3dプリンターで低価格の家を建てられるってホント?日本企業では導入されるのはいつ?

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<記事の情報は、2023年9月7日時点のものです>

3Dプリンターという言葉を聞くようになって数年が経ちました。

建物模型から、実弾を撃てる拳銃までいろいろなものを作ることができます。

今や家庭用に数万円から購入できる3Dプリンター。

これを建物の建設に活かそうという動きがあります。

3Dプリンターでの建設事例や国内外の動きを踏まえてのお話しです。

また、解説に入る前に家づくりを失敗させないために1番重要なことをお伝えします。

それは、1番最初にマイホーム建設予定に対応している住宅メーカーからカタログを取り寄せてしまうこと。

これから30年、40年と生活をするマイホーム。絶対に失敗するわけにはいきません。

家を建てようとする人がよくやってしまう大きな失敗が、情報集めよりも先に住宅展示場やイベントに足を運んでしまうこと。

「とりあえず行ってみよう!」と気軽に参加した住宅展示場で、自分の理想に近い(と思い込んでしまった)家を見つけ、営業マンの勢いに流され契約まで進んでしまう人がかなり多いのです。

はっきり言って、こうなってしまうと高確率で理想の家は建てられません。

もっと安くてもっと条件にあった住宅メーカーがあったかもしれないのに、モデルハウスを見ただけで気持ちが高まり契約すると、何百万円、場合によっては1,000万円以上の大きな損をしてしまうことになるのです。

マイホームは人生の中でもっとも高い買い物。 一生の付き合いになるわけですから、しっかりと情報収集せずに住宅メーカーを決めるのは絶対にやめて下さい

「情報収集しすぎ」と家族や友人に言われるくらいで丁度良いのです。

とはいえ、自力で0から住宅メーカーの情報や資料を集めるのは面倒ですし、そもそもどうやって情報収集すればいいのか分からない人も多いでしょう。

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それでは、本文の解説をしていきます。

3Dプリンターってどういうもの?

3Dプリンターとはどんなものでしょうか。

3Dプリンターとは立体的な物体を造形することができるプリンターです。

これまでは比較的小型のものが主流でした。

それがだんだん大型化し、小さな家レベルの造形物まで制作できるようになったのです。

3Dプリンターでできること

プリンターといえば、これまでは平面的な印刷に使うものでした。

紙に文字や絵を印刷する機械、それがプリンターです。

3Dプリンターはこれを立体的に行います。

造形物、模型といったものを制作することができます。

成型方法にはいくつかの種類がありますが、材料を下から積層させて造形することが主流です。

3Dプリンターの制御にはコンピューターが使われます。

3D CADなどで制作されたデータを立体化していくのです。

家庭でも買える

今や3Dプリンターは家庭でも購入できるほど低価格化が進んでいます。

3Dプリンターが実用化されたのが1990年代です。

その頃は1台数百万円もするものでした。

これが2010年前後から小型化が進み、家庭でも使えるレベルになったのです。

エントリーモデルであれば、数万円から購入することができます。

近年は大型化にも対応

当初は機械も大型で、制作できるものは大きくありませんでした。

技術革新の結果、機械は小型化し、家庭用も開発されています。

もうひとつの流れとして、大型の造形物も制作できるようになりました。

建設業界で注目されているのは、こうした家も制作できるような大型の3dプリンターなのです。

3Dプリンターは何に使う?4つの活用例

3Dプリンターが世に出てからまだ20年から30年程度です。

それでも各分野でいろいろなものに活用されています。

製造業をはじめ、医療分野でも多くの事例があります。

データさえあれば、複雑な一点モノも制作できることから試作品の需要などが多くあります。

以下は各分野での3Dプリンターの活用例です。

  1. 試作品を作る
  2. 建物の模型を作る
  3. 人工骨や臓器サンプル
  4. そして家の建設へ

ひとつずつ見ていきましょう。

1.試作品を作る

製造業をはじめ、多くの産業で試作品を製作するために3Dプリンターが利用されています。

試作品を作ろうとすると、金型をつくり成型をして…と相当な手間がかかりました。

それが3Dプリンターだとデータ入力さえ行えば、自動的に作ってくれます。

実用化されるかわからない試作品に金型を作る必要がなくなったのです。

2.建物の模型を作る

建設業界でも以前から3Dプリンターは使われていました。

それは建物の完成模型です。

高層ビルから戸建住宅まで、完成模型は設計図ではわからない面を伝えてくれます。

かつてはプラモデルのようなプラスチック、あるいは厚紙で制作していました。

3Dプリンターが一般的になってからは、こちらを使うことが多くなっています。

3. 人工骨や臓器サンプル

データの精度が上がれば、それにつれて精密なモデルが出来上がるのが、3Dプリンターです。

医療分野では人工骨や臓器サンプルを制作しています。

骨などはその人にひとつしかない、まさにオンリーワンのものです。

腫瘍ができた状態の臓器も同じような状態のものはふたつとありません。

3Dプリンターの性能がいかんなく発揮されているのが医療分野なのです。

4.そして家の建設へ

製造業から医療分野まで幅広く使われているのが3Dプリンター。

建設業界でもミリ単位の施工精度と大型の造形物を制作できる性能が求められます。

3Dプリンターが一般化して大型部材にも対応できる3Dプリンターが出現してきました。

こうした3Dプリンターを駆使して住宅の建設が可能となっています。

住宅レベルの大きさが制作できるようになったのはここ数年のことです。

3Dプリンターで住宅を造る方法

3Dプリンターを活用して住宅を造るにはいくつかの方法があります。

現場で3Dプリンターを駆使して制作するのが、最も3Dプリンターらしい制作方法です。

他にもプレハブ工法のように、工場でパーツごとに生産する方法もあります。

現段階における3Dプリンターを用いての工法を3つご紹介します。

1.大型3Dプリンターで制作する

大型の3Dプリンターを持ち込み、現場で制作する方法です。

足場を組み、3Dプリンターを据え付け、その場で稼働させます。

現場での作業員も3Dプリンターのオペレーターのほか数人がいれば簡単にできてしまうのです。

大工さんをはじめ、建設関連の職人は必要ありません。

3Dプリンターは省力化にも寄与します。

2.凝固剤を使用して削り出す

材料を凝固剤で固めて、大きな材料のかたまりをつくります。

ここから3Dプリンターを駆使して家を削り出す方法です。

あたかも材料から家を掘り出すようなスタイルになります。

この方法はどうしても無駄な材料が発生するため、材料費の観点からはコストパフォーマンスは高くありません。

3.工場でパーツごとに生産する

工場にある3Dプリンターを使ってパーツごとに生産していく方法です。

この方法はプレハブ工法などで現在の住宅でも使われています。

比較的大型の建物の場合はこの方法が最適です。

現場の状況に左右されないため、同じ品質のものが制作できます。

現場での工事が最小で済むこともメリットです。

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3Dプリンターの建設事例は増加中

実際に海外では、3Dプリンターを使って家屋の建設が実際に行われています。

実験的な段階であったり、災害時の緊急援助であったりとまだ小規模なものが大半です。

それでも橋の建設にも3Dプリンターが導入されているなど先進的な事例も散見され、世界では続々と3Dプリンターによる建設事例は増えています。

ここでは3Dプリンターの事例を4つご紹介します。

  1. 発展途上国への援助の試み
  2. イタリアでは3Dプリンターで住宅建設
  3. オランダでは3Dプリンターで橋の建設
  4. ドバイでは世界最大の2階建て住居

それぞれお話しします。

1.発展途上国への援助の試み

アメリカのNPO団体は発展途上国への災害援助として、3Dプリンターで住宅を制作しています。

ハイチでは、台風などで家をなくした人たちがテントやブルーシートの仮設住宅に暮らしていました。

ここに3Dプリンターを持ち込み、家を建てたのです。

その数は約2000戸。

コンクリートで造形するので強度も相当なものです。

2.イタリアでは3Dプリンターで住宅建設

イタリアでは3Dプリンターで住宅を建設する試みも進んでいます。

広さ8畳程度の小さなものですが、ほぼ円形の住宅です。

その工期は何と10日。

材料費は約10万円。

壁を中空構造にして、その中にもみ殻などの天然素材で断熱材の代わりにしています。

これで強度や断熱性能も備えているのですから驚きの性能です。

3.オランダでは3Dプリンターで橋の建設

オランダでは、3Dプリンターを使ってインフラの整備も進んでいます。

3Dプリンターで橋を建設しているのです。

さすがに現場に3Dプリンターを据え付けてではなく、工場でパーツごとに制作しています。

強度は従来工法と変わらず、デザインはユニークに仕上がる予定です。

4.ドバイでは世界最大の2階建て住居

ドバイでは、高さ9.5メートルの世界最大の2階建ての家を3Dプリンタ―を使用して建設しました。

この記録はギネス世界記録にも認定されています。

一見するととても3Dプリンターで作ったようには見えない、曲面と平面を合わせたデザイン性の高い住居です。

この建物はエネルギー消費を削減するための工夫もされています。

断熱性能を高める特殊技術を3Dプリンタ―によって内部構造に採用しているのです。

ドバイでは2025年までに、国内の建築物のうち25%を3Dプリント技術で建てることを計画しています。

3Dプリンターで家を作る5つのメリット

3Dプリンターで家を作るメリットは以下の5点です。

  1. コストが安い
  2. 早くたくさんの家がつくれる
  3. 強度が高い
  4. 中空構造にもできる
  5. 曲線が活用できる

順に見ていきましょう。

1.コストが安い

まずはコストが安いことです。

なんと一軒家が総額40万円で建てられることも。

これくらいのコストなら発展途上国に大量供給することもできます。

住宅を3Dプリンターで作成する場合、必要な材料は基本的にはコンクリートのみです。

コンクリートそのもののコストは高くないので安価に供給できます。

2.早くたくさんの家がつくれる

3Dプリンターはデータと建てるためのスペース、材料さえあれば建築が可能です。

3Dプリンター住宅の中には24時間で建設された事例もあるほど、スピーディーに建てられます。

そのため、早く複数の家を建てられるのです。

3.強度が高い

2020年の段階で3Dプリンターによって制作される住宅のほとんどはコンクリート製です。

このため強度は申し分ありません。

制作方法の都合上、鉄筋コンクリートにすることは困難です。

地震の恐れの少ない地域で平家建てであれば使用に耐える住宅が制作できます。

4.中空構造にもできる

3Dプリンターでは壁の中を中空構造にすることもできます。

電気の配線を壁に埋め込む、断熱材を入れ込むなど、より住宅らしい仕様にすることも可能です。

断熱材は暑さや寒さを防いでくれます。

赤道直下の発展途上国から北極圏近い建物まで対応中です。

中空構造にすることで材料の削減や軽量化を図ることもできます。

5.曲線が活用できる

3Dプリンターのメリットは複雑な形状でも簡単に表現できることです。

例えば曲線。

ビルなどでは一部意匠として使われることもあります。

ただ、戸建住宅でカーブを活用している家は多くありません。

四隅をすべてカーブにして柔らかい雰囲気の家を建てることも可能です。

鉄骨材や木材を使わないためにできる芸術といえます。

3Dプリンターで家を作ることの3つのデメリット・今後の課題

まだ発展途上の技術であることから、デメリットも存在します。

今後の課題点として、より一層の技術開発が期待されるところです。

  1. 木造建築ができない
  2. 日本では法規制が追いついていない
  3. 耐震性が不十分な可能性

1.木造建築ができない

日本のほとんどの住宅で見られる木造建築。

3Dプリンターは現在のところコンクリートを用いるため、木造建築には対応していません。

そのため、日本には馴染みにくいものとなるかもしれません。

2.日本では法規制が追いついていない

日本で住宅を建てる場合には「建築基準法」に沿った建物でなければいけません。

建築基準法では、建物に使用する素材や工法についても様々な規制をもうけています。

しかし現段階では、3Dプリンターによる家の建築が想定された内容ではないため、今後法律の改正が行われない限り3Dプリンターによる家の建築は行うことができません。

3.耐震性が不十分な可能性

地震大国である日本では、住居の建設時には必ず基礎工事が行われます。

その他にも、建築基準法によって世界でも最も厳しいと言われる耐震基準が設定されています。

現在海外で建てられている3Dプリンターによる家は、コンクリートを積み上げて建築されるものです。

そのため、たとえ強度の強いコンクリートであっても、この工法で日本の耐震基準を満たせるかどうかは未知の部分が大きいのです。

そもそも、鉄筋が入っていないようなコンクリートの建物は建築基準法で認められていません。

このため日本で3Dプリンタ―による住宅が作られるとすれば、建物の構造に大きく影響を与えないような内装部分から徐々に採用されるというのが実際の可能性としては高いのではないでしょうか。

今後の技術開発が期待される部分でしょう。

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3Dプリンターは日本でも実現する?国内の実用化への取り組み

日本でも3Dプリンターを住宅建設に導入しようという動きがあります。

コストやデザインもさることながら、別の視点から注目を集めているのです。

それは人手不足の解消。

3Dプリンターについての日本での取り組みをご紹介します。

国土交通省のi-Construction(i-コンストラクション)

国土交通省は建設業界の未来のためにi-Construction(i-コンストラクション)という取り組みを行なっています。

最新技術の導入などを通じて建設業界の生産性の向上を目指す運動です。

令和元年には、3Dプリンターを駆使したセメント系ハイブリッド3Dプリンターの開発に950万円の交付金を交付しました。

国も3Dプリンターを建設業界に導入することに興味を示しているのです。

参考:i-Construction を推進する 10 技術を新規採択しました |国土交通省

日本企業も研究を加速

日本のゼネコンも研究を加速させています。

もともと社内でも水面下で研究自体は行っている会社は存在しましたが、これを公表するようになったのです。

大林組や前田建設工業がコンクリート用の3Dプリンタと専用セメント材料を開発しています。

例えば、鉄筋を使わないで強度が出せるコンクリートの研究などです。

こうした研究は今後も加速していくものと見られます。

3Dプリンターの精度向上がもたらすもの

ビルやマンションだけでなく、戸建住宅でもミリ単位の施工精度で建築されています。

これまでの大型3Dプリンターではそこまでの精度を出すことができず、建設業には不向きでした。

これが技術革新によって、大型でも非常に精度の高い3Dプリンターが生産されています。

海外の例を見ても、ハード面では建設業の使用に耐えられる3Dプリンターが出現したといえます。

人手不足解消の可能性も

民間企業だけでなく、国も3Dプリンターに興味を持っているのは、慢性的な人手不足を解消できる可能性があるからです。

建設業界は危険、汚い、きつい、の3k業界といわれています。

熟練工の高齢化も問題です。

3Dプリンターの出現は建設業界にとって福音となる可能性があるのです。

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まとめ

国も注目する3Dプリンター。

今は小さな家屋が精いっぱいでも、もっと大きな建物を建設できる可能性もあります。

3Dプリンターによって建設業界が劇的に変貌することも否定できません。

一過性のブームで終わってしまうのか、それとも建設業界の救世主となるのか。

3Dプリンターの今後に注目です。

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