飯田産業が気になって社名で検索すると、検索候補に「恥ずかしい」や「集団訴訟」といった言葉が現れます。完成した家を実際に見てから決められる新築の一戸建てに魅力を感じていたのに、その言葉を見て気持ちが揺れた人もいるかもしれません。
幸せおうち体験談では、注文住宅を建てた施主1,132人へのアンケートと、住宅会社に関する独自の口コミ調査を行いました。そのうえで、保証の年数と性能評価の範囲は公式情報と照らし合わせています。
結論を先にお伝えすると、飯田産業は、保証の条件を先に確かめておけば、十分に検討する価値のある住宅会社といえるでしょう。公式サイトによると、自社が売主となる新築の分譲戸建は、第三者機関の性能評価を全棟で受けています。今回は、宅建士の視点から、価格が抑えられている理由と保証の対象を詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- 社名と並んで「恥ずかしい」と打ち込まれるとき、その言葉は何を指しているのか
- 「集団訴訟」の検索候補は、公的な記録でどこまで確かめられるのか
- 完成した家の販売が売上の柱になっている構造は、値段のどこに効いてくるのか
- 住宅性能評価書を全棟で取っているのは、どの範囲の家までなのか
- 飯田グループの6社は別の会社だという事実は、口コミの読み方をどう変えるのか

まずはここに注目
住宅展示場へ行く前に、資料を集めて比較しておきましょう
詳しい内容を見ていく前に、ひとつだけ。建てる土地に対応した住宅会社の資料は、展示場へ行く前に集めておいてください。

一社ずつ調べるのは手間がかかります。条件に合う会社の資料をまとめて請求できるサービスを使うのが早いです。
資料を先に集めておくメリット
家づくりは一生に一度の大きな買い物です。
カタログ請求なら、この4つを一度にまとめて用意できます。
目的で選ぶ3サービス
予算を抑えて探したい
LIFULL HOME'S
無料で住宅カタログを取り寄せる地域の工務店も見たい
SUUMO
無料で工務店・メーカーの資料を見る相談しながら決めたい
HOME4U 家づくりのとびら
無料で家づくりプランを相談するどれも無料で使えます。迷うなら、地域の工務店とハウスメーカーのようにタイプの違う2つを組み合わせておくと、価格や得意分野の違いが見えて候補を広げやすくなります。まずは気になったものから資料を集めてみてください。
この記事の監修
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 井口梓美
宅地建物取引業者である株式会社AZWAYの代表。不動産取引と住宅ローンの相談実務をふまえ、保証と価格の書き方、法人の裏づけを、公式に公開されている資料で確認しています。(監修日:2026年7月24日)
飯田産業の口コミ287件は、どんな話題に分かれていたか

まず、この287件がどういう数字なのかをはっきりさせておきます。287件は、2026年7月の時点で公開されていた投稿のうち、内容を確認した数です。かぞえたのは投稿の本数であって、施主の人数ではありません。書き手が同じでも、あちこちに残していれば、そのぶん本数は積み上がります。
対象にしたのは、施主本人へのアンケートではなく、無作為抽出でも全件収集でもない調査です。ですから割合や多数派を示せる調べ方ではありません。特定の口コミサイト名やアカウント名は記事に出さず、載せるのは媒体の種類だけにとどめました。
種類ごとの内訳は、住宅の口コミサイトや地図のクチコミが85件、住まいの掲示板やQ&Aが149件、SNSが15件、個人ブログが38件です。どれも、書き手が施主本人かどうか、書かれた中身が事実かどうかまでは確かめていない、未検証の投稿です。会社と建物についての数値のほうは、このあと公式サイトと決算公告で別に裏づけます。
建物と法人についての数値は、公式サイトと、飯田産業が自社で公表している決算公告、それに国が運営する法人情報の公表サイトで確かめています。
この記事がたどる筋道は三つ。良い評判と気になる評判の両面、そこに差が出る事情、そして契約の前に自分で確かめられることです。読むまえに、口コミという書きものが持つ癖を四つだけ共有させてください。
ひとつめ。飯田産業は年に数千棟を引き渡す規模の会社なので、届けた家の本数が多いほど、投稿の総数も増える計算になります。ただしそれは、一件ごとの不満の重さを軽くする理由にはなりません。全体の1%であっても、その家に住んでいる人にとっては暮らしの100%です。
ふたつめ。建物への評価と、人への評価は混ざります。間取りや設備に不足がなくても、打ち合わせでの一言だけが記憶に残り、全体の点数が辛くなることはあります。逆に、担当者との相性が良かったおかげで、小さな不便が気にならなくなることもあるでしょう。
三つめ。毎日が穏やかに回っているうちは、口コミ欄にわざわざ投稿する機会は多くありませんので、困りごとが起きたときのほうが文章として世に出やすくなります。静かな満足は、数のうえでは表に出にくいのです。
四つめ。ネットに残る書き込みというのは投稿者の層に偏りがありまして、文章を書き慣れた人の声のほうが通りやすくなります。年代や地域の広がりも、実際の購入者の分布とは一致しません。
そのうえで、287件を七つの話題に分けました。いちばん多かったのは支払う金額、暮らしはじめてからの体感で、どれも64件でした。続いて入居後の面倒の見かたが41件、間取りと外観が38件と並びます。以降は仕上がりと引き渡しが38件、分譲地と窓口が22件、担当者と手続きが20件という順です。

支払う金額をめぐる声(言及64件)
お金の話は、飯田産業の口コミでいちばん語られやすい領域でした。64件のうち前向きな受け止めが24件、気がかりが10件、どちらとも言えないものが30件です。近隣の相場や注文住宅の見積もりと並べたときに、手が届く価格だったという趣旨の書き込みが目立ちます。
いっぽうで、本体の価格に納得したあとの追加費用に触れた投稿もありました。網戸やカーテンレール、照明、テレビアンテナ、外構といった項目が、物件によって含まれていたり別途になっていたりします。値引きの有無や幅についても、時期と物件で話がまちまちでした。分譲は一棟ごとに条件が違う商品なので、他人の総額をそのまま自分に当てはめられない点は、読む側が意識しておきたいところです。
暮らしはじめてからの体感(言及64件)
住み心地に関する言及は64件で、内訳は前向きが14件、気がかりが25件、中立が25件でした。冬の室温や光熱費、窓まわりの結露、隣家との距離による音の抜け方といった、住んでからでないとわからない話題が集まっています。
寒さについての書き込みには、引き渡された時期の違う家が混ざっていました。断熱の基準は年々引き上げられてきたので、建てられた時期によって標準の中身が違う可能性はあります。ただし投稿はいずれも未検証で、寒いと感じた原因を建てた年だけに決めることはできません。中古で買った人と新築で買った人の声が同じ検索結果に並ぶことも、話をわかりにくくしていました。自分の物件の断熱がどうかは、性能の章で触れる住宅性能評価書と仕様書で確かめるのが確実です。
間取りと外観への受け止め(言及38件)
38件の言及があり、前向きが9件、気がかりが7件、中立が22件です。完成した家を実際に歩いて選べることを利点に挙げる声と、同じ分譲地に似た外観が並ぶことへの違和感を書いた声が、どちらも見つかりました。
採用キーワードにある「恥ずかしい」が顔を出すのは、多くがこの領域です。ただし、その言葉が何を指しているのかは投稿ごとに違いました。価格帯を指している人、外観の似かたを指している人、分譲地全体の見え方を指している人、建売という買い方そのものへの引け目を書いている人が混ざっています。次の章で、この四つの筋を分けて確かめます。
仕上がりと引き渡しの話(言及38件)
工事の質や引き渡し前の確認に触れた投稿は38件で、前向きが11件、気がかりが11件、中立が16件でした。内覧のときに気づいた点を伝えたら直してもらえたという記述と、指摘が通りにくかったという記述が、どちらも公開されています。
飯田産業グループの住宅販売の拠点は、2026年3月末で107あります。物件によって担当者も現場も変わるので、体験が一つに定まらないのは自然なことです。ただし、拠点の数が多いことだけを取り出して、当たり外れは仕方がないと片づけてよい話でもありません。担当や施工の体制は物件ごとに確かめられます。その手順は、この記事の後半にあります。
入居後の面倒の見かた(言及41件)
点検やアフター対応をめぐる言及は41件。前向きが16件、気がかりが11件、中立が14件でした。カスタマーセンターに連絡したときの応対の速さについて、助かったという声と、待たされたという声の両方があります。
保証の年数についての書き込みは、ここでも引き渡し時期の違いが効いていました。飯田産業の長期保証には2016年4月1日という区切りがあり、それより前に引き渡された家は上限が変わります。同じ社名の家でも保証の中身が同じとはかぎらないので、口コミの年代を見ないまま自分の物件に当てはめるのは危ういところです。
分譲地と窓口の違い(言及22件)
地域や営業所の差に触れた投稿は22件で、前向きが10件、気がかりが5件、中立が7件です。同じ会社なのに、隣の県の営業所とは進め方が違ったという趣旨の記述がいくつか見られました。
分譲地そのものへの評価も、この論点に含まれます。駅からの距離や前面道路の幅は土地ごとに決まっている条件ですが、どの土地を仕入れてどう区画を割るかには会社の判断も入ります。どちらにしても、口コミで決めつけるより現地に立って確かめるほうが早い部分でしょう。
担当者と手続きの進み方(言及20件)
営業対応や契約の流れについての言及は20件。前向きが4件、気がかりが11件、中立が5件でした。完成済みの物件は決断までの時間が短くなりやすく、その速さを歓迎する人と、急かされたと感じる人に分かれます。
この論点には、会社の先行きを心配する趣旨の投稿もいくつか含まれていました。そうした不安が公開の場に書かれていること自体は事実です。ただ、書かれた内容が正しいかどうかは、投稿からは判断できません。会社の状態については、決算の公告と登記の記録で別に確かめました。その結果は、この記事の後半に置いてあります。
「恥ずかしい」という検索語は、何を指しているのか
前の章で仕分けた287件のうち、「恥ずかしい」という言葉に近い感覚が書かれていたのは、主に間取りと外観の論点でした。ここからは、その感覚の中身を四つに割って、公式の情報で確かめられる部分と、好みの問題として残る部分を分けていきます。
ひとつめの筋は、価格帯そのものへの視線
周囲の注文住宅より安く買えたことを、後ろめたく感じてしまう。この筋がいちばん多く見られました。ただ、価格が安いことと家の質が低いことは、同じ意味ではありません。価格を抑えられている事情については、公式に説明があります。土地の仕入れから設計、施工、販売、アフターまでを自社で回す体制。加えて、壁や床のパネル化、工場でのプレカット、間取りの標準化です。
この説明の裏づけは、決算にもいくらか見えます。第50期の粗利の率はおよそ17%で、極端に薄いわけではありませんでした。もっとも、粗利の率だけで品質の良し悪しまで測れるものではありません。安いかどうかは坪単価だけでなく、何が標準に含まれているかで見るのが本筋です。
ふたつめの筋は、外観が似て見えること
同じ分譲地に、屋根の形も外壁の色も近い家が並ぶ。この見え方への抵抗感は、投稿にもはっきり書かれていました。会社は標準化を、価格を抑える手段の一つとして説明しています。外観が似て見えるかどうかは分譲地や物件によって変わるので、未検証の投稿だけで一律に決めることはできません。
一方で、飯田産業の家は構造躯体と内装や設備を分けて考える「かんたん変身住宅」という設計思想を採っており、暮らしが変わったときに間取りを変えやすいことを掲げています。外から見た印象と、中で暮らしを組み替えられるかどうかは別の話です。ただし、この設計思想には見落とせない条件が付いているのです。玄関や廊下、水まわりは固定の壁になり、壁の配置を変えるときには床や壁、天井の工事とその費用が発生します。変更のしやすさは実際の建物によって違うとも明記されています。カタログの言葉だけで判断せず、検討中の物件の図面で確かめておきたいところです。
三つめの筋は、分譲地全体の見え方
自分の家というより、街区としてどう見えるかを気にする声もありました。区画の分け方や道路の付き方、緑地の取り方は、土地の形状と法規で決まる部分が大きく、会社の好みだけで動かせるものではありません。
ここは、現地に行けば数分で答えが出る論点です。前面道路の幅、隣家との距離、駐車の切り返しに必要な余裕、南側の建物の高さ。写真では伝わらない情報が、立ってみると一度にわかります。何棟も並ぶ分譲地なら、自分が買おうとしている区画の位置がどう見えるかも確かめられるでしょう。
四つめの筋は、建売という買い方への先入観
注文住宅こそが本式で、完成した家を買うのは一段下だという見方は、いまも残っています。ただ、この前提自体を疑ってみる価値はあるでしょう。飯田産業が売主となる新築の分譲戸建は全棟で住宅性能評価書を取得しており、耐震、耐風、劣化対策、維持管理対策、ホルムアルデヒド対策の各項目で最高の等級を得ています。第三者の評価機関が等級を付ける仕組みなので、売り手の自己申告ではありません。
もっとも、この等級には範囲の限定が付きます。対象は同社が売主として販売する新築の分譲戸建で、注文住宅など請負によるもの、海外の物件、仲介の物件は含まれません。3階建てや準耐火建築物、設備によっては表示等級を取得できない場合があるとも書かれています。自分が見ている物件が対象に入っているかどうかは、評価書の現物で確かめるのが確実です。
この四つを分けてみると、恥ずかしさの正体は建物の中身というより、価格や外観という外から見える部分に集まっていることがわかります。とはいえ、人からどう見えるかを気にする気持ちを、気にしすぎだと片づけるつもりはありません。数千万円を払って何十年も暮らす場所ですから、周囲の目が引っかかるのは自然なことです。判断の材料として、外から見える部分と、住んでから効いてくる部分を分けて並べておくことに意味があります。
「集団訴訟」という検索候補を、公的な記録と照らして確かめました
もうひとつ、社名のうしろに並ぶ言葉があります。前の章で扱った「恥ずかしい」が見え方の話だったのに対して、こちらは会社の信用そのものに関わる言葉です。だからこそ、投稿を読むだけで済ませるわけにはいきません。公的な記録に当たったうえで、言えることと言えないことを分けて書きます。
検索候補に出ることと、事実であることは別
最初に確認しておきたい前提があります。検索候補は、その言葉を打ち込んだ人がある程度いたことを示す仕組みです。内容の真偽を検索エンジンが判定しているわけではありません。ある会社の名前と強い言葉が並んで表示されたとしても、それは「そう調べた人がいた」以上のことを意味しないのです。
今回の調査でも、公開されている投稿のうち、訴訟や事件を主題とするものは記事の対象から外しています。真偽の確認ができないまま個別の主張を要約すれば、それ自体が誰かの名誉を損なう可能性があるからです。代わりに、国や会社が公表している記録のほうを当たりました。
国土交通省の行政処分の記録には掲載がなかった
国土交通省は、宅地建物取引業者と建設業者に対して行われた行政処分の情報を検索できるサイトを運営しています。公開されているのは直近5年分です。2026年7月24日に、事業者名を「飯田産業」として両方の区分を検索したところ、該当は0件でした。
0件という結果は、検索そのものが動いていない可能性も考えられます。そこで同じ手順で事業者名を「株式会社」として検索し、実際の処分の記録が返ってくることを確かめました。処分名や処分年月日、処分を行った自治体が並んで表示されます。つまり検索の仕組みは正しく動いており、そのうえで飯田産業の掲載がなかったわけです。
ただし、この結果からわかることには限りがあります。このデータベースが集めているのは行政処分であって、民事の裁判は対象に入っていません。公開されている期間も直近5年分です。行政処分の掲載がないことと、訴訟が一件もないことは、同じ意味ではありません。ここを飛ばして「問題はなかった」と書くことはできないので、確かめられた範囲だけを記しておきます。
決算の公告は13期分が公開されていた
会社が続いているかどうかは、決算の公告を見るのがいちばん早い方法です。株式会社には、決算の内容を公告する義務があります。飯田産業はこれを自社サイトでの電子公告という形で行っており、第38期にあたる2014年6月10日から第50期にあたる2026年6月12日まで、13期分が並んで公開されていました。
いちばん新しい第50期は、2025年4月1日から2026年3月31日までの1年です。その貸借対照表によれば、資産の合計は2,780億円、純資産の合計は1,426億円でした。純資産を資産で割ると、およそ51%になります。利益剰余金、つまりこれまでの利益の蓄えは1,406億円です。前の期にあたる第49期の純資産は1,370億円だったので、1年で積み増しがあったことになります。
2022年の合併では、飯田産業は存続する側だった
登記の記録に残っているのは、2022年4月1日付の吸収合併です。この言葉は、読み方を間違えると意味が逆になります。吸収合併には吸収する側と吸収される側があり、どちらなのかは公告の本文を読まないと決まりません。
飯田産業が2022年2月9日に出した合併公告には、甲が乙の権利義務の全部を承継して存続し、乙が解散する、と書かれています。この甲が飯田産業です。乙にあたるのは、福岡市に本社があった住宅会社と、東京都荒川区に本社があった住宅会社の2社でした。飯田産業は2社を引き受けた側であり、無くなった側ではありません。
同じ社名の別会社が全国に17社ある
もうひとつ、口コミを読むときに効いてくる事情があります。国が公開している法人の情報を調べると、「飯田産業」という名前を持つ法人は全国に複数存在します。今回確認できただけで、東京都武蔵野市の株式会社飯田産業のほかに17社ありました。埼玉、栃木、千葉、長野、静岡、大阪、兵庫、福岡などに散らばっており、業種も建設や商社などさまざまです。
本記事が扱うのは、法人番号1012401010815、本社は東京都武蔵野市境2丁目2番2号、公式サイトは iidasangyo.co.jp の1社だけです。ほかの17社の経営状態については、調べても書いてもいません。無関係の会社の話が混ざれば、読む人の判断を誤らせるからです。
ここまでで言えるのは、次の三つです。国が公開する行政処分の記録に飯田産業の掲載はなかったこと、決算の公告が13期分続いていること、2022年の合併で飯田産業は存続する側だったこと。いっぽうで、民事の訴訟の有無については、公開されている一次情報の範囲では確かめられませんでした。わからなかったことを、わかったように書くわけにはいきません。
気になる点を確認したら、ほかの住宅会社とも比べておきましょう
口コミだけでは判断しにくい部分も、資料を並べると、価格・間取り・保証の違いを整理しやすくなります。
飯田産業はどんな会社で、売上の何が主力なのか
信用の話が済んだところで、この会社はそもそも何で売上を立てているのか。ここには、口コミを読むときの前提を丸ごと変えてしまう数字がひとつ潜んでいました。
売上の98%は、完成した家を売る事業だった
飯田産業の公式サイトは、事業内容として戸建分譲住宅事業、分譲マンション事業、注文住宅事業、土地分譲事業の四つを挙げています。四つ並ぶと、どれも同じくらいの規模に見えるかもしれません。ところが第50期の決算公告にある損益計算書を開くと、内訳はまったく違いました。
| 第50期 売上高の内訳 | 金額 | 構成比 |
|---|---|---|
| 不動産販売高 | 2,543億88百万円 | 98.1% |
| 請負工事収入 | 13億93百万円 | 0.5% |
| その他売上高 | 34億68百万円 | 1.3% |
| 合計 | 2,592億50百万円 | 100% |
不動産販売高というのは、できあがった家や土地を売って得た収入のことです。請負工事収入は、注文を受けて建てる仕事の収入を指します。つまりこの会社の売上のほとんどは、完成した家を売ることで成り立っています。注文住宅も事業としては存在しますが、金額でみれば全体の0.5%です。
この数字を知っておくと、口コミの読み方が変わります。売上のうえでは分譲と土地の販売が主力ですが、この比率だけから、個々の投稿者が建売を買った人か注文住宅を建てた人かまでは判別できません。設計の打ち合わせに何度も通った人の体験談と、完成した家を見て決めた人の体験談では、そもそも比べている対象が違います。投稿のなかで、どちらの立場なのかが読み取れるときにだけ、区別して読む。そこを意識しておく価値は、小さくありません。
1977年設立、107拠点、従業員2,006人
会社の輪郭も押さえておきます。設立は1977年7月8日で、本社は東京都武蔵野市。資本金は20億円です。飯田産業グループとしての住宅販売の拠点は107、従業員は2,006人で、いずれも2026年3月末の時点の数字です。会社概要のページには2025年3月末時点の従業員1,938名という別の数字も載っているので、どちらの基準日かを見て読む必要があります。
店舗は宮城から沖縄まで置かれていますが、地区の区分を見ると首都圏が厚くなっています。東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木、茨城、群馬で七つの地区を構成し、そのほかに宮城、愛知と静岡、大阪と兵庫、愛媛、九州と沖縄の各地区がある形です。2026年3月期の戸建の販売は6,897棟、マンションは250戸でした。
免許と許可の括弧の中身は、意味が違う
公式の会社概要には、宅地建物取引業免許 国土交通大臣(10)第3306号、建設業許可 国土交通大臣 許可(特-3)第24082号と記載があります。どちらも括弧つきの数字が入っていますが、指しているものが違うので、そのまま並べて読むと誤解します。
| 表記 | 括弧の中身が示すもの |
|---|---|
| 宅地建物取引業免許 国土交通大臣(10) | 免許の更新回数。宅建業の免許は5年ごとの更新なので、10回目は継続の長さを表す |
| 建設業許可 国土交通大臣 許可(特-3) | 「特」は特定建設業という区分。数字の3は許可を受けた年度で、更新回数ではない |
特定建設業というのは、下請に一定金額以上の工事を出す場合に必要になる区分です。国土交通大臣の免許や許可であることは、複数の都道府県に営業所を置いていることを意味します。一級建築士事務所の登録も、あわせて受けているものの一つです。
飯田グループの6社は、それぞれ別の会社
飯田産業は、東証プライムに上場する飯田グループホールディングスの傘下にあります。同じグループには一建設、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームがあり、飯田産業と合わせて6社です。
この6社は、資本のうえでは同じ傘の下にありますが、法人としては別々です。施工の体制も保証の内容も会社ごとに決められています。ところが検索結果では6社の話が混ざりやすく、「飯田グループの建売を買った」としか書かれていない投稿も少なくありません。今回の調査では、どの会社の話か特定できない投稿は集計から外しました。読むときにも、その口コミがどの社名の物件についてのものかを見ておくと、判断の精度が上がります。
価格が抑えられている理由と、支払う前に確かめること
口コミでいちばん語られていたのがお金の話でした。価格の安さは飯田産業を選ぶ理由にも、不安の理由にもなります。公式が説明している仕組みと、決算から読み取れることを見ておきましょう。
仕入れから引き渡しまでを自社で回す体制
飯田産業は、土地の仕入れ、開発、設計、施工、販売、アフターケアまでを自社で行う体制を敷いていると説明しています。間に入る会社が減れば、そのぶん中間のコストは軽くなるはずです。土地の情報についても、グループのネットワークを使って仕入れているとしています。
建て方の側でも工夫があります。壁や床の材料をパネルにしておく、木材を工場で先に切っておく、間取りの寸法を標準化しておく。この三つで現場の作業を減らし、工期を短くする考え方です。現場の職人の腕の差が出にくくなるという説明も、公式に書かれています。裏を返せば、間取りや外観の自由度は注文住宅ほど広くないということでもあるでしょう。
粗利の率は、決算からおよそ17%と読める
安さの理由を会社の言葉だけで判断するのは危ういので、決算の数字も見ておきます。第50期の売上高2,592億50百万円に対して、売上総利益は450億52百万円でした。率にするとおよそ17%です。販売費と一般管理費が259億57百万円かかり、営業利益は190億94百万円、経常利益は213億96百万円、当期純利益は143億30百万円という並びになります。
前の期にあたる第49期は、売上高2,383億23百万円、当期純利益105億22百万円でした。1年で売上も利益も増えています。連結の数字でも、2024年3月期から2026年3月期にかけて売上高は2,613億円、2,702億円、2,950億円と伸びていました。安く売って利益が出ないという状態には、少なくとも直近の決算では見えません。
本体価格のほかに、いくらかかるのかを一覧にする
坪単価や物件価格について、公式サイトに一律の金額は出ていません。分譲は一棟ごとに土地の条件が違うので、金額を一本にまとめられないのは道理です。ですからここでは、公開情報にない金額を推測で書くことはしません。代わりに、口コミで追加費用の話題が出ていた項目を挙げておきます。
- 網戸、カーテンレール、照明器具といった、入居に必要になりやすい品目
- テレビアンテナ、インターネットの引き込み工事
- 駐車場の土間や門扉、フェンス、植栽といった外構の工事
- 登記の費用、火災保険、住宅ローンの事務手数料などの諸費用
- 引き渡しまでの固定資産税や管理費の精算金
これらが物件価格に含まれているかどうかは、物件ごとに違います。契約の前に、販売図面と重要事項説明書のどこに何が書かれているかを一項目ずつ確かめるのが確実です。総額がいくらになるのかを紙に書き出してもらえば、他社の物件と横に並べて比べられます。
ここまで見てきた金額が高いのか安いのかは、1社の資料だけを眺めていても判断がつきません。同じくらいの広さの家を、ほかの会社ならいくらで建てられるのか。手元に何社かのカタログがあれば、その見当がつきます。
まだ候補を絞りきる時期でなければ、タイプの違う会社をいくつか取り寄せておくと、価格の幅が見えてきます。同じ条件で見積もってもらえば、金額の差もはっきりするはずです。
建物の性能は、どこまで公式に裏づけられているのか
価格の次に語られていたのが住み心地でした。寒い、暖かいという体感は人によって振れますが、住宅の性能には第三者が等級を付ける仕組みがあります。公式に確認できる範囲はどこまでなのか。

売主として売る分譲戸建は、全棟で評価書を取得
住宅性能表示制度というのは、国が定めた基準に沿って住宅の性能を等級で示す仕組みです。評価を行うのは第三者の機関です。飯田産業は、自社が売主として販売する新築の分譲戸建について、全棟でこの評価書を取得していると説明しています。
| 評価の項目 | 取得している等級 |
|---|---|
| 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止) | 等級3(最高等級) |
| 耐震等級(構造躯体の損傷防止) | 等級3(最高等級) |
| 耐風等級 | 等級2(最高等級) |
| 劣化対策等級 | 等級3(最高等級) |
| 維持管理対策等級 | 等級3(最高等級) |
| 断熱等性能等級 | 等級5 |
| 一次エネルギー消費量等級 | 等級6(最高等級) |
| 感知警報装置設置等級 | 等級3 |
ただし、この記載には範囲の限定が付いています。対象は同社が売主として販売する新築の分譲戸建で、注文住宅など請負によるもの、海外の物件、仲介の物件は含まれません。3階建てや準耐火建築物、設備によっては表示等級を取得できない場合があるとも書かれています。断熱と一次エネルギーの等級については、仕様の変更で一部異なるものもあるという注記が付きます。
したがって、「飯田産業の家は全部が等級3」と読むのは正確ではありません。自分が検討している物件が対象に入っているかどうかは、評価書そのものを見せてもらって確かめるのが確実です。分譲の現場では、この書類は用意されているのが普通です。
耐力壁は壁倍率5.0、柱の固定金物は40.3kN
構造の中身についても、公式に数値が出ています。飯田産業が使う工法は、壁と床をパネル化し、工場で木材を先に切り、間取りの寸法を標準化することで工程をまとめる考え方です。公益財団法人の日本住宅・木材技術センターから、木造住宅合理化システムの認定を受けていると記載があります。
この工法で使われる耐力壁は、壁倍率5.0という評価を受けています。壁倍率は、地震や風の力に対して壁がどれだけ耐えられるかを示す数値です。平成12年の建築基準法の改正後、構造耐力上主要な軸組みなどについて日本で初めて国土交通大臣の認定を取得したと公式に説明されています。柱と基礎をつなぐ金物についても、短期基準接合耐力40.3kNという評価が示されており、一般的なホールダウン金物のおよそ2倍の強度があるとのことです。
ここにも注記があります。物件によって仕様が異なる場合がある、と公式ページに明記されているのです。同じ会社の家であっても、すべての物件が同一の仕様であるとは限らないということになります。
震動実験は2004年に行われたもの
公式サイトには、実物大の振動実験の記載もあります。震度7相当の揺れを想定した加振を5回続けても構造耐力に損傷がなかった、という内容です。実験を行ったのは財団法人の建材試験センターで、実施は2004年11月の3日間でした。兵庫県南部地震、想定関東地震、ロサンゼルスの地震、新潟県中越地震という4種類の揺れで試験されています。
この実験が2004年のものである点は、押さえておきたいところです。20年以上前の試験結果が、いま販売されている物件の仕様をそのまま裏づけるとは限りません。現行の物件の耐震性については、実験の記録よりも、その物件の住宅性能評価書に書かれた等級を見るほうが確実です。
引き渡し後の保証と点検は、いつまで、何が対象なのか
性能の話が新築時点の話だとすれば、保証は住みはじめてからの話です。口コミでも、点検やアフター対応をめぐる書き込みは一定の割合を占めていました。ここには、年数だけを見ていると取り違えてしまう区切りがあります。
最長30年の保証には、2016年4月1日という線がある
飯田産業は、定期的な点検とメンテナンス工事の提案をあわせて、最長30年間の保証を採っていると説明しています。「住まいの保証書」という名前で運用されているものです。数字だけ見れば長い部類に入ります。
ただし、公式ページには重要な但し書きが付いています。この最大30年間の保証システムの対象は、2016年4月1日以降に引き渡した物件だということです。それより前に引き渡された物件は、最長で20年の保証になります。中古で飯田産業の家を買おうとしている人にとっては、この一行が効いてきます。
もうひとつ、条件付長期保証という表現にも目を留めておきたいところです。保証を続けるには、定期的な点検を受けることと、指摘があった場合にメンテナンス工事を行うことが前提になります。何もしなくても30年間そのまま守られる、という仕組みではありません。具体的にどの部位が何年で、延長のために何が必要かは、保証書の現物に書かれています。契約の前に見せてもらい、自分の物件がどの条件に当たるのかを確かめておくのが確実です。
窓口はカスタマーセンターに一本化されている
入居後の連絡先は、カスタマーセンターにまとまっています。電話はフリーダイヤルで0120-84-2988、受付は午前9時30分から午後5時30分までで、日曜と年末年始、夏期休暇の期間は休みです。ファクスは0120-85-9488で、こちらは24時間受け付けています。
この窓口では、定期点検の申し込み、建物の不具合の連絡、リフォームの相談を扱っています。営業所ではなく専用の窓口が用意されているのは、107拠点という規模の会社としては合理的な設計でしょう。緊急の場合は各営業所に問い合わせるようにという案内も出ています。連絡内容を正確に確認するため、通話は録音されるという注記も付いていました。
公開投稿で良い評価が集まっていた点
気になる話ばかりを並べても、判断の材料にはなりません。287件のうち、前向きな受け止めが書かれていたのは88件でした。どういう点が評価されていたのかを見ておきます。

実物を見て決められること
完成した家を歩いて確かめてから買える。この一点を利点に挙げる投稿がいくつもありました。図面と模型で判断する注文住宅と違い、天井の高さも日当たりも動線も、契約の前に自分の足で確かめられます。想像していたものと違った、という食い違いが起きにくい買い方です。
入居までの期間が短いことも、あわせて挙げられていました。子どもの入学に間に合わせたい、いまの住まいの契約が切れる、といった事情がある人にとって、この速さは実利になります。
手が届く価格で、性能の等級が付いていること
価格と性能の組み合わせを評価する声も目立ちました。近隣の相場より抑えられた金額でありながら、耐震の等級は最高の3が付いている。この二つが両立していることに納得した、という趣旨の書き込みです。
第三者の機関が評価しているという点も、安心の材料として挙げられていました。売り手が自分で「頑丈です」と言うのと、評価機関が等級を付けるのとでは、確かめやすさが違います。
担当者の対応が良かったという記述
営業の担当者について、丁寧だった、無理に急かされなかったという記述も見つかりました。同時に、担当によって差があったという記述もあります。107拠点で人が動いている以上、対応が均一にならないのは避けにくい部分です。
そのうえで言えるのは、担当者との相性は事前にある程度わかる、ということでしょう。最初の問い合わせから内覧までのやりとりで、質問への答え方や資料の出し方を見ておけば、判断の材料になります。
契約前と引き渡し前に、自分で確かめておきたいこと
ここまでで、公開情報から言えることは出そろいました。最後に、自分の物件について確かめられることを並べます。分譲の家には、注文住宅にはない確認のしかたがあるのです。
完成前に契約するのか、完成後に契約するのか
分譲の物件は、建物ができあがる前に売り出されることがあります。契約の時期が違えば、確かめられるものも変わってくるでしょう。
| 契約の時期 | 確かめられること | 確かめにくいこと |
|---|---|---|
| 完成前に契約 | 図面、仕様書、施工中の写真、検査の記録、変更できる範囲 | 実際の日当たり、音の抜け方、内装の質感、周辺の生活音 |
| 完成後に契約 | 実物の内装と設備、日当たり、動線、周辺の環境、設備の動作 | 基礎や躯体など、仕上げに隠れた部分の施工過程 |
完成前に契約する場合は、施工中の写真を残してもらえるかを早めに聞いておくと、あとで確かめる材料になります。完成後に契約する場合は、隠れた部分について住宅性能評価書と検査の記録を見せてもらうのが代わりの手段です。
内覧のときに見ておきたい箇所
引き渡しの前には、買主が立ち会って建物を確認する機会があります。遠慮せずに時間をかけてください。次の点は、その場で確かめられます。
- 建具や窓、収納の扉が、引っかからずに開閉するか
- 床を歩いたときの沈みや軋みがないか
- クロスの継ぎ目、巾木や枠まわりの隙間、傷や汚れ
- 水を流して、排水の流れ方と水漏れの有無
- コンセントとスイッチの位置が、図面のとおりか
- 換気扇と給気口が、設計どおりに動くか
- 外まわりの水はけ、外壁のひび、雨樋の取り付け
気になった箇所は、写真を撮って場所がわかるように記録し、いつまでに直すのかを書面で確認しておきます。直したあとにもう一度見る機会をもらえるかも、あわせて聞いておくとよいでしょう。
書類でそろえておきたいもの
物件の説明を受けるときに、次の書類を出してもらえるか確かめます。手元にそろえば、他社の物件と同じ土俵で比べられます。
- 住宅性能評価書。設計と建設の両方があるか、等級がどうなっているか
- 住まいの保証書。引き渡し日と、保証の対象になる部位と年数
- 重要事項説明書。物件価格に含まれるものと、別途になるもの
- 販売図面と平面図。コンセントや窓の位置、天井高
- 売主が誰か。飯田産業なのか、グループの別会社なのか、仲介が入るのか
最後の一つは見落とされやすい項目です。物件情報のサイトでは、販売する会社と建てた会社が別々に書かれていることがあります。保証を担うのがどの会社なのかは、契約書と保証書で確かめておく必要があります。
完成した家を買うという前提が、合う人と合わない人
ここまでに出てきた材料をふまえると、どういう条件の人に向く買い方なのか。向く向かないは条件の問題であって、良し悪しの話ではありません。
選択肢になりやすい人
- 予算に上限があり、その範囲で立地と広さを優先したい人
- 完成した実物を見てから決めたい人
- 入居までの期間を短くしたい事情がある人
- 耐震の等級など、第三者が付けた指標で判断したい人
- 間取りの自由度より、価格と性能の釣り合いを重く見る人
いったん立ち止まって考えたい人
- 外観や内装を自分の好みで細かく決めたい人
- 設計者と何度も打ち合わせを重ねる過程そのものを大切にしたい人
- 断熱や設備を最上位の仕様にそろえたい人
- 中古で飯田産業の家を検討していて、保証の残りが気になる人
最後の項目については、引き渡し日が2016年4月1日より前かどうかで保証の上限が変わります。中古の物件を見ている場合は、売主か仲介会社に引き渡し日を確認しておいてください。
よくある質問
飯田産業は注文住宅も建てているのですか
A. 事業としては存在します。公式の会社概要には、戸建分譲住宅事業、分譲マンション事業、注文住宅事業、土地分譲事業の四つが挙げられています。ただし第50期の決算公告を見ると、売上高2,592億50百万円のうち請負工事収入は13億93百万円で、割合にすると0.5%でした。金額の面では、完成した家を売る事業が中心の会社です。
「集団訴訟」という検索候補が出てきますが、事実なのですか
A. 検索候補は、その言葉で調べた人がいたことを示すもので、内容が事実であることの証明ではありません。国土交通省が公開している行政処分の検索では、宅地建物取引業者と建設業者の両区分で該当が0件でした。ただしこのデータベースは行政処分を集めたもので、民事の裁判は対象外です。公開期間も直近5年分にとどまります。民事の訴訟の有無については、公開されている一次情報の範囲では確かめられませんでした。
会社の経営が続いているかは、どこで確かめられますか
A. 将来を保証することは誰にもできませんが、公表されている記録から言えることはあります。飯田産業は自社の電子公告で第38期から第50期まで決算を公告し続けており、直近は2026年6月12日付です。第50期の純資産は1,426億円、当期純利益は143億円で、前の期からいずれも増えています。国が公開する行政処分の記録にも掲載はありませんでした。これらは公表された時点の事実であり、将来を保証するものではありません。
飯田産業と一建設は同じ会社ですか
A. 別の会社です。どちらも飯田グループホールディングスの傘下にありますが、法人としては独立しています。グループには一建設、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームの6社があり、施工の体制も保証の内容も会社ごとに決められています。口コミを読むときは、どの社名の物件についての話かを確かめてください。
保証は本当に30年つくのですか
A. 条件付の長期保証で、最長が30年という設計です。対象は2016年4月1日以降に引き渡された物件で、それより前に引き渡された物件は最長20年になります。また、定期的な点検を受けることと、指摘があった場合にメンテナンス工事を行うことが前提です。部位ごとの年数と延長の条件は保証書に書かれているので、契約の前に現物で確かめてください。
建売は寒いと聞きましたが、断熱はどうなっていますか
A. 公式に示されている等級では、断熱等性能等級が等級5、一次エネルギー消費量等級が等級6です。ただし仕様の変更で一部の等級が異なるものもあると注記されています。断熱の基準は年々引き上げられてきました。10年前に引き渡された家と現在の家では、標準の中身が違うのです。口コミの寒さについての記述は、いつ引き渡された家の話なのかを見て読む必要があります。自分の物件については、住宅性能評価書の等級で確かめるのが確実です。
物件によって仕様が違うことはありますか
A. あります。耐力壁や柱の固定金物について、公式ページには物件により仕様が異なる場合があるという注記が付いていました。住宅性能表示の等級についても、3階建てや準耐火建築物、設備によっては表示等級を取得できない場合があると書かれています。同じ社名の家であっても中身がそろっているとは限らないので、検討している物件の書類で個別に確かめてください。
まとめ
ここまでおつきあいくださったあなたには、もう検索候補の言葉に振り回される理由がありません。今回の調査でわかったことを、最後に並べておきます。
- 公開されていた口コミと体験談287件を七つの話題に分けたところ、気がかりを書いたものは80件、前向きな受け止めは88件、どちらとも言えないものは119件だった
- 「恥ずかしい」という言葉の中身は、価格帯、外観の似かた、分譲地の見え方、建売という買い方への先入観の四つに分かれ、いずれも建物の中身そのものへの評価ではなかった
- 国土交通省が公開する行政処分の記録に、宅地建物取引業者と建設業者のどちらの区分でも飯田産業の掲載はなかった。ただしこれは行政処分の記録であって、民事の訴訟については確かめられていない
- 決算の公告は第38期から第50期まで13期分が公開され、第50期の純資産は1,426億円、当期純利益は143億円だった。2022年の吸収合併では、飯田産業は存続する側だった
- 売上の98.1%は完成した家や土地の販売で、注文を受けて建てる仕事は0.5%。ただし比率から個々の投稿者の購入のしかたまでは決められないので、立場が読み取れる口コミだけ区別して読む
次にすることは、そう多くありません。気になっている物件について、住宅性能評価書と住まいの保証書、重要事項説明書の三つを出してもらってください。等級はどうなっているか、引き渡し日は2016年4月1日以降か、物件価格に何が含まれていて何が別途か。この三点がわかれば、他社の物件と同じ土俵に載せて比べられます。
そのうえで現地に立ち、前面道路の幅と隣家との距離、日の入り方を自分の目で確かめる。ネットの短い言葉より、その30分のほうが確かな材料になります。ひとりで抱え込まず、気になったことは遠慮なく担当者に聞いてください。答え方そのものが、判断の材料になります。

