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自宅を売却して売却益が出た場合、売却益に税金がかかります。
これが通称「譲渡所得税」です。
譲渡所得税は自宅の所有期間に応じて税率が変わります。
キーとなる期間は5年。
この5年よりも長いか短いかによって税金が約2倍も変わってきます。
なぜ所有期間によって税率が変わるかも含めて短期譲渡所得について勉強していきましょう。
また、近年の不動産価格の高騰により、現在不動産が高値で売却できる良い市況が続いています。
今のタイミングを狙って不動産を売却しようと考えている人も多いと思うのですが、売却時に絶対にやってはいけないことを知っていますか?
それは、「1~2社程度の不動産会社にだけ、査定を依頼すること」。
一般的な商品とは異なり、不動産には決まった価格がありません。査定を依頼した不動産会社によって500万円以上査定額が違うこともあります。
もしあなたが1~2社にだけ不動産査定を依頼して適正価格より低い査定額が提示された場合、本来売れるはずだった金額よりも数百万円安く売りに出してしまう可能性があります。
具体的な事例を挙げてみましょう。あなたが売却予定の不動産の本来の適正価格が「3,000万円」だったとします。
たまたま査定に出した2社の不動産会社の査定額が「2,700万円」と「2,650万円」だった場合、あなたはどう思うでしょう?
適正価格を知らないあなたは、
「なるほど。プロが言うのだから、2,700万円ほどが妥当なのだろう。」
と判断し、2,700万円前後で売りに出すでしょう。
本来であれば3,000万円でも売れた物件を、300万円も安い金額で手放してしまったわけです。高級な車が買えるほどの大金をドブに捨ててしまったわけですね。
「適正価格で売り出すことが大切なのはわかったけど、どうやって適正価格を調べることができるの?」
と疑問に思われますよね。不動産の適正価格を把握する方法は、ずばり「5社以上の不動産会社に査定を依頼すること」です。
1~2社では査定額が偏ってしまうリスクがありますが、5社以上に査定を依頼することで、査定額の偏りを避けて適正価格を把握しやすくなります。
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それでは解説をはじめていきます。

【本記事の監修者】 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ転職。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社Azwayを創業。 「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。
もくじ
短期譲渡所得の基本事項2選

譲渡所得税は所得税(譲渡所得)、住民税、復興特別所得税の通称。
短期譲渡所得を知るには、譲渡所得税について知ることが必要です。
そもそも自宅を売却して譲渡益が発生しなければ譲渡所得税が課税されることはありません。
ただ、譲渡益の計算方法を知らないと課税されるかどうかもわからないもの。
多くの特例や特別控除もあります。
ここでは短期譲渡所得の基本事項を譲渡所得税の基礎知識と、長期譲渡所得との対比で説明していきましょう。
- 譲渡所得税の基礎知識
- 短期譲渡所得と長期譲渡所得
以上の2項目について説明します。
1.譲渡所得税の基礎知識
譲渡所得は難解に見えるものの、その計算方法はいたってシンプルです。
譲渡所得の計算方法は、
譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)
となります。
譲渡価額は自宅の売却代金、取得費は自宅を購入した時の代金、譲渡費用は売却に要した仲介手数料などの費用です。
それぞれには細かい規定や計算がありますが、基本は先ほどの計算式となります。
2.短期譲渡所得と長期譲渡所得
譲渡所得に短期と長期があることはすでにお話ししました。
所有期間によって税率が変わってしまうのは、短期譲渡所得に該当する当事者にとっては大きな負担となります。
ただ、これは住宅の売買だけではない、地価抑制政策も関連しているのです。
短期譲渡所得と長期譲渡所得の期間と、このような制度ができた背景をリサーチしてみました。
2-1.短期譲渡所得の期間とは
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら短期譲渡所得です。
2021年内に売却した場合を考えると、2016年以後に取得した不動産は短期譲渡所得となります。
その税率は39.63%です。
税率は非常に高く、譲渡所得の約4割が税金に消えてしまいます。
これだけの税率だと、短期的に売買をしようとする人は少ないものです。
2-2.長期譲渡所得の期間とは
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得に該当します。
その税率は20.315%。短期譲渡所得の40%近い税率を見た後だと小さく感じますが、長期譲渡所得もなかなか高率です。
ただ、譲渡所得の計算には各種の特例もあり、大幅に譲渡所得を減らすこともできます。
2-3.短期譲渡所得の税率が高い理由
短期譲渡所得の税率が高い理由、それは転売の防止です。
地価が上昇していたり、マンション価格が上昇したりしている局面では、短期間で転売益を上げようとする人が現れます。
株式などならともかく、生活の基盤である住宅で投機目的の売買をされると本当に住宅が欲しい人が購入できなくなってしまいます。
これを防止するために短期譲渡所得には高い税率が課されているのです。
短期譲渡所得で適用できる自宅売却時の特別控除

短期譲渡所得では自宅売却に3,000万円の特別控除を受ける余地があります。
そもそも短期譲渡所得の制度があるのは、不当に転売益を稼ごうとすることを防ぐこと。
投機目的の売買でなければ高い税率で規制することはないのです。
短期譲渡所得で適用できる自宅売却時の特別控除で特筆すべきは次の5点になります。
- 居住用財産を売却した場合の3,000万円の特別控除
- 売主本人が居住していること
- 転居してから3年後までに譲渡したこと
- 家を取り壊した場合に他の用途に利用していない
- 家族や親族に売却していないこと
それぞれ説明します。
1.居住用財産を売却した場合の3,000万円の特別控除
現在住んでいる、または3年ほど前まで住んでいたマイホームであれば、3,000万円の控除を受けることが可能です。
これだけの控除があれば、譲渡所得のかなりの部分を減らすことができます。
この3,000万円の控除はいくつかの要件はあるものの、比較的適用しやすい控除です。
2.売主本人が居住していること
3,000万円の控除を受けるためには、売却した物件が売主本人の居住している家屋や、家屋と共に譲渡する土地であることが要件です。
売主本人がその物件に居住していないと、それは投機目的の物件である可能性があります。
このため、売主本人が居住していることが要件とされているのです。
一方、売主本人が居住していた物件は自宅である可能性が高くなります。
こうした自宅であった不動産に高率の譲渡所得税を課すのは制度の目的ではありません。
特別控除をすることによって、本当に自宅売買をする人を保護しています。
3.転居してから3年後までに譲渡したこと
住まなくなった日から数えて3年を経過する年の12月31日までに売却することが必要です。
2021年中に売却するのであれば、2018年までは居住していたことが要件となります。
また、2021年まで住んでいた家なら2025年中の売却を要するのです。
のんびり構えていると、3年などあっという間に過ぎてしまいます。
もしこの控除を受けるつもりなら早めに動きましょう。
4.家を取り壊した場合に他の用途に利用していない
他の用途、例えば駐車場等に利用していると、この特別控除は受けることができません。
しばらく使わないので月極め駐車場にしよう、と貸し駐車場を運営していると、この特別控除は利用できないのです。
駐車場や家庭菜園などで一時的に利用している場合は特別控除を受ける時点では、その用途は廃止しておきましょう。
5.家族や親族に売却していないこと
公平性や客観性を保つために、第三者へ売却することが要件です。
家族や親族だと、不当に高く、あるいは不当に安く売却することも考えられます。
こうした行為はいわば特別控除の悪用、脱法行為です。
売却相場に近い価格で第三者に売却しないと特別控除は適用できません。
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その他の短期譲渡所得に適用できる特例や特別控除の2つの考え方

先ほどご紹介した3,000万円の特別控除のほかにも、短期譲渡所得はいくつかが確認できます。
ただ、その多くは適用自体が難しいものばかりです。
短期譲渡所得の場合、あまり多くの特例や特別控除は期待できません。
短期譲渡所得に適用できる特例や特別控除について2つの考え方にまとめてみました。
- 他にも特例はあるものの適用が難しい
- 長期間所有している物件には恩恵が大きい
それぞれ説明します。
1.他にも特例はあるものの適用が難しい
この他にも、多くの特例があります。
ただしその多くは土地区画整理事業用地になった場合や用地買収にかかった場合などの公共事業用地となった場合の特例です。
こうした特例が適用されるケースは非常にまれなケースと考えられます。短期譲渡所得での適用は事実上難しい特例です。
2.長期間所有している物件には恩恵が大きい
実際に短期譲渡所得に該当する案件で適用できる特例や特別控除は多くありません。
反対に長期譲渡所得となる5年超の所有期間や、もっと長い10年以上の所有期間であれば数多くの特例や特別控除が用意されています。
こうした点は短期譲渡所得のやや不利な点です。
短期譲渡所得と長期譲渡所得どちらが得か?4つの判断材料

税率で判断すればもちろん長期譲渡所得のほうが得です。
なにしろ税率が2倍違います。ただし、不動産は維持管理費もかかるもの。
新しいうちに売却した方が高く売れる場合もあります。そうしたことを考えると税率が高いことを覚悟で早めに売る判断も可能です。
短期譲渡所得と長期譲渡所得いずれを選択すべきかの判断基準を4点あげてみました。
- 税率では長期譲渡所得
- マイホーム特例で多くが控除されている
- 建物は築年数が浅いほうが高く売れる
- 固定資産税や維持管理費も考慮しよう
ひとつずつ検討していきます。
1.税率では長期譲渡所得
税率では比較するまでもなく、長期譲渡所得のほうに軍配が上がります。
およそ20%の長期譲渡所得と約40%の短期譲渡所得では比べるべくもありません。
もし、所有期間が短期譲渡所得と長期譲渡所得の境目あたりであれば、長期譲渡所得の期間まで待ってから売却した方が税負担は軽くなります。
2.マイホーム特例で多くが控除されている
どちらが得かは税率だけでは判断できません。
譲渡所得には特例や特別控除が多くあるため、そもそも譲渡所得税がかからないこともあるのです。
このような場合はなるべく早く売却した方が得になります。
概算で計算してみて、譲渡所得が発生しないのならそのまま売却するのもひとつの手段です。
3.建物は築年数が浅いほうが高く売れる
一般的に建物は築年数が浅いほうが高く売れます。
税率が高いからといって高く売れる期間を漫然とやり過ごしているのも、もったいない話です。
高く売れる場合やすぐに売却できる公算がある場合には早めの売却を目指した方がよいでしょう。
不動産業者の査定などを参考にして、売却価格と相談しながら売却を進める方法もあります。
4.固定資産税や維持管理費も考慮しよう
不動産は維持管理費がかかるものです。
戸建住宅でも固定資産税などは課税されます。
マンションだとこれに加えて共益費や修繕積立金もかかるもの。
長期譲渡所得が適用されるまで1年程度あると、その維持管理費は相当な金額になります。
場合によっては不動産の維持管理費は1年あたり数十万円以上です。
こうした維持管理費も考慮に入れて譲渡所得の期間を考えましょう。
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まとめ
譲渡所得の4割近い金額が税金として徴収されてしまう短期譲渡所得。
そこだけみると、不利な面が多いものです。
一方で不動産は築年数が新しいほうが価格は高くなります。
また、売れるときに売っておいた方がよい場合もあるのです。
また、特別控除の適用で税金をほとんど納める必要がない場合もあります。
概算で税金を計算してみて、不安があれば税理士などの専門家にも相談してどれが最も持ち出しが少ないのか計算してみましょう。
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