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転勤や引っ越しのため、マンションを売却しようと考えたとします。
最近はいろいろな品物を個人間売買やオークションで売買することも増えました。ところがマンションは簡単にはいきません。
ときには何千万円にもなる売却価格。これを決めるのは大変なことです。
ここではまず、自分が売りたい価格を決め、その後売れる価格との整合性を取っていくアプローチについて考えていきます。

【本記事の監修者】 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ転職。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社Azwayを創業。 「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。
マンションの売りたい価格を決める4つの視点

売りたい価格を考えてください、と言われても最初から売買を想定している人以外にはなかなか難しいもの。
そして、相場と大幅に違う売りたい価格を出しても簡単には売れないものです。
ここではどうしたら売りたい価格を決めることができるか考えていきます。
売りたい価格とは売主の売却希望価格のこと。
まずは自分や家族の事情を優先して考えてみましょう。
- 購入価格がいくらだったか
- 残債はどれほど残っているか
- 新居にお金は必要か
- マンション価格の特性を知ろう
それぞれ解説します。
1.購入価格がいくらだったか
まずは購入価格、会計的に言えば取得原価からのアプローチです。
例えば新築時に5,000万円で購入したマンションを5年後2,000万円では売りたい価格とはいえません。
反対に5,500万円で売ることも難しいものです。
購入時にいくらで購入し、何年住んだのかは重要な指標となります。
2.残債はどれほど残っているか
残債、つまり住宅ローンがどれだけ残っているかも大事です。
マンションを売却しても残債が残る場合には、新たな住宅ローンに前のマンションのローンを加算して借りることになります。
金融機関もいい顔をしません。
このため、多くの人は売りたい価格をローンの残債以上に設定するのです。
3.新居にお金は必要か
新居にどれほどの資金が必要かによっても売りたい価格は変わってきます。
もし、親が所有している物件に同居するなら、それほどの資金は必要ありません。
ただ、多くの人は新居の資金として売却価格をあてにしています。
ときには予定通りの価格で売れないと新居を購入できないことも。
新居の費用のためにも資金が必要なのです。
4.マンション価格の特性を知ろう
売りたい価格を決めるにはマンション価格の特性を無視することはできません。
マンション価格は新築直後に1割から2割下落します。
その後は築10年から15年くらいまでは価格下落は緩やかです。
その後築20年くらいになると、築古物件として再度価格が下落していきます。
一部の人気マンションを除いては概ねこうした値動きとなるのです。
マンションの売れる価格を調べるには

売りたい価格の次は「売れる価格」を調べましょう。
売りたい価格だけでは、売主のひとりよがりの価格に過ぎません。
売れる価格を調べるには、自分で情報を集める方法と第三者に査定してもらう方法があります。
順序としては以下のような2ステップです。
- まずは相場を知ろう
- 査定をしてもらおう
順番にみていきましょう。
1.まずは相場を知ろう
まずは相場を知ることが大切です。
株式相場の格言ではありませんが、相場に逆らっては成功しません。
相場には日本全体の経済の流れから、そのマンションの固有の条件までさまざまです。
相場を知るために調べるポイントは以下の3点になります。
- 1-1.日本全体の流れを知る
- 1-2.周辺の相場を調べる
- 1-3.マンションの取引履歴を調べる
さっそくみていきましょう
1-1.日本全体の流れを知る
マンションの価格は景気や経済の動向にも左右されます。
景気のよいときには、場所によっては購入価格よりも高くなることも。
地価の高い場所では起こりやすい現象です。
反対に不景気のとき、中古価格は下落傾向となります。
景気の波は個人の力ではどうにもならない問題です。
自分たちが売りたい時期であっても景気が悪く、売りたい価格と異なる価格になることもあります。
いずれにしても日本全体の流れの中で相場が形成されるのです。
1-2.周辺の相場を調べる
景気の流れを把握したら、次は周辺相場を調べましょう。
購入を検討する人は自分たちが住みたいエリアのマンション価格を調べているものです。
周辺に同じようなマンションが多ければ価格は下落傾向となり、逆に稀少性があれば価格は割高になります。
中古マンションの売り物件がその時点でどれくらいあるかによっても価格は変わるものです。
このあたりは需要と供給のバランスによります。
1-3.マンションの取引履歴を調べる
最後に今所有しているマンションの取引履歴も確認してみましょう。
マンションマーケットをはじめとして、どのマンションがいくらで売れたのか、今どれくらいの値段で売り出されているかを掲載しているサイトがあります。
こうしたサイトはすべてのマンションを網羅しているわけではありませんが、参考資料としては優秀です。
2.査定をしてもらおう
今や家にいながらにしてマンションの相場くらいは調べられる時代です。
とはいえ、実際に査定をしてもらわないと本当に売れる価格かどうかはわかりません。
ネット万能の時代でも人の目によって査定をしてもらうことが必要なのです。
査定の依頼方法や注意点は以下の3点になります。
- 2-1.個別に不動産業者に依頼する
- 2-2.不動産一括査定サイトを利用する
- 2-3.机上査定と実地査定の違い
それぞれ解説していきます。
2-1.個別に不動産業者に依頼する
もし不動産業者に知り合いがいればその不動産業者に依頼してもよいでしょう。
そのマンションの購入でお世話になった不動産業者ならば、資料やデータを持っている可能性もあります。
こうした業者がいなくても、ネットで検索すれば簡単に不動産業者を見つけることが可能です。
以前よりも不動産業者を探す手間は格段に減っています。
2-2.不動産一括査定サイトを利用する
今、不動産一括査定サイトは勢いのあるサイトのひとつです。
これまでは一社ごとに依頼していた査定が同時に複数の不動産業者に依頼することができます。
このサイトを活用すれば、簡単に査定を依頼することが可能です。
この一括査定サイトは依頼が簡単であること以外にもメリットがあります。
それは競争原理が働くこと。
不動産業者側もなるべく高い査定額を出して媒介契約を取りたいと考えています。
このため、なるべく高い査定額を出そうとするのです。
依頼者側にも不動産業者側にもメリットのある一括査定サイトが増えています。
2-3.机上査定と実地査定の違い
査定には、現場を見ない机上査定と現場を確認する実地査定があります。
価格水準だけを知りたい、という場合には机上査定でも十分です。
ただ、机上査定だとそのマンションの部屋の特性は反映されません。
特性とは、きれいに使っている、故障している箇所がある、といったその部屋やマンション自体の特性のことです。
実際の売買価格はこうした特性を反映して決まります。
実際の売買価格が知りたい場合には実地査定を依頼すべきです。
マンションの売りたい価格と売れる価格を調整するには

ここまでで、売りたい価格と売れる価格の2種類の価格が登場しました。
これがぴったり一致していればよいのですが、多くの場合は差があるものです。
ここでは、マンションの売りたい価格と売れる価格を調整して売却価格を決定する方法を考えていきます。
そのプロセスと注意点を4点にまとめてみました。
- 理想と現実のギャップを埋める
- 最後は売却価格の決定
- 最初はチャレンジ価格でも大丈夫
- 高く売れる方法を考えよう
ひとつずつみていきましょう。
1.理想と現実のギャップを埋める
売りたい価格というのは、売主側の価格、つまり「この金額で売れたらいいな」という価格です。
いわば売主にとっての理想の価格となっています。
反対に相場や査定から導き出した価格は、実際の市場価格、つまり現実の価格です。
これが一致していれば問題ありませんが、売りたい価格のほうが高いケースがよくあります。
これは売主の物件の評価が高すぎる、残債が多く残っているなどが代表的な理由です。
このギャップをどう埋めていくかがポイントとなります。
2.最後は売却価格の決定
最終的に売却価格を決定することになります。
売却価格は仲介を行う不動産業者との相談のうえで決定されるものです。
ここで売りたい価格と売れる価格に差がある場合は議論となります。
売りたい価格はあくまで理想であり、市場価格からかけ離れている場合も。
多くの場合は売れる価格プラスアルファ程度で決まります。
3.最初はチャレンジ価格でも大丈夫
売れる価格あたりで決定するというお話しをしましたが、そうではないケースももちろんあります。
残債の存在や新居の購入費用のためにどうしても売りたい価格を下げられないこともあるものです。
こうした場合には「チャレンジ価格」としてしばらくの間、売りたい価格で販売をすることもあります。
これで高い価格で売却できたら幸運です。
売れるとの差が大きくない場合にはチャレンジ価格を敢行することもあります。
4.高く売れる方法を考えよう
以上のようなプロセスで売却価格は決定されます。
ただ、その間にもなるべく高く売れる方法を模索することは必要です。
それは売却を検討する段階から始まっています。
高く売るためには、物件と不動産業者双方へのアプローチが必要です。
少しでも高く売れる方法としては以下の4点が考えられます。
- 4-1.高値過ぎる不動産業者は注意
- 4-2.複数の不動産業者の意見を聴く
- 4-3.リフォームは慎重に
- 4-4.内覧は積極的に
それぞれみていきましょう。
4-1.高値過ぎる不動産業者は注意
一括査定サイトを利用すると、複数の査定を得ることが可能です。
その中で他の業者よりも突出して高い査定額を出してくる業者もあります。
すぐにこの業者に依頼したくなりますが、依頼は慎重にしましょう。
わざと高い査定額を出して媒介契約を結び、その後で売却価格を引き下げる手口もあります。
こうした業者は良質な業者とはいえません。
極端な高値を出す業者には気を付けましょう。
4-2.複数の不動産業者の意見を聴く
上記のような不動産業者に捕まらないためにも、複数の不動産業者の意見を聴くことが必要です。
少数の業者ではどの業者が正しくて、どの業者が無茶な価格を提示しているのかわかりません。
やり取りや業務の管理が煩雑にはなりますが、最低でも3社から5社程度の査定を依頼するようにしましょう。
4-3.リフォームは慎重に
リフォームをしてきれいにしたほうが売れるのではないか、と考えることもあります。
実際にリフォーム済みの中古マンションは売れ筋の商品です。
ですが、リフォーム済みのマンションの多くは不動産業者が買い取って再販売したもの。
いわゆる買取再販物件です。
これを素人が真似をするのは至難の業。
不動産業者は安いリフォーム業者を抱えており、同じ値段で一般の人がリフォームすることはできません。
素人施工ではリフォーム代が高くついてしまい、商品価値が逆に減退してしまいます。
リフォームは慎重にすべきなのです。
4-4.内覧は積極的に
購入希望者が現れると、内覧を行なうこととなります。売主としてはこれには積極的に協力しましょう。
そのためには、なるべく物件内はきれいにしておくべきです。
リフォームはせずとも清掃やクリーニングで十分にきれいになります。
たとえ居住中であっても、できるだけきれいにしておくべきです。
人間はやはり第一印象でイメージが決まってしまいます。
一見してきれいでない物件には購買意欲もなくなってしまうもの。
スムーズな売買のためにも内覧の準備と協力は積極的に行いましょう。
まとめ
売りたい価格と売れる価格は不動産に限らず対立するものです。
理想と現実のせめぎあいともいえます。
残債や必要とする金銭によっては売りたい価格で売れないと採算がとれないことも。
いかに売りたい価格と売れる価格の整合を取るかが大きな問題です。
両者の価格の折り合いをうまくつけて、スムーズな売買を目指しましょう。






