アイダ設計は「評判悪い」と言われる?「後悔」の理由を施主1,132人の調査で宅建士が検証

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価格を抑えながら、間取りは自分たちで決めたい。その条件で探していくと、アイダ設計の名前にたどり着きます。ところが社名を検索窓に入れた途端、「やばい」や「評判悪い」が候補に現れ、資料をめくる手が止まってしまいます。

幸せおうち体験談では、注文住宅を建てた施主1,132人へのアンケートと、住宅会社に関する独自の口コミ調査を行いました。価格の目安と保証の条件は、公式情報と照らし合わせています。

結論を先にお伝えすると、アイダ設計は、打ち合わせの内容を自分でも記録しておける人なら、検討する価値のある住宅会社といえます。価格を抑えた家づくりでありながら、注文住宅は標準仕様で断熱等級5を確保していると公表しています。今回は、宅建士の視点から、価格の内訳と保証の条件を詳しく見ていきます。

この記事でわかること

  • 満足度が90%から50%まで開いた4人は、何を語ったのか
  • 「やばい」「評判悪い」と言われる中身が、どの論点に寄っているのか
  • 坪単価が非公表のなかで、999万円の家と総額をどう見積もるか
  • 断熱等級5や35年保証は、契約する1棟でどこまで確かめられるのか
  • アイダ設計に向いている人と、慎重に検討したい人の分かれ目
家づくりのポイントを案内する建築士風のイラスト

まずはここに注目

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この記事の監修

宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 井口梓美

宅地建物取引業者である株式会社AZWAYの代表。不動産取引と住宅ローンの相談実務をふまえ、価格と性能の記述、保証や制度の条件を一次情報で確認しています。(監修日:2026年7月15日)

アイダ設計で家を建てた施主4人の声を、1,132人への独自アンケートの実データとともに整理した記事の図。アイダ設計は「評判悪い」と言われるのかを検証する記事の図です。全調査1,132人から数値回答864人、アイダ設計施主4人へと絞り込む過程を示す。
アイダ設計施主4人の声と調査全体の絞り込みを示す。
  1. 実際にアイダ設計で建てた4人の本音【独自アンケート】
    1. 調査の概要と掲載の方針
    2. まず全体1,132人の満足度から
    3. アイダ設計で建てた4人の満足度
    4. 4人が語った後悔と、良かったこと
  2. アイダ設計が「評判悪い」「やばい」と言われる理由を検証
    1. 営業担当の交代や引き継ぎで不安になる
    2. 工期が延びて引き渡しが遅れる
    3. 施工の粗さや引き渡し後の手直しが心配
    4. 間取りや収納を後から悔やむ
    5. 「安っぽい」「999万円の家は大丈夫か」と感じる
    6. オプションや見積もりで総額が読みにくい
    7. 「やばい」「倒産」という噂は本当か
    8. 7つの論点を4つに整理する
  3. アイダ設計の坪単価と総額の目安
    1. 実際に建てた4人の総額【アンケート実データ】
    2. 999万円の家と「正直価格」【本体ベース】
    3. 値引きは期待できるのか
  4. アイダ設計の住宅性能と保証
    1. 耐震と構造
    2. 断熱と省エネ
    3. 保証とアフターサービス
  5. アイダ設計で後悔しないための3つのポイント
    1. 1.担当者と決めたことを、書面で残す
    2. 2.本体・付帯・諸費用・土地の4本立てで総額をつかむ
    3. 3.耐震等級と断熱等級を、数値で受け取る
  6. アイダ設計の商品ラインナップ
  7. アイダ設計が向いている人・慎重に検討したい人
  8. まとめ
  9. よくある質問
    1. アイダ設計で後悔しやすいのはどんな点ですか?
    2. アイダ設計の坪単価はいくらですか?
    3. アイダ設計の「999万円の家」は本当に999万円で建ちますか?
    4. アイダ設計はやばい・倒産すると聞きましたが本当ですか?
    5. アイダ設計の断熱性能や耐震性能はどのくらいですか?
    6. アイダ設計の保証は何年ですか?

実際にアイダ設計で建てた4人の本音【独自アンケート】

当調査でアイダ設計の回答は4人と限られます。

そこでこの記事は、4人の声を1人ずつ紹介し、判断のよりどころのほうは施主1,132人全体の傾向と公式情報の確認に置きます。4人の数字からアイダ設計全体の満足度を断定することはしません。

調査の概要と掲載の方針

この調査を行ったのは当サイトの編集部です。2019年から2026年にかけて、複数回に分けて実施したインターネット調査になります。答えてくれたのは、注文住宅を建てた20代から60代以上の男女、あわせて1,132人。

たずねた内容は、性別と年代、地域、建てた会社名、選んだ理由、総額、満足度、それに後悔した点と良かった点です。

掲載にあたっては、読みやすさを優先して回答を要約し、順序も組み替えました。ただし満足度や総額といった数字は、いっさい書き換えていません。良い回答だけをすくい上げることもしていません。後悔や不満を書いた回答も、同じ基準でそのまま載せています。掲載は回答者の同意を得たうえで、事業者である当サイト編集部が行いました。

まず全体1,132人の満足度から

まず注文住宅の傾向を読み取る時に頼りになるのが、施主1,132人全体の数字です。このうち満足度をパーセントで答えた人が864人いて、その平均は77.3%になります。

注文住宅を建てた施主のうち満足度を数値で答えた864人の分布を示した横棒グラフ。90〜99%が346人で最も多く、70〜79%が318人、100%が77人、50〜59%が98人、50%未満が25人。全体平均は77.3%であることを表している。
全体では満足度70%以上が85.8%を占める。

70%以上をつけた人は741人で、864人の85.8%にあたります。90%以上の人も423人いて、割合では49.0%。注文住宅の施主の大半は、おおむね納得して暮らしている。相場観としては、そう読み取れます。

なお、頭数の1,132人と、平均の分母の864人は役割が違います。差が出るのは、満足度を数値でたずねる設問がなかった人がいるためです。無回答を満足に数えるような水増しはしていません。

満足度 回答数 割合
100% 77人 8.9%
90〜99% 346人 40.0%
70〜79% 318人 36.8%
50〜59% 98人 11.3%
50%未満 25人 2.9%

後悔の一般的な傾向を読むときは、この864人の層をひとつの物差しとすると良いでしょう。このあとアイダ設計の4人を紹介しますが、4人からアイダ設計全体の傾向を導くことはしません。

アイダ設計で建てた4人の満足度

今回の施主1,132人のうち、アイダ設計で建てたのは4人。4人とも満足度を数値で答えています。内訳は90%が2人、70%が1人、50%が1人でした。

満足度 人数
90% 2人
70% 1人
50% 1人
合計 4人

4人の単純平均は75.0%。これは参考値として置いておきます。4人という人数では、全体の77.3%より高いとも低いとも言い切れません。それに、評価が90%と50%に開いている点も、平均値からは見えなくなります。

4人が語った後悔と、良かったこと

東京都練馬区の50代男性は満足度90%でした。

予算に収まる会社だったことが決め手で、もともと持っていた土地に二世帯の注文住宅を建てています。建物3,000万円と諸経費200万円で、総額はおよそ3,200万円と答えました。

ただ、家づくりの道のりは平坦ではなかったようです。納期が1年ほど延び、完成後の点検では雑な仕上げがいくつも見つかったそうです。担当者を呼び、直してもらうまで粘り強く交渉した結果、最後にはある程度は満足できたと書いていました。

アイダ設計で実際に家を建てた施主が独自アンケートに寄せた声を本文の言葉のまま引用したカード図。安さと見本の家の外観、食洗機より収納を増やせばよかった、の2点を示している。
施主が寄せた実際の声。

福島県の20代女性も満足度90%です。

選んだ理由は「安さと、見本の家の外観」。総額は3,000万円と答えています。価格の手ごろさと、引き渡しまでの速さを評価していました。

一方で、この方は後悔もはっきりしていて、食洗機は不要でそのぶん収納をもっと増やせばよかった、というものでした。国の補助金についての説明は、丁寧にしてもらえたそうです。これから建てる人へは、いくつもの工務店で話を聞き、価格を見比べてほしいとのアドバイスがありました。

地域を答えなかった30代女性は満足度70%。

気にかかったのは、営業担当が何度も変わったことでした。引き継ぎはしてもらえたものの、この会社で大丈夫かと不安になる場面がときどきあったと書いています。

家は安い買い物ではないから、周りの経験者の話をよく聞き、ネットでも念入りに調べたほうがいい。メーカーごとに得意と不得意があるので、自分の理想が予算内でどこまで叶うかを見極めてほしい。モデルルームも数多く回ったほうがいい。実感のこもった助言を残しています。

同じく地域を答えなかった30代女性は、満足度50%と4人でいちばん厳しい評価でした。

ただ、担当した営業への印象は悪くなかったと書いています。無理に契約を進める様子はなく、言いたいことが言える雰囲気で、契約はしやすかったそうです。その経験から、営業がどう接客するかにその会社の方針が表れる、と感じたとのこと。

最初の印象が良くなければ、別の会社を見に行ったほうがいい。価格やオプションが妥当かは、ほかでも見積もりを取って確かめるとよい。家を建てた身近な人に話を聞くのもいい。そんな助言を寄せてくれました。

4人のうち3人が、営業担当との進め方について何かしら触れています。

人数が少ないので、これをアイダ設計全体の傾向として一般化することはできません。それでも、同じ会社で「担当が何度も変わって不安だった」と「担当の印象が良く契約しやすかった」が並ぶ事実は、担当者しだいで体験の質が動きやすい会社だと教えてくれるものでしょう。

ここからは、この4人の声を出発点に、「やばい」と呼ばれる中身を公式情報と公的統計で一つずつ確かめます。

アイダ設計が「評判悪い」「やばい」と言われる理由を検証

アイダ設計への後悔の多くは、会社の欠陥ではなく「価格を抑えて家を供給する」というモデルの副作用として説明がつきます。「評判悪い」と書かれる中身も、たどっていくと同じところに行き着きます。

先に、公式で確認できた強みを1つ。アイダ設計の注文住宅は、実際に建てた建物を使った震度7クラスの耐震実験をクリアしたと公表しています。数を売る会社が、実大の実験まで残しているわけです。

ここでは良い評判と気になる評判を同じ分量で並べ、その裏にある理由と、契約前に打てる対策まで書いていきます。前提として、アイダ設計は年間2000棟以上の設計をこなす規模ですから、母数が増えるほど不満の声も一定数は出ます。家そのものには満足していても、担当者の対応ひとつで低い評価がつくことは珍しくありません。

反対に、満足した人がわざわざ書き込みに行くことは、ほとんどないでしょう。先のアンケートでも、満足度を答えた864人のうち85.8%が70%以上をつけていました。

施主1,132人に聞いた結果ですから、口コミにはこうした偏りが必ず混じります。その前提で、ここから先を読み進めてください。

営業担当の交代や引き継ぎで不安になる

担当者への不満は実在します。ただ、同じ会社への好印象とも同居しているのが実情です。

今回のアンケートでも、30代女性は営業担当が何度も変わって不安になったと書き、50代男性は完成後の手直しで担当者と粘り強く交渉しました。一方で、もう1人の30代女性は担当の印象が良く契約しやすかったと評価しています。

差が生まれる背景には、アイダ設計が全国96店舗の体制で、年間2000棟以上の設計をこなす規模であることが関係しているかもしれません。これだけの棟数を回せば、担当者の力量に幅が出ます。住宅業界全体に共通する課題であって、アイダ設計に限った話ではありません。

顧客側でできる工夫もあります。

打ち合わせの決定事項は、口頭で終わらせず議事録や書面へ残してもらってください。担当が変わっても、引き継ぎの抜けを防げるからです。相性が合わないと感じたら、遠慮せず担当変更を申し出てよい部分でもあります。50代男性のように、気づいた不具合をその場で伝えて直してもらえた例もありました。声を上げることが、いちばんの防御になります。

工期が延びて引き渡しが遅れる

工期の遅れは、注文住宅では起こりうるもの。あらかじめそう知っておくのが安全です。

今回のアンケートでは、二世帯住宅を建てた50代男性が、納期の1年ほどの遅れを後悔に挙げていました。二世帯は延床が大きく、設備も設計も複雑になりやすい建物です。天候や資材の調達、近隣との調整しだいで、工程は前後します。

アイダ設計に限らず、注文住宅は工場生産の規格品ではありません。現場で一棟ずつ組み上げる以上、遅れの芽はどの会社にもある。もっとも、プレカット材を自社工場で加工する体制は、木材の供給を安定させる面では追い風になります。

対策としては、契約前に着工から引き渡しまでの工程表を、月単位で出してもらうと良いでしょう。遅れが出たときの連絡の方法と、引っ越しや仮住まいの費用を誰が持つのかも、書面で確かめておくと安心です。入居の予定を工期ぎりぎりで組まず、1、2か月の余裕をみておけば、多少の遅れは吸収できます。

施工の粗さや引き渡し後の手直しが心配

施工品質は、価格の安さと結び付けて語られやすい論点です。今回のアンケートでも、50代男性が完成後の点検で雑な仕上げを見つけ、担当者に直してもらうまで交渉したと書いていました。数を多く手がける会社では、現場ごとの仕上がりに幅が出やすい側面は否定できません。

ここは公式の品質管理を正確に読むと、ちょっと輪郭がはっきりしてきます。

アイダ設計は、自社のプレカット工場で木材を仕入れて検査し、基準を満たした部材だけをミリ単位で加工していると公表しています。さらに注文住宅では、第三者の住宅検査機関による施工品質チェックを、全4回・34分野・97項目以上にわたって実施すると案内しています。品質マネジメントのISO9001と、環境のISO14001も取得しているとのことです。

買う側の対策も明確です。

引き渡し前の内覧に、第三者のインスペクションを入れることです。インスペクションとは、いわゆる住宅診断のこと。施主の立場で、専門家が仕上がりを点検します。

気づいた点は口頭で終わらせず、是正の期限まで書面へ落とし込むことが重要。50代男性のように、指摘して直してもらえた例もあるので、おかしいと感じたらその場で伝えることが大切です。

間取りや収納を後から悔やむ

住んでから悔やみやすいのは、日々の使い勝手に効果的な収納や設備の配置です。

今回のアンケートでは、20代女性が「食洗機は要らなかった、そのぶん収納を増やせばよかった」と書いていました。設備の取捨選択と収納の量は、図面の段階では実感しにくく、暮らし始めてから気づく部分でもあります。

アイダ設計は社名のとおり、設計を出発点にした会社です。社内に設計専門の部署を置き、年間2000棟以上の設計実績を重ねていると公表しています。

自由設計をうたう以上、間取りや収納は要望を反映できる余地がある。裏を返せば、要望を出しきれないと、標準のままの家になりやすいということでもあります。

対策は、暮らしの動線を先に描くことです。家事の流れ、荷物の量、家電の置き場所を紙に書き出し、必要な収納量を打ち合わせで具体的に伝えてください。

オプションの設備は、要る要らないを金額とセットで一覧にしてもらうと良いでしょう。20代女性が挙げた食洗機の後悔は、優先順位を先に決めておけば防げた種類のものです。

「安っぽい」「999万円の家は大丈夫か」と感じる

価格の安さは、そのまま品質への不安に転じやすい論点です。検索候補に「999万円」が並ぶ背景には、この金額で本当に建つのか、削られている部分はないのか、という疑問があります。

公式の位置づけを正確に押さえましょう。「999万円の家」は、自由設計で高品質と低価格を両立させることを掲げた注文住宅の商品です。この金額は建物本体の目安であり、付帯工事や諸費用、土地代を含んだ総額ではありません。

安さの源泉として公表されているのは、設備の一括大量仕入れと、自社プレカット工場による加工の効率化。値段を無理に削るのではなく、仕入れと加工でコストを下げる仕組みだという説明です。

それでも、標準からどこまで積み増すかは施主の選択に委ねられます。外観や内装の質感が価格帯なりに見えるかどうかは、写真ではなく実物で確かめるのが確実です。

モデルハウスで標準の建具や外壁、クロスに触れ、変えたい箇所と追加費用を一覧にして、安さの理由が腑に落ちれば、「安っぽい」という不安の多くが仕様の選択の問題に置き換わります。

オプションや見積もりで総額が読みにくい

「本体は安いのに総額が上がる」は、ローコスト住宅で繰り返し語られる論点です。今回のアンケートでも、50代男性の総額は、建物3,000万円に諸経費200万円が乗って3,200万円になっていました。諸経費だけで200万円が動いています。

本体価格の安さが際立つ会社ほど、本体に含まれない費目の比率は相対的に大きく見えます。地盤改良、屋外の給排水、外構、登記の費用、火災保険。どれも家を建てるなら避けて通れないものばかりです。

アイダ設計に限らず、住宅業界全体に共通する見積もりの読み方の問題だと言えます。

50代の男性も、別の30代女性も、価格やオプションが妥当かをほかでも見積もりを取って確かめるよう勧めていました。打つ手は、土地・建物本体・付帯工事・諸費用の4本立てで上限額を先に決めること。そのうえで、オプションを「あとで決める」と流さず、一覧と金額を最初に出してもらうことです。

契約を急がず、同じ条件でほかの見積もりと並べれば、金額の妥当さは見えてきます。

「やばい」「倒産」という噂は本当か

アイダ設計に、倒産の噂を裏づける事実は見つかりません。それでも不安が広がるのには、検索の仕組みという理由があります。

まず、公式の会社概要で稼働の実態を確認できます。株式会社アイダ設計は1981年の創立で、2024年度の売上高は621億円。従業員は2025年3月末で1,060人、支店・営業所は全国に96店舗あります。東京証券取引所のTOKYO PRO Marketに上場し、証券コードは2990です。倒産や廃業とは、実態が結び付きません。

検索候補には「上場廃止」という言葉も混じります。この点も公式の開示までさかのぼって確かめました。アイダ設計が上場廃止になったという情報は、見当たりません。株式に関する開示は、今も続いています。

「上場廃止」という言葉が独り歩きしやすいのは、プロ投資家向けの市場が一般になじみの薄い区分だからかもしれません。上場している市場の種類までは、検索候補からは読み取れないものです。

そもそも検索候補は、実態ではなく検索の履歴で育ちます。だれかが不安な言葉を打ち込むと候補に残り、それを見た次の人が同じ言葉を打つ。この循環がワードを太らせているだけで、会社の財務とは関係がありません。

経営が気になるなら、上場企業の情報開示や国税庁の法人番号公表サイトで、公式の数字を確かめるのが最短です。

7つの論点を4つに整理する

ここまでに挙げた論点を、性質ごとに仕分けします。同じ「後悔」でも対策はまったく違うからです。

分類 該当する論点 対策
事前準備で避けられる 総額の読みにくさ、標準仕様の見た目、工期の見通し 4本立ての上限設定、モデルハウスでの実物確認、工程表の事前確認
担当者による差 営業の交代・引き継ぎ、提案量のばらつき 決定事項の議事録化、担当変更の申し出
事実から離れた思い込み 倒産・やばいの噂 売上高・店舗数・上場区分を公式で確認する
実際の弱点だが対策あり 現場ごとの仕上がり差、間取りや収納の作り込み 第三者の内覧同行、変更可能範囲と収納計画の書面化

欠陥を抱えた会社だという結論には、どうやってもなりません。ただし、確認を省いて進んだ人ほど、後悔が残りやすい会社ではあります。

気になる点を確認したら、ほかの住宅会社とも比べておきましょう

口コミだけでは判断しにくい部分も、資料を並べると、価格・間取り・保証の違いを整理しやすくなります。

アイダ設計の坪単価と総額の目安

アイダ設計は坪単価そのものを公表していません。価格の目印として公式が掲げるのは「999万円の家」と、月々5万円台以下という支払いの目安です。

実際に建てた人の総額と、公式や公的統計の数字。性格の違う数字ですから、分けて示します。

実際に建てた4人の総額【アンケート実データ】

今回の4人のうち、総額を答えたのは2人でした。土地や建物、諸経費に分けて書かれた回答は、合算して総額とみなしています。

アイダ設計の施主が実際に払った総額の帯を示した図。回答した2人は、いずれも総額3,000万円台だった、土地や建物を合算した当時の実績額であることを表している。
実際の支払総額の分布を示す。
総額 人数
〜2,999万円 0人
3,000〜3,499万円 2人
3,500万円以上 0人
回答なし・不明 2人

金額を答えた2人は、いずれも総額3,000万円台でした。1人は土地をもともと持っていて、建物3,000万円と諸経費200万円の3,200万円。もう1人は3,000万円で、土地代を含むかどうかは回答から判別できません。

公的なものさしを1つ置いておきましょう。2024年度のフラット35利用者調査によると、注文住宅の建設費は全国平均で3,932.1万円でした。土地付きの注文住宅では、その他地域の建設費が3,549.1万円、土地取得費が985.0万円です。

この建設費には付帯工事も含まれます。本体価格だけを見て安いと判断すると、この差額に足をすくわれてしまいます。

999万円の家と「正直価格」【本体ベース】

アイダ設計は「正直価格」を掲げ、分かりにくい価格設定をしないと公表しています。価格をめぐるトラブルは、この分かりにくさから生まれることが多いという考え方です。

そこで、参考となる2つの数字を見てみます。

ひとつは公式の「999万円の家」。もうひとつが、複数の住宅情報メディアの推計です。メディアの推計を総合すると、アイダ設計の坪単価は本体ベースでおおむね30万円台から50万円台に分布するという見方が多くなっています。ローコスト帯の水準ですが、これはあくまで本体だけの数字です。

坪単価は比較の入口には便利でも、最後の判断には使えない指標です。同じ坪40万円でも、地盤改良や外構、住宅ローンの諸費用まで含めれば、数百万円の差がつきます。

ファイナンシャルプランナーとして確かめたいのは坪単価ではありません。毎月の返済額が、手取りの何割を占めるかです。住宅は購入して住んでからの方がはるかに長いのです。

値引きは期待できるのか

アイダ設計は値引きの方針を公表していません。ですから、何%引けるといった数字をここに書くことはできません。

そのうえで、総額を下げるには2つのポイントがあると知っておいてください。

ひとつは、本体価格そのものに手を入れる値引き。もうひとつが、オプションや付帯工事、諸費用を削って総額を寄せる方法です。

前者は原価に直結するため幅が小さく、仕入れと加工でコストを詰めた低価格帯ではとくに動きにくくなります。安さの源泉を、さらに削ることになるからです。

後者は、仕様を落とすことと表裏一体になります。20代女性が書いた「収納を増やせばよかった」という後悔は、削る場所を間違えたときに起こるものです。

2024年度のフラット35利用者調査では、注文住宅の年収倍率は全国で6.9倍でした。総額が年収の7倍を大きく超えるなら、値引き交渉よりも、延床面積やプランの見直しのほうが効果があります。

ここまで見てきた金額が高いのか安いのかは、1社の資料だけを眺めていても判断がつきません。同じくらいの広さの家を、ほかの会社ならいくらで建てられるのか。手元に何社かのカタログがあれば、その見当がつきます。

まだ候補を絞りきる時期でなければ、タイプの違う会社をいくつか取り寄せておくと、価格の幅が見えてきます。同じ条件で見積もってもらえば、金額の差もはっきりするはずです。

アイダ設計の住宅性能と保証

アイダ設計の住宅性能は、工法と工程が具体的に公表され、断熱と耐震は等級で示される一方、気密性能のC値は公表されていない、という組み合わせになっています。以下は、2026年7月時点の公式サイトの記載です。

耐震と構造

耐震の裏づけは、机上の計算だけではありません。

アイダ設計は、実際に建てた建物を使った震度7クラスの耐震実験をクリアしたと公表しています。工法は木造で、構造材は自社のプレカット工場で加工する流れです。木材を自社で仕入れて検査し、基準を満たした部材だけをミリ単位でカットしていきます。

施工の段階でも、注文住宅では第三者の住宅検査機関によるチェックが入ります。構造耐力上主要な部分や、雨水の浸入を防ぐ部分などを、全4回・34分野・97項目以上にわたって確認すると案内されています。

ただし、この実大実験や第三者チェックは注文住宅が対象で、契約内容によっては実施しない場合があるとの注記もあります。耐震等級そのものは公式サイトに明示がないため、取得予定の等級と構造計算の書類は、契約前に確認するようにしてください。

断熱と省エネ

断熱は、標準の水準が公式で示されています。アイダ設計の注文住宅は、標準仕様で断熱等級5を確保していると公表しています。上位のBRAVO ZEHでは、断熱等級7と一次エネルギー消費量等級8に対応するとのこと。ZEHビルダーとして登録し、太陽光3.5kwを載せた仕様も用意しています。

ここで制度の話を押さえます。国土交通省は、2025年4月以降に着工する原則すべての新築住宅に、省エネ基準への適合を義務づけました。この基準は断熱等性能等級4と一次エネルギー消費量等級4に相当します。つまり今の新築は、どの会社でも等級4以上が前提。標準で等級5というアイダ設計の水準は、この義務ラインを一段上回る位置づけになります。

一方で、気密性能の実測値であるC値は公式に非公表です。断熱性能はUA値0.55(断熱等級5相当)として公表されています。求める性能があるなら、契約する1棟の等級と測定結果を、書面で受け取ってください。

保証とアフターサービス

アイダ設計は、注文住宅に35年保証を用意しています。この長期保証を支えるのが、入居後も自社の専門スタッフが行う定期点検です。

数字だけを見ると手厚いですよね。ただ、長期保証にはひとつ、共通の注意ポイントがあります。

項目 内容
長期保証 注文住宅に35年保証
点検体制 入居後も自社専門スタッフが定期点検を実施
法定の下限 構造耐力上主要な部分と雨水浸入部分に10年(住宅品質確保促進法)
品質認証 ISO9001・ISO14001を取得

新築住宅には、住宅品質確保促進法によって、構造の主要部分と雨水の浸入を防ぐ部分に10年間の瑕疵担保責任があります。ここが法律の担保する最低ラインで、その先の35年は、点検を受け続けることで届く年数です。これが注意ポイントです。

これは長期保証をうたう住宅会社に広く共通する構造で、アイダ設計だけの話ではありません。点検のたびに有償の工事が必要になるのか、その費用の目安はいくらか。保証年数の長さは、将来の支出とセットで確認するようにしましょう。

アイダ設計で後悔しないための3つのポイント

後悔を減らす手順は、ここまでの検証からそのまま引き出せます。アンケートの声が、それぞれの根拠になっています。

アイダ設計で後悔しないための3つのポイントを順に示した図。検証から導いた、後悔を減らす3つの手順を挙げている。
後悔を防ぐために押さえたい3つの行動。

1.担当者と決めたことを、書面で残す

アイダ設計で体験の質を左右するのは、担当者との進め方です。30代女性は担当が何度も変わって不安になり、50代男性は完成後の手直しを交渉で乗り切りました。どちらも、記録を残す習慣で負担を軽くできた部分です。

打ち合わせで決まったことは、そのつど議事録や書面に残してもらうようにしましょう。変更できる項目とできない項目、追加費用の一覧も、更新しながら共有します。

担当が変わっても、書面があれば引き継ぎの抜けを防げるからです。相性が合わないと感じたら、担当変更を申し出てかまいません。

2.本体・付帯・諸費用・土地の4本立てで総額をつかむ

「999万円の家」も月々5万円台の目安も、建物本体を指す数字です。付帯工事も諸費用も土地代も、そこには入っていません。50代男性の総額3,200万円の内訳は、建物3,000万円に諸経費200万円。諸経費だけで200万円が動いています。

土地、建物本体、付帯工事、諸費用の4つに、それぞれ上限を置いてください。その合計が年収の何倍になるかを、先に出します。2024年度のフラット35利用者調査では、注文住宅の年収倍率は全国で6.9倍でした。この公的なものさしと自分の返済計画を突き合わせるほうが、坪単価の比較よりずっと役に立ちます。

3.耐震等級と断熱等級を、数値で受け取る

アイダ設計は、標準で断熱等級5(UA値0.55)・耐震等級3・耐風等級2を公表する一方、気密性能のC値は数値を示していません。裏を返せば、あなたが契約する1棟の数値は、あなたが聞かなければ分からないということです。

取得予定の耐震等級、断熱等性能等級、そして気密測定の結果があれば、その数字を書面で受け取るようにしてください。

2025年4月以降の新築は省エネ基準への適合が義務づけられており、根拠となる書類は以前より確実に作られています。求める性能があるなら、仕様書に数値で書き込んでもらうのが、いちばん確実です。

アイダ設計の商品ラインナップ

商品は、価格を抑えた注文住宅を軸に、性能を高めた上位商品まで並んでいます。金額はいずれも建物本体が中心の目安です。

商品 位置づけ 向いている条件
999万円の家 低価格の自由設計注文住宅 価格を抑えて注文住宅を建てたい
BRAVO2(断熱と耐震の家) 断熱等級5・一次エネ等級6に対応 標準性能でバランス良く建てたい
BRAVO ZNEXT 省エネ住宅(優秀賞を受賞) 省エネ性能を重視する
BRAVO ZEH 断熱等級7・一次エネ等級8に対応したZEH 最上位の断熱と省エネを求める
分譲住宅 太陽光付きのECOHOUSEなど建売 土地とセットで早く住みたい

平屋のプランも用意されています。

設計をルーツとする会社らしく、狭小地の設計を得意にしている点も特徴。狭小地だからと設計料を上げることはしない、と公式が明言しています。

施工エリアは、首都圏を中心に東北から関西まで広がり、支店・営業所は全国96店舗です。構造材を自社のプレカット工場で加工する体制が、価格と品質の両方を支えています。

アイダ設計が向いている人・慎重に検討したい人

向き不向きは、価格の安さではなく「確認と記録を自分で進められるか」で決まります。

向いているのは、価格を抑えて自由設計の家を建てたい人です。

予算内で堅実にまとめたい人、狭小地や二世帯で設計力を借りたい人にも合います。標準の断熱等級5で十分と考える人、打ち合わせの決定事項を自分で記録し、担当者と対話を重ねられる人にも向くでしょう。50代男性のように、気づいた点をその場で伝えて解決していける人とは、相性が良い会社です。

一方、慎重に検討したいのは、打ち合わせも確認もすべて任せて進めたい人。営業の交代があっても自分で引き継ぎを確かめる手間を惜しむ人は、不安が残りやすくなります。

外観や内装に最上位の重厚感を求める人、C値や耐震等級を最初から数値で保証してほしい人も、確認と交渉の手間を見込んでおくのが安全です。完成を急ぐ人は、工程表と遅れたときの取り決めを、契約前に押さえておいてください。

まとめ

ここまで読んでくださったあなたは、「評判悪い」「後悔」と言われる中身が、会社の欠陥ではなく確認不足から生まれていることに気づいたはずです。要点を整理します。

  • 施主1,132人のうちアイダ設計で建てたのは4人。満足度は90%が2人、70%が1人、50%が1人で、平均75.0%は参考値にとどまる
  • 後悔の中心は担当者との進め方。営業の交代や引き継ぎへの不安と、担当の印象が良かったという声が同居していた
  • 公式は坪単価を非公表。価格の目印は「999万円の家」と月々5万円台で、付帯工事・諸費用・土地代は別に必要になる
  • 注文住宅は標準で断熱等級5、震度7クラスの実大実験をクリア、35年保証。C値は非公表なので(耐震等級3・断熱等級5は公表済み)、契約する1棟の等級と気密測定の結果は書面で確認する
  • 倒産の事実はない。2024年度の売上高621億円・従業員1,060人・96店舗で、東証のTOKYO PRO Marketに上場している

次にやることは3つです。担当者と決めたことを書面で残す。土地・本体・付帯・諸費用の4本立てで上限額を紙に書く。そして契約前に、耐震等級と断熱等級、気密測定の結果を数値で受け取ること。

そのうえで、候補の会社を同じ条件のまま横に並べてください。

同じ延床、同じ設備グレード、同じ土地で見積もりを取れば、本体価格の見かけの差は消え、総額と性能の実力だけが残ります。アイダ設計がその比較に耐えるかどうかは、あなたが価格の安さをどう活かすかで決まります。

よくある質問

アイダ設計のよくある質問をまとめました。

アイダ設計で後悔しやすいのはどんな点ですか?

A. 担当者との進め方と、本体価格に含まれない費用の2点です。独自アンケートに答えたアイダ設計の施主4人のうち、3人が営業担当との進め方について何かしら書いていました。営業の交代や引き継ぎへの不安が中心です。打ち合わせの決定事項を書面で残し、土地・本体・付帯・諸費用の4本立てで総額を先に決めておけば、多くは防げます。

アイダ設計の坪単価はいくらですか?

A. 公式は坪単価を公表していません。価格の目印は「999万円の家」と、月々5万円台以下という支払いの目安です。複数の住宅情報メディアの推計を総合すると、本体ベースでおおむね坪30万円台から50万円台に分布するという見方が多くなっています。ただしこれは本体だけの数字で、付帯工事・諸費用・土地代を含む総額とは別に考える必要があります。

アイダ設計の「999万円の家」は本当に999万円で建ちますか?

A. 999万円は建物本体の目安で、家が建つまでの総額ではありません。付帯工事や諸費用、土地代は別に必要になります。アイダ設計は、設備の一括大量仕入れと自社プレカット工場での加工でコストを下げていると公表しています。総額は、土地・本体・付帯工事・諸費用の4本立てで見積もりを取ると読み違えません。

アイダ設計はやばい・倒産すると聞きましたが本当ですか?

A. 倒産や廃業の事実は確認できません。株式会社アイダ設計は1981年の創立で、2024年度の売上高は621億円、従業員は1,060人、支店・営業所は全国96店舗をかまえています。東京証券取引所のTOKYO PRO Marketに上場し、証券コードは2990です。検索候補の「やばい」は、実態ではなく検索の履歴で育つ言葉ですから、会社の財務とは切り離して見るのが正確です。

アイダ設計の断熱性能や耐震性能はどのくらいですか?

A. 注文住宅は標準仕様で断熱等級5を確保していると公表されています。上位のBRAVO ZEHは断熱等級7に対応します。耐震は、実際に建てた建物を使った震度7クラスの耐震実験をクリアしたとしています。ただしC値の具体的な数値は公式に非公表のため、契約する1棟の気密測定の結果は書面で確認してください。

アイダ設計の保証は何年ですか?

A. 注文住宅には35年保証が用意されています。入居後も自社の専門スタッフが定期点検を行い、長期保証を維持する仕組みです。法律上は、住宅品質確保促進法により構造の主要部分と雨水の浸入を防ぐ部分に10年の瑕疵担保責任があり、そこが下限になります。35年は点検を受け続けることで届く年数のため、点検や工事の費用の目安も契約前に確かめておくと安心です。

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