入を防止する部分 |
| 地盤保証 | 20年 | 地盤調査や地盤改良工事の欠陥による不同沈下の原状回復費用 |
| しろあり保証 | 10年 | 新築後10年以内のシロアリ被害の修補費用(累計1,000万円が限度) |
| 完成保証 | 任意加入 | 工事の継続が不能になった場合に、最小限の追加負担で完成できるようにするもの |
10年の部分は、住宅の品質確保の促進等に関する法律により、新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について義務づけられているものです。この点はどの会社で建てても変わりません。会社独自の上乗せとして読めるのは、地盤保証の20年、しろあり保証の10年と限度額、完成保証を用意していること、そして設備機器の保証にも触れていることです。
しろあり保証には条件が付いています。JOTO基礎パッキング工法を採用することが前提で、新築後10年以内にシロアリ被害が出た場合に、累計1,000万円を限度として修補費用を保証すると書かれています。工法とセットの保証なので、仕様を変える場合は条件がどうなるかを確認してください。
気をつけたいのは「最長60年」の読み方です。10年から最長60年へ、という書き方はされています。ただし延長にどんな条件が要るのか、有償のメンテナンス工事が前提になるのか、費用は誰が負担するのか。この三つは、確認した範囲では記載が見当たりませんでした。60年という数字だけで比べず、延長の条件そのものを文書で確かめることをおすすめします。
アフターについては、定期点検とメンテナンスを行うこと、自社で建てた施主向けにアフターケアの専門受付窓口を設けていることが公表されています。実際、公式の会社概要ではアフターメンテナンスの問い合わせ先が本社の代表番号とは別に用意されています。ただし、何年目に点検があるのかという一覧は確認できませんでした。引き渡しから何年目に何回、費用の負担はどうなるのかは、契約前に書面でもらっておきたい項目です。

建てられるエリアと拠点・展示場
建築工事は高知県と香川県を中心に行うと公表資料に書かれています。拠点は三つです。高知市薊野西町の本社、香南市野市町の香南営業所、そして香川県高松市上林町の高松OFFICE。高松は一級建築士事務所BATON DESIGN WORKSの事務所として置かれています。
常設の展示場は、高知市卸団地にあるBATON DESIGN WORKS GalleryⅡです。予約なしで来場できますが、予約した方が優先して案内されると公式に案内されています。この展示場は高知市南久保の単独住宅展示場として2025年9月に出展されたものです。実物を見ないと決めにくい部分が多いので、まずここを見てから判断するのが早いと思います。
土地から探す場合の相談にも対応しています。希望のエリアと価格を聞いたうえで候補地を提案するという説明です。グループの不動産部門は高知市を中心に宅地造成を手がけており、県内8か所で4区画から10区画程度、高松市でも2か所で3区画から6区画の分譲を完工しています。建築条件が付いているかどうかは土地ごとに違うので、気になる土地があれば個別に確認してください。
フクヤ建設を選ぶ理由になりそうな点
公式の情報と公的な記録から、この会社を選ぶ理由になりそうな点は五つあります。いずれも口コミではなく、出どころを確かめられる材料です。
一つめは、設計と施工管理を社内で持っていることです。社内に一級建築士事務所を置き、設計士集団が設計から施工管理まで関わる体制をとっています。通常は工事費とは別にかかる設計費を工事費に含めていると公式に書かれており、設計事務所に別途依頼する場合と比べたときの費用の見え方が変わります。
二つめは、構造の裏づけです。木造2階建てでは義務ではない構造計算を全棟で行い、耐震等級3を担保していると明記しています。基礎はベタ基礎が標準、壁は耐力面材による面材工法です。長期優良住宅にも標準で対応しています。
三つめは、保証の幅です。義務である10年の瑕疵保険に加えて、地盤保証20年、しろあり保証10年、そして任意の完成保証が用意されています。完成保証は、工事が続けられなくなったときに施主の負担を抑えるためのもので、用意していない会社もあります。
四つめは、会社の状態を自分で確かめられることです。TOKYO PRO Marketの上場会社として決算短信や発行者情報を公表しているため、売上や利益、自己資本比率、継続企業の前提に関する注記の有無まで、施主の側から読めます。
五つめは、坪単価の目安を公表していることです。フルオーダーとcompassそれぞれの水準を示しています。金額の高低とは別に、最初の見当をつけやすいという意味で親切な出し方です。

契約前に気をつけたい点
良い材料だけを並べても判断はできませんので、気をつけたい点も同じ数だけ挙げます。誰かの不満ではなく、資料を確かめた結果として出てきたものです。
まず、この記事の出発点でもある口コミの少なさです。公開されていた口コミは5件で、そのうち新築の家づくりについてのものは1件でした。他社と評判を比べようとしても、比べる材料そのものがありません。実際に建てた方の話を聞きたいなら、完成見学会やオーナー宅の見学ができるかを直接たずねるのが近道です。
次に価格です。フルオーダーで坪100万円(税抜)程度という目安は、木造戸建住宅の場合の参考価格です。解体や造成、外構、地盤改良の費用は土地によって変わるので、早い段階で資金計画書を作ってもらい、上限を決めてから仕様を選ぶ進め方が安全です。
断熱については、UA値とC値の数値が確認できませんでした。加えて、公式の性能表の省エネルギー性が「最高等級4」という旧い区分のままです。現行の等級5から7のどこを狙うのか、窓やサッシに何を使うのかは、こちらから聞かないと出てこない可能性があります。
ZEHも同じです。ZEHビルダーには登録していますが、公表されている新築の受託率は、2020年度から2024年度に4%から19%で推移していて、2025年度・2026年度の普及目標は50%です。ZEHが標準の仕様に含まれるのかどうかは、確認した公式ページでは分かりませんでした。希望する場合は扱いを確かめてください。
保証では、最長60年という表現の条件が確認できませんでした。定期点検についても、実施する旨は書かれているものの、何年目に何回行うのかという一覧が見当たりません。どちらも入居後の費用に直結するので、契約前に確かめる価値があります。
最後に会社の財務です。継続企業の前提に関する注記は付いていませんが、自己資本比率は19.9%で前の期から下がりました。長期の保証をあてにするなら、保証の引受先がどこなのか、第三者の保険や保証機関が付いているのかを確認しておくと安心です。
フクヤ建設が向いている人と、慎重に検討したい人
ここまでの内容をふまえると、向き不向きははっきり分かれます。
向いていると考えられるのは、高知県または香川県で建てる予定があり、間取りから一緒に考えたい方です。社内の設計士と詰めていく進め方に価値を感じられるなら、設計費が工事費に含まれる分だけ費用の見通しも立てやすくなります。無垢の木を使った、流行に左右されない住まいを好む方にも合います。構造計算や長期優良住宅、保証の内容といった、書面で確かめられるものを重視する方にも向きます。会社の経営状態を自分で確認したい方にとっては、決算が公開されていること自体が判断材料になります。
一方で、慎重に検討したほうがよいのは、費用をできるだけ抑えたい方です。坪単価の目安はフルオーダーで坪100万円(税抜)程度なので、予算が先に決まっている場合は、規格住宅のcompassを含めて比較したほうが現実的です。断熱性能の数値を先に見て会社を絞りたい方も、公開されている範囲では数値を確認できなかったため、見積もり前の比較がしにくくなります。多くの実例や口コミを読んでから決めたい方にとっても、公開されている情報は少なめです。公式資料にあるのは高知県と香川県を中心に行うという記載で、両県以外で建てられるかどうかは確認できませんでした。地域が離れている場合は、対応可能かを最初に確かめてください。
契約前に確認しておきたいこと
この記事で確認できなかった項目は、そのまま質問リストになります。打ち合わせのときに、次の点を書面でもらってください。
- 自分のプランのUA値の計算書。断熱材の種類と厚さ、サッシとガラスの仕様。気密測定を行うかどうか
- 断熱等性能等級を現行の区分でどこまで取るのか。ZEH仕様にする場合の追加費用
- 定期点検の時期と回数、点検の内容、費用の負担がどうなるか
- 住宅瑕疵担保責任保険を10年から延長する条件。必要になる工事とその費用、誰が負担するのか
- 耐震等級3を担保できないのはどんな場合か。自分のプランが例外にあたらないかどうか
- compassを選ぶ場合、16種類のプランごとに何が標準に含まれ、何がオプションになるのか
- 本体工事、付帯工事、屋外の給排水、地盤改良、外構、照明とカーテン、諸費用、土地代まで並べた総額の見積書。一式と書かれた部分の内訳
- 構造計算書を引き渡してもらえるかどうか。第三者の検査が入るかどうかと、その機関の名称
すべてを一度に聞く必要はありません。ただ、この八つがそろえば、他社と同じ条件で並べられます。何にいくらかかるのかを説明するのは会社側の責任ですから、遠慮せずに求めてください。
フクヤ建設についてよくある質問
Q. フクヤ建設の坪単価はいくらですか
A. 公式に目安が示されています。木造のフルオーダーで坪100万円(税抜)程度、規格住宅のcompassで坪80万円(税抜)程度です。いずれも木造戸建住宅の場合の参考価格とされています。ただし大きさや作り方、選ぶ素材で変わるため、実際にはプランをもとに資金計画書を作る進め方が案内されています。解体や造成、外構、地盤改良の費用は土地ごとに変わるので、坪単価だけで総額を見積もらないでください。
Q. フクヤ建設の評判は良いのですか
A. 公開されている口コミが少なく、評判からは判断しにくいのが実情です。編集部が2026年9月に調べた範囲では、対象の会社のものだと確認できた口コミは5件でした。そのうち新築の家づくりについてのものは1件で、残りは手すり設置などの小工事やリフォーム、掲示板での言及です。不満として書かれた投稿は見当たりませんでしたが、母数が少ないため評価の傾向は読み取れません。
Q. 耐震性能はどのくらいですか
A. 耐震等級3を担保していると公式に記載されています。木造2階建てでは義務ではない構造計算を全棟で行っていること、基礎の標準仕様がベタ基礎であること、壁に耐力面材を使う面材工法を採用していることも公表されています。ただし等級3の担保には一部例外があると併記されているため、自分のプランが該当しないかどうかは設計の段階で確認してください。等級3を取ると地震保険の割引が適用されます。
Q. 断熱性能のUA値やC値は公表されていますか
A. 確認できませんでした。公式サイトとブランドサイトを見た範囲では、UA値とC値の数値の記載は見当たりませんでした。無いという意味ではなく、公開されている範囲では確認できなかったということです。公式の性能表には省エネルギー性が「最高等級4」と書かれていますが、これは制度改正前の区分で、現在は等級7まであります。断熱を重視するなら、自分のプランのUA値の計算書を見積もり段階でもらってください。
Q. 保証は何年ありますか
A. ブランドサイトに四つ、公式のよくある質問にもう一つ挙がっています。住宅瑕疵担保責任保険が10年で最長60年の長期保証、地盤保証が20年、しろあり保証がJOTO基礎パッキング工法を採用した場合に10年で累計1,000万円が限度、それに任意加入の完成保証です。よくある質問では住まいの設備機器保証にも触れられていますが、年数と対象は確認できませんでした。10年の部分は法律で義務づけられているものなので、どの会社でも変わりません。最長60年については、延長の条件や費用の負担が公開資料では確認できなかったため、契約前に書面で確かめてください。
Q. どのエリアで建てられますか
A. 高知県と香川県が中心です。公表資料には、建築工事事業を高知県、香川県を中心に行うと書かれています。拠点は高知市薊野西町の本社、香南市野市町の香南営業所、香川県高松市上林町の高松OFFICEの三つです。常設の展示場は高知市卸団地にあり、予約なしでも来場できますが、予約した方が優先して案内されます。県外での施工可否は個別の相談になります。
Q. 会社の経営状態は確認できますか
A. 確認できます。2024年11月に東京証券取引所のTOKYO PRO Marketへ上場しており、決算短信や発行者情報を公表しています。2025年8月期は売上高2,871,097千円で前の期より23.6%増え、経常利益も伸びました。継続企業の前提に関する注記は「該当事項はありません」と記載されています。一方で自己資本比率は19.9%と前の期から下がっているので、数字は両面で見てください。
Q. リフォームやリノベーションも頼めますか
A. 頼めます。Root renovationという専門チームがあり、不動産の仲介から資金計画、設計と施工、アフターサービスまでを一つの窓口で扱います。売上構成比ではリノベーションとメンテナンスが13.3%を占めており、片手間の事業ではありません。相談と初回プラン、概算見積りまでは無料。提案に納得して設計を申し込んだ時点から有料になる、という区切りが公式に示されています。マンションのリノベーションにも対応しています。
まとめ
ここまで読んでくださった方は、この会社を評判で判断するのが難しいことと、その代わりに確かめられる材料が多いことの両方をつかめたと思います。確かめられたのは、次の点です。
- 公開されていた口コミは5件で、新築の家づくりについてのものは1件だけだった
- 坪単価の目安はフルオーダーで坪100万円(税抜)程度、compassで坪80万円(税抜)程度と公表されている
- 木造2階建てでは義務ではない構造計算を全棟で行い、耐震等級3を担保している(一部例外あり)
- 保証は瑕疵保険10年、地盤20年、しろあり10年に任意の完成保証を加えた形で、ほかに設備機器保証にも触れられている
- TOKYO PRO Marketの上場会社として決算を公表しており、継続企業の前提に関する注記は付いていない
公開されている資料からは確かめられなかった項目もあります。UA値とC値の数値、現行区分での断熱等性能等級、定期点検の時期と回数、最長60年保証の延長条件と費用、compassのプランごとの標準仕様の範囲です。
いずれも、出してもらえるかどうかを含めて聞いておきたい項目です。UA値の計算書、断熱等級とZEHの扱い、点検の予定表、保証延長の条件、そして総額でそろえた見積書。この五つがそろえば、同じ条件で他社と並べて選べます。展示場は予約なしでも入れますので、まず実物を見て、そのうえで書面を集めるという順番が進めやすいと思います。

