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「農地は売却価格も安く、売却自体が難しい。」
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
実はそのイメージは大きく外れていません。
農地には農地特有の事情や法律があり、日本で農地を売却するのは時間と手間がかかるのです。
そんな農地の売却が難しい理由や売却の流れを調査してみました。
転用という用語や転用基準がわからないと農地の売却を理解することは難しくなっています。
この記事をぜひ参考にしてみてください。
また、近年の不動産価格の高騰により、現在不動産が高値で売却できる良い市況が続いています。
今のタイミングを狙って不動産を売却しようと考えている人も多いと思うのですが、売却時に絶対にやってはいけないことを知っていますか?
それは、「1~2社程度の不動産会社にだけ、査定を依頼すること」。
一般的な商品とは異なり、不動産には決まった価格がありません。査定を依頼した不動産会社によって500万円以上査定額が違うこともあります。
もしあなたが1~2社にだけ不動産査定を依頼して適正価格より低い査定額が提示された場合、本来売れるはずだった金額よりも数百万円安く売りに出してしまう可能性があります。
具体的な事例を挙げてみましょう。あなたが売却予定の不動産の本来の適正価格が「3,000万円」だったとします。
たまたま査定に出した2社の不動産会社の査定額が「2,700万円」と「2,650万円」だった場合、あなたはどう思うでしょう?
適正価格を知らないあなたは、
「なるほど。プロが言うのだから、2,700万円ほどが妥当なのだろう。」
と判断し、2,700万円前後で売りに出すでしょう。
本来であれば3,000万円でも売れた物件を、300万円も安い金額で手放してしまったわけです。高級な車が買えるほどの大金をドブに捨ててしまったわけですね。
「適正価格で売り出すことが大切なのはわかったけど、どうやって適正価格を調べることができるの?」
と疑問に思われますよね。不動産の適正価格を把握する方法は、ずばり「5社以上の不動産会社に査定を依頼すること」です。
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それでは解説をはじめていきます。

【本記事の監修者】 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ転職。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社Azwayを創業。 「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。
もくじ
農地の売却が難しい6つの理由

農地の売却が難しい理由は農地を取り巻く制度が複雑であることと、農地の売却価格が安いことです。
食料自給率が低い日本で農地を簡単に他の用途に変更されては困る、という意図が働いていることも関係しています。
農地の売却が難しい理由を制度面と金額面で以下の6点にまとめてみました。

それぞれ見ていきましょう。
1.農地独自の法律がある
農地には宅地には適用のない法律がいくつもあります。
その代表的なものが農地法です。
農地法は文字通り農地に関する法律で、農地の売買や農地以外に用途を変更することを規制する法律となっています。
農業や農地を保護する法律が農地の売却を妨げているのは皮肉なことですが、農業を継続するためにやむを得ない面もあるのです。
2.農業委員会の許可や届け出
各市町村には農業委員会という組織があります。
農地の適正な利用を管理する組織です。
農地法では、農地の売買はこの農業委員会への届出や許可が必要とされています。
この農業委員会、実は農業委員のほとんどは公務員ではない農家の方です。
このため、例外はあるものの、農業委員が役所に常駐しているわけではありません。
農業委員会が開催されるのは1カ月に一度程度。
数カ月開催されないこともあります。
委員会開催までは許可が下りないことから農地の売却は停滞してしまうのです。
もちろん許可基準も厳しくなっています。
農地の売却には農業委員会が切っても切れない関係なのです。
3.無許可売買は無効
農地法には他の法律にはない強力な規定があります。
農業委員会の許可や承認のない売買は無効になるのです。
他の法律ではっきりと無効と規定されている行為はあまり多くありません。
それだけ農地が保護されている証拠でもあります。
農業委員会の許可や承認がなければ、事実上売却はできません。
厳しい基準を満たし、定期的に開催される農業委員会の許可をもらってようやく売却が実現するのです。
4.買主は農家か農業参入者のみ
農地の買主は誰でも良いわけではありません。
農家か農業参入者に限られています。
少し前までは会社のような法人でも購入することができませんでした。
農業従事者が減少してきた結果、ようやく農業法人などでも農地が購入できるようになったのです。
また農家や農業参入者は、当然ながら都市部には少なくなっています。
場所によっては買主がいないという状況も発生するのです。
5.転用基準が厳しい
転用とは、農地を農地以外のものにすること。
具体的には農地を宅地にすることです。
この際の転用基準は厳しく、場所によっては転用が事実上不可能な場所もあります。
農地が広がっていても、点々と家が建っている場所なら転用も可能です。
ですが、一面農地で建築物がほとんどないような場所もあります。
こうした場所では転用が厳しく、宅地化が難しいのが現状です。
6.金額が安い
最後は経済的なお話です。
農地の売買価格はとても安いもの。
坪単価だと1万円を割るような場所もあります。
これだとある程度の規模でも総額が上がっていきません。
不動産業者が受け取る仲介手数料は売却金額で決まります。
総額が安いと仲介手数料も安くなってしまうのです。
そのため不動産業者のモチベーションもあまり高くなりません。
これが農地の売買を積極的に受けてくれる不動産業者が少ない理由なのです。
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それでも農地を売却すべき2つの理由

農地を売却するには様々な制限があり、難しい面があるのは事実です。
そのため農地を売却せずにそのまま持っておいた方がいいのでは?と考える方もいるかもしれません。
しかし、実際農地を売却せずに放置することにはデメリットも多くあまりおすすめではありません。
それには、下記の2つの理由があるからです。
- 固定資産税が引き上げられる
- 土地が荒れ放題になってしまう
詳しく見てみましょう。
1.固定資産税が引き上げられる
農地も不動産ですので、当然固定資産税が毎年かかります。
近年日本では使われなくなった農地を有効活用するために、農地を減らす方針へと舵を切っています。
そのため農地に対する固定資産税の引き上げが行われているのです。
つまり、ただ持っているだけで高い固定資産税を払い続けなくてはいけなくなるのです。
2.土地が荒れ放題になってしまう
もう一転は、農地の管理に関することです。
農地を長期間放置すれば当然土地は荒れてしまい、景観を損ねるだけでなく害獣の住処になるなど近隣への迷惑にもなりかねません。
また、一旦休ませた農地は再び農地として復旧しようとすると大きな手間と時間がかかります。
そのため、明確な使用目的がないまま農地をもっているのであれば早めに売却してしまった方がいいのです。
農地を農地のまま売却する方法5ステップ

農地は宅地と比較して規制が厳しいことはお話ししました。
こうした事情もあり、農地を売却するには宅地とは異なるプロセスを踏むことになります。
査定をして不動産業者と媒介契約を締結するところまでは同じですが、買主を見つけるところから異なる手順となります。
まずは農地を農地として売却する場合の流れを5ステップに分けての説明です。
- 買主を見つける
- 許可を条件とした売買契約を締結
- 農業委員会に許可申請
- 許可前に所有権移転請求権仮登記
- 許可後に代金支払いと所有権移転登記(本登記)
順番にみていきましょう。
1.買主を見つける
買主も誰でも良い+わけではありません。
農家か農業参入者に限定されています。
市町村によっては自宅から一定の距離内でないと購入できない規則があることもあります。
極端に言えば、東京の人が大阪の農地を耕作することは簡単ではありません。
このため、距離基準を持っている市町村もあります。
このため、買主は実質的に近所の農家などに限定されるのです。
2.許可を条件とした売買契約を締結
買主と条件が整えば売買契約を締結します。
この売買契約も農業委員会の許可を受けたら売買する、という特約付きの契約です。
農業委員会では買主についても資格審査をします。
このため、契約を先にする必要があるのです。
この段階では許可を受けられないため、このような条件付きの契約となります。
3.農業委員会に許可申請
売買契約を締結後に農業委員会に許可申請をします。
先ほどもお話ししたように、農業委員会は常時開催されるものではありません。
1カ月から数カ月に一度の割合です。
事前に開催日をヒアリングしておき、その開催日に間に合うように書類を提出する必要があります。
開催日と書類の締め切り日を確認しておきましょう。
4.許可前に所有権移転請求権仮登記
農業委員会に許可申請をしたら、所有権移転請求権仮登記を行います。
とはいえ、この仮登記、最近は行わないこともあるのです。
手間もかかり、司法書士に依頼する必要もあるのです。
農業委員会の許可がほぼ出されるような状況であれば、無理してやらなくてもよい、との考えによります。
5.許可後に代金支払いと所有権移転登記(本登記)
農業委員会の許可が下りると、先ほどお話しした許可を条件とした特約が実現します。
こうした手順によって晴れて売買が成立するのです。
農業委員会の許可を受けると、あとは通常の不動産売買と同様になります。
代金の支払いと所有権移転登記を経て買主へ所有権が移転します。
農地の売買は、農業委員会の許可いかんによってその結果が左右されることもある取引といえます。
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農地を転用して売却する方法

次に農地を転用、つまり農地を農地以外の土地にして売却する方法についてお話していきます。
農地転用してからの売却も基本的には同じような流れとなります。
この農地転用は売主が行うこともあれば、反対に買主が行うこともあります。
買主が農地転用を行う場合には、農地法では「転用目的権利移動」という言葉を用います。
文字通り、転用を目的として権利の移動、つまり売買を行うのです。
2つの転用基準
農地を転用するには、「転用基準」をクリアする必要があります。
その転用基準は「立地基準」と「一般基準」です。
立地基準はその農地がどのような地域の農地に該当するか、一般基準は転用の目的が妥当かどうか、の基準となっています。
これらを農業委員会が審査し、許可を与えるかどうかを決定するのです。
- 立地基準
- 一般基準
それぞれの基準についてみていきましょう。
1.立地基準
立地基準はその農地がどのような場所にあるかの基準です。
立地基準には、下記の五段階があります。
| 農用地区域内農地 | 市町村が定める農用地区域内の農地 | 原則不許可 |
| 甲種農地 | 良好な営農条件を備えている農地など | 原則不許可 |
| 第1種農地 | 10ha以上の良質な集団農地など | 原則不許可 |
| 第2種農地 | 役場等から500m以内にある市街地発展の区域内にある農地 | 状況に応じて許可 |
| 第3種農地 | 役場等から300m以内にある市街地発展の区域内にある農地 | 原則許可 |
農用地とも呼ばれる農用区域内農地はほとんど転用ができません。
反対に第三種農地は比較的許可が下りやすい農地となっています。
どの農地に区分されているかによって転用の可能性が左右されるのです。
2.一般基準
一般基準は、その転用がきちんと行われるか、転用が周辺の農地に影響を与えないかなどを審査する基準です。
農地をつぶして転用するのですから、あやふやな目的に利用されては困ります。
転用しても周辺に悪影響を与えてはいけません。
- 申請用途として確実に使われる
- 周辺の農地の営農条件に支障を及ぼす恐れがない
- 農地利用の集積に支障がある場合 など
転用後のことまで考慮したうえで農業委員会は許可の可否を審査しています。
農地転用の手続き
農地転用の手続きは「許可」を得る必要があるパターンと、「届出」を提出すればOKなパターンとに分かれます。
- 市街化区域内の農地・・・農業委員会への届出のみで転用可
- 市街化調整区域の農地・・・農業委員会経由で都道府県知事に許可を得る
都道府県知事の許可を得る場合は、農地の売主と買主双方が連著で申請する必要があります。
転用が許可されれば所有権の移転登記が行われ、買主に所有権がわたります。
その後、買主により農地の工事が進められ工事が完了した段階で申請通りに行われたかどうか実施報告を行うことになっています。
全体的な流れは下記のとおりです。
- 農地の買主と売買契約を結ぶ
- 農業委員会または都道府県知事に届け出、転用許可申請を行う
- ケースによっては仮登記を行う
- 許可が下りたら本登記、生産
- 買主による工事
- 買主による工事の実施報告
農地売却でかかる税金&費用

農地を売却する際にかかる費用について見ていきましょう。
農地売却にかかる税金
まずは、農地売却でかかる税金です。
- 譲渡所得税
- 印紙税
- 登録免許税
農地を売却して利益が出ると譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税は所得税と住民税を合わせた総称として用いられます。
譲渡所得税は農地を所有していた期間により税率が異なります。
- 所有期間が5年以下・・・所得税30% 住民税9%
- 所有期間が5年超え・・・所得税15%、住民税5%
ただし、特別控除が適用される場合には譲渡所得税が全くかからないケースもあります。
印紙税は倍場契約書に貼る印紙に対してかかる税金です。
売買金額により、2,000円~60,000円と幅があります。
登録免許税は、所有権が買主に移転する所有移転登記を行う際に係る税金です。
登記に関しては司法書士に依頼することが一般的で、司法書士に対する報酬も別途発生します。
農地売却にかかる費用
税金以外で農地売却においてかかる主な費用は下記です。
- 仲介手数料
- 農地転用手続き代
仲介手数料は不動産会社に支払う費用で、売却価格×3%+6万円に消費税をプラスした金額がかかります。
農地転用をして売却する場合は、この転用申請を行う際にも費用が発生します。
市街化区域内の土地は約10万円、市街化調整区域の土地は約15万円程度が相場です。
この費用は行政書士に支払う費用になります。
農地の売却相場は?

農地はいくらで売れるのか、素朴な疑問もわいてきます。
もちろん、場所によっても農地の売却価格は異なります。
農地として売るのか、転用目的かでも変わるもの。
一般的には宅地よりも安いものの、農地の売却価格は千差万別なのです。
農地の売却相場を決めるものは以下の4点になります。
- 農地として売るのか、転用目的なのか
- 地域
- 田か畑か
- 市街地からの近さ
ひとつずつ解説します。
1.農地として売るのか、転用目的なのか
農地を農地として売却する場合はその価格は安いものです。
反対に転用を前提とした農地は、いわば宅地の素材になる開発素地といえます。
このため、その土地価格は宅地の価格から造成費用などを引いた価格になります。
その農地をどのように利用していくかによって価格は大きく変わります。
2.地域
もちろん、農地といえども都市部に所在する農地と地方に所在する農地では、都市部に近いほうが価格は高くなります。
宅地ほどではありませんが、農地もどこに所在するかによって価格水準が形成されているのです。
3.田か畑か
同じ農地でも田んぼと畑では畑のほうが価格は高い傾向となります。
転用を前提とした場合、田んぼは造成費用がかかるのでその分安く購入する必要があるからです。
反対に畑は軽微な造成工事だけで宅地にすることができます。
造成の難易や利用のしやすさによって、農地の価格は変動するのです。
4.市街地からの近さ
同じ市町村内でも市街地に近いほうが農地の価格は高く、山間部や郊外では安くなります。
これは転用の可能性が高いか否かも影響を与えているのです。
農地を農地として利用する場合でも、集落から近いほうが耕作はしやすくなります。
人の住んでいる場所からのアクセスによっても価格は変わるのです。
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まとめ
農家の中には、農地を売却してしまいたいという人も多くいます。
その一方で農地法をはじめとして農地が売りづらいのも事実です。
農業は国の基本であることは昔から変わっていません。
農地の保護と流通をいかに両立するかも大事です。
もし農地の売却を考えているなら、農地の売却に詳しい不動産業者を探して、相談してみましょう。




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